年々劣化するモンド杯

 2014/10/25up

 1997年から放送が始まったモンド杯。かつては各団体のトップ雀士が集結するという意味合いが強く、「われ目DEポン」くらいしか麻雀番組がなくなってしまった時代の中では、とても画期的で素晴らしい番組でした。過去形です。今は日本プロ麻雀連盟(以下「連盟」と略します)に番組を占拠されてしまった状態です。

 モンドTVでは連盟もCMをバンバン打ってるので、きっと主要スポンサーなんでしょう(調べてはいませんが)。最高位戦日本プロ麻雀協会(以下「最高位戦」と略します)や日本プロ麻雀協会(以下「協会」と略します)の枠をどんどん削って、連盟の無名なCリーガーを登場させたら、そりゃ番組の質が低下するに決まっています。

 三度の飯より麻雀が好きな私は、しばらくの間我慢してブルーレイに保存したりしていましたが、2014年7月に放送が始まった「第12回女流モンド杯」で、打ち筋に光るものがあり応援している清水香織(連盟)と石井あや(最高位戦)が両方いないことに失望して、とうとう視聴することをやめてしまいました。もっとも、2人とも「チャレンジマッチ」で敗れたのが原因なので、一発勝負の超短期戦とはいえ一応実力で外されたわけではありますが、番組の質が低下したことに変わりはありません。

 だって、清水と石井がいなくなり、残ったのは近代麻雀で「???」な連載をしているグラビアアイドルとか、わけの分からぬ打ち筋をする人間ばかりですから(あくまで個人的見解です)。第10回から人数を8人から12人に増やしたのも完全に逆効果で、レベルが低い女流雀士が一気に増えて、もはや見れたレベルではなくなってしまいました。わずかながらAリーガーの素晴らしい打ち手もいますが…。

 2014年11月に始まる予定の「第15回モンド杯」も酷いもので、前年は連盟4、最高位戦2、協会1、野口賞1だった出場枠が、ドサクサに紛れて連盟6、最高位戦2になってしまってます。各団体からトップ雀士が集まるから面白いのに、こんな暴挙をして(連盟のお偉い方以外)誰が喜ぶんでしょうね。それでは、その出場メンバーをご覧ください。50音順です。

名前 所属団体 主な実績
新井啓文 最高位戦 第38期最高位(2013年)
井出康平 連盟 なし(C2リーグ所属)
佐々木寿人 連盟 なし(A2リーグ所属)
瀬戸熊直樹 連盟 第26・27・29期鳳凰位(2009・10・12年)、第28〜30期十段位(2011〜13年)、第14期發王位(2005年)
滝沢和典 連盟 第32〜33期王位(2006〜07年)
藤崎智 連盟 第30期鳳凰位(2013年)、第16期十段位(1999年)
村上淳 最高位戦 第35期最高位(2010年)、第5、9期最高位戦Classic(2010、14年)
山井弘 連盟 なし(A2リーグ所属)
※当然のことですが、チャンピオンズリーグ優勝とか麻雀最強戦優勝とかモンド杯優勝などは、主な実績には含みません。

 敢えて誰とは言いませんが、違和感がある人がチラホラといらっしゃいますよね。コバゴーは無理としても、鈴木達也、鈴木たろう、石橋伸洋をあたりを出場させたほうがはるかに白熱した対局になり、面白い番組になることは明らかです。達也の場合はなぜかモンド杯だけ実績を残せていませんが、実力的には全団体のプロ雀士の中でトップ10に入るでしょうから。

 変なのが混じっているとはいえ、女流モンド杯とは異なり「見れたものではない」というほどレベルが低いメンバーではないので、録画しようかどうかはかなり悩みました。連盟最強の瀬戸熊とか、モンドは久しぶりに登場の藤崎の打ち筋は気になりますし。しかし、忙しい時間を割くほどの価値はないと判断し、録画は取り止めることに決定いたしました。10年以上視聴し続けた愛着ある番組ですが、こうも劣化してはどうしようもありません。さようなら。

 ちなみに、2005〜06年放送の第6回モンド21杯は、こんなメンバーでした。50音順です。実績は、2005年時点のもののみ記します。また、所属団体も2005年現在のものです。

名前 所属団体 主な実績
荒正義 連盟 第8期鳳凰位(1991年)、第5・29期王位(1977・2003年)、第12期マスターズ(2003年)
飯田正人 最高位戦 第14〜17期・20期・23期・25期・28期最高位(1989〜92・95・98・2000・03年)、
第17期王位(1990年)、第5期八翔位(1988年)
金子正輝 最高位戦 第9・11・12・24期最高位(1984・86・87・99年)、第10期八翔位(1993年)
第10期名翔位(1999年)、第21〜23期名人(1990〜92年)
古久根英孝 最高位戦 第26・27・30期最高位(2001・02・05年)
小島武夫 連盟 第3・4期最高位(1978・79年)
須永聖士 最高位戦 なし(新鋭モンド21杯で優勝したため、出場権を得ました)
土田浩翔 連盟 第11、22期鳳凰位(1994・2005年)、第22期十段位(2005年)、第26期王位(2000年)
土井泰昭 協会 第1期雀王(2002年)、第8期發王位(1999年)
萩原聖人 俳優
森山茂和 連盟 第9期王位(1981年)

 この頃は、まだ各団体のトップが集まる夢の対局という様相が残っていました。また、各5戦の予選、2人足切りで各10戦の準決勝、そして4名による4戦の決勝と、決勝卓に残れば合計半荘19回も戦うので、予選・準決勝の成績を持ち越さないという難点があるとはいえ、優勝者にもまだそれなりの価値があった時代です。

 なぜモンド杯で連盟が不当に優遇されているのでしょうか。推測するに、連盟(の関連会社)が運営する「ロン2」のCMをバンバン打ったり、モンドの牌譜を連盟のシステムで提供したりなど、連盟が主要スポンサーであるからなのではないでしょうか。もちろんテレビ業界ではスポンサーの意向を取り入れるというのは珍しいことではないのですが、ここまで実力・実績無視であからさまな贔屓をやられては、見ているファンに対してもたいへん失礼です。

 間違いなく芸能人最強の実力を持つ萩原聖人の対局を見られるのも大きな魅力でした。どこの誰かも分からないCリーガーを見るより、はるかにワクワクしたものです。モンド杯から姿を消したのは…まあ、とあるスポンサー様からの圧力がかかったという説が正しいようです。2014年にようやく久々に麻雀最強戦に帰ってきましたが、あれほど麻雀での実績が豊富な萩原が今まで最強戦の著名人予選に登場しなかったのは明らかに不自然ですよね。さまざまな業界の著名人が参加する、連盟主催の「麻雀トライアスロン」に萩原が全く登場しないことで、大人の事情を察してあげましょうか。

では我々はどうすべきなのか!?

 モンドTVもスポンサー様のご意向には逆らえないでしょうし、モンド杯が10年ほど前までの輝きを取り戻すのを待ってはいられません。というか、そんな日は永遠に来ないだろうと私は思っております。しかし、ご安心ください。モンド杯などよりもはるかに素晴らしい麻雀番組が存在するのです。

 それが麻雀スリアロチャンネルです。当サイトでも何度か紹介している「四神降臨」では、連盟を除く各団体のトッププロが団体の名誉を背負って戦う真剣な麻雀が見られます(詳しくはこちら)。登場プロの大半がタイトルホルダーか、タイトル戦の決勝卓に登場した実績あるトッププロばかりで、弱いグラビアアイドルなどは登場しませんので安心して視聴できます。

 「天鳳名人戦」は、ご存知No.1ネット麻雀サイト「天鳳」の頂点を決める対局ですが、連盟を除く各団体のトッププロも参戦しています。将来的には麻雀界最強の人間を決める対局として認知されるようになるでしょう(現在でもすでに、そういう側面を持っています)。

 ほかにも「四神降臨外伝 麻雀の鉄人」「日刊スポーツ杯」や、最高位決定戦、将王決定戦などの連盟を除く各団体のタイトル戦、あるいはAリーグの対局…。魅力的な番組がてんこ盛りで、まさに麻雀好きのためにあるようなチャンネルです。継続入会することにより1ヶ月無料などの特典がある場合もありますので、この機会にぜひ登録してみてはいかがでしょうか。

 「忙しくて見る暇がない」という方も多いでしょう。私もその一人で、なかなか生中継を見る機会に恵まれていませんが、過去の番組を視聴することも可能なのでご安心ください。そしてこのチャンネルはメールマガジンが面白く、連盟に対する恨み節なども見られます。私など、このメルマガ見たさに、月額登録を続けていると言っても過言ではないくらいです。例えば先月(2014年9月)は全く番組を見ていませんが、このスリアロチャンネルを応援したい気持ちが強いので、月額登録をやめるつもりはありません。麻雀番組を取捨選択できる、素晴らしい時代になったものです。

HOME