コロナと麻雀界

 2020/5/1up

私、ブラックマの近況

 新型コロナウイルスが猛威を振るっています。私や私の周囲では幸いにも感染者はおらず、また失業することもなく給料が減っていることもありません。たいへんありがたいことであります。

 私は医療従事者ではないしマスクの製造業者などでもないのですが、むしろ仕事は忙しくなってしまいました。平常時に比べて2〜3割ほど人が減った「準満員電車」に揺られてトボトボと出勤する毎日です。もちろんマスクで武装し、手洗いやアルコール消毒などは行っていますし、電車も窓を開けて換気を徹底しています。それでも感染リスクはゼロではありませんが、仕事を辞めて優雅な生活ができる身分ではありませんので、ここが踏ん張りどころです。

 その結果、あり得ないくらいに天鳳の打荘数が激減してしまっています。2月以降は月に5回も打てていません。天鳳日記に書くようなネタもない状態です。

 「Maru-Jan」では、コロナウイルスにより外出を自粛する人が増えることを受け、全会員に対して2月に300ポイント(300円相当)、4月にも500ポイントが配布されました。ありがたいご配慮です。そのポイントを使って「第3回全日本ネット麻雀グランプリ」に参加しましたが、1st STAGEは通過したものの2ND STAGEは連続2着で敗退。上位入賞には5半荘連続トップが必須と思われるだけに、天鳳のラス回避麻雀に慣れているとうまく対応できません。

プロ麻雀界への影響

 日本プロ麻雀連盟では、4大タイトルの1つである「第29期麻雀マスターズ」が開催中止となりました。これはやむを得ない措置でしょう。連盟に限らず、今後も公式戦の延期や中止が相次ぐ可能性があります。

 最高位戦プロ麻雀協会には激震が走りました。なんと、現最高位である坂本大志プロが新型コロナウイルスに感染してしまったのです。4月14日に退院されたのは幸いでした。

 この結果、Mリーグファイナルが無期限延期に追い込まれていますが、そんな中で4月29日のある方のツイートにより、坂本プロが退院後に雀荘でセット麻雀を囲んでいたことが判明。賛否両論が渦巻く事態となっています。「福地誠氏のnote」(有料なのでご注意あれ)を読ませていただきましたが、「自粛したほうが望ましい」としながらも「まったく問題ない」との立場でした。詳しくは、福地氏の記事を購入して読んでください。

 私が気になるのは、「退院=完治なのか?」という一点。新型コロナウイルスに感染して入院すると、退院の際にこんな紙を渡されるらしいです(2020年2月末時点の内容)。

 ふむ。たしかに、外出を自粛しろとはどこにも書かれていません。でも、だからと言ってどこへでも外出し放題かと問われれば、それは全く違うと思います。実際に、退院後に再び陽性と判定された方もいらっしゃるのです(この判定も100%正確というわけではありませんが、ここでは省略します)。

 そう考えると、問題は大いにありと書かざるを得ません。「世間がうるさいからしぶしぶ家に閉じこもる」というレベルではなく、「自分が他人に感染させるリスクがあるから、強い意志を持って外出しない」というのが普通の思考ではないでしょうか。

街の雀荘はどこも厳しい

 プロの世界でもこのように影響が出ていますが、それ以上に甚大な影響を受ける可能性があるのは街の雀荘。2月頃までは通常営業する店も多かったですが、3月に様子が一変。休業する店舗が続出し、開店していても客足が通常時の1〜2割という店も珍しくありません。それもそのはず、4月に緊急事態宣言が出されただけでなく、厚生労働省のホームページで雀荘が名指しされているのです。

 とりわけ、厚生労働省や各種報道にて3月1日に、複数の感染者を発生させた事例として雀荘が挙げられた痛手は大きく、閉店する雀荘も出てきています。あくまでも「今のところ(当記事執筆時点)」ですが、雀荘でのクラスターは確認できておりません。「今後クラスターが発生するリスクがある」ならともかく、「複数の感染者を発生させた」は完全なる誤報でした。

 苦境に陥る雀荘に対する補償は各都道府県によりまちまちですが、雇用調整助成金の特例が使用できる見込みですので、どうかこちらをご活用いただければと思います。

今こそオンライン公式戦を広めよう

 話を再びプロの世界に戻します。各種公式戦の延期・中止は仕方のないものですが、この新型コロナウイルスは高温多湿の環境下で死滅するという保証もなく、我々人類は年単位でコロナとの戦いを強いられる可能性があります。

 以前から書こう書こうと思っていて果たせていなかったのですが、この際積極的にインターネット対局を利用した公式戦を導入してみてはいかがでしょうか。すでに一部で実施済みではありますが、それを重要な公式戦に拡大するのです。

 もちろん生の対局に比べてデメリットもあるでしょう。金子正輝プロの「顔芸」も、賛否両論ありますが森山茂和プロの「アトミックリーチ」も見られなくなり、人間味がなくつまらないという意見も一理あります。

 しかしそれを補って余りあるほどのメリットがあります。まずは、自宅にいながら対局できるので、新型コロナウイルスの影響は受けません。見る側も自宅で観戦することができ、ステイホームの観点からも良いものになるでしょう。

 続いて経費削減について。雀荘やスタジオを借りる必要はなくなり、会場設営・採譜者(牌譜を記録する人)などの人件費も削減できます。対局者、とりわけ遠方に住むプロにとってみれば交通費やホテル代を節約できるのはたいへん大きいはずです。

 また対局時間も削減できるでしょう。一般のプロの対局は、1時間、1時間半、ヘタするとそれ以上かかることもあり、1日4〜5半荘程度が相場になっています。しかしネット対局ではツモの動作や点棒のやり取りがないことなどから、半分くらいに短縮できることが期待できます。天鳳などのように打牌の制限時間があれば、より多くの時間が削減できるでしょう。

 時間が削減できれば、1日に半荘7〜8回、あるいは10回程度打つことも可能になります。連盟の鳳凰戦は4日間半荘16回、最高位決定戦は5日間半荘20回で行われていますが、ネット対局なら50回戦や100回戦といった長いスパンの対局もできるかもしれません。半荘数が多ければ多いほど運の要素が排除されやすくなるため、「真の勝者」を決めるにはうってつけです。

 新型コロナウイルス自体は憎むべき存在ですが、これをチャンスをとらえて実行してみてはいかがでしょうか。

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