モンド杯は生まれ変わるのか

 2015/9/8up

 モンド杯への決別宣言をしてからわずか1年。スポンサーである日本プロ麻雀連盟(以下「連盟」と略します)からの圧力もあるであろうことは想像に難くありませんが、色々な制約がある中でモンド杯が生まれ変わろうとしています。もちろん問題点がないわけではありませんが、生まれ変わろうとする者を私は応援します。まさかモンドTVのご担当者様は、私のサイトを見てくださったのかな?

意外と公平になった女流モンド杯

 女流モンド杯を見ることをやめて2年目。結果にも牌譜にも全く興味はありませんが、出場者がどうなっているかは少し気になったので調べてみました。「女流モンドチャレンジマッチ」では、前年度予選落ちの4人+選抜された4名が一発勝負を行い、上位2名が女流モンド杯の出場権を得るという仕組みになっています。

 2015年の第2回チャレンジマッチでは、前年度予選落ちの黒沢咲、宮内こずえ、安田麻里菜(以上連盟)、水瀬千尋(協会)と、選抜された吾妻さおり(連盟=第8、9期女流桜花)、上野あいみ(協会=第9回夕刊フジ杯個人優勝)、大平亜季(最高位戦=第14期女流最高位)、豊後葵(協会=第13期女流雀王)の8名が戦い、黒沢・宮内の2名が勝利しています。その結果、第13回女流モンド杯は連盟9、協会2、最高位戦1の計12名で争われています。

 おそらくチャレンジマッチに参加できる「選抜された4人」というのは、連盟・最高位戦・協会各1+夕刊フジ杯優勝1の4名なのでしょう。4人落ちて2人昇格なのですから、残り2名は番組のさじ加減で人選が決まるのですが、今回は茅森早香(最高位戦)、と池沢麻奈美(連盟=第13回野口恭一郎賞女流棋士部門優勝)である模様。茅森はどういう基準で選ばれたかは不明ですが、池沢は野口賞優勝なので妥当な人選です。

 今後どうなるかは分かりませんが、調べる限り私の想像よりは公平なシステムでした。ただしいくら公平なシステムだろうと、私の見る気が起きないことには何ら変わりありませんが。女流モンド杯を見る時間があるなら、天鳳を打つ時間を増やしたいのです。

モンド杯もリニューアル!

 そしてなんと、モンド杯のほうも予選を採用していることが分かりました。最近は忙しくて全然知らなかった…。参加者は櫻井秀樹、猿川真寿(以上連盟)、石橋伸洋、水巻渉(以上最高位戦)、鈴木達也、鈴木たろう(以上協会)、多井隆晴(RMU)、小林剛(麻将連合)の8名。上位2名がモンド杯本戦に出場できます。これに伴い、女流モンド杯と同様に本戦の出場者が8名→12名に拡大したようです。

 去年無理だろうと書いたばかりのコバゴーが登場ですよ。コバゴーは麻雀最強戦2014にも登場して大いに盛り上げてくれましたが、モンド杯にも出場できるチャンスが生まれたんですね。うんうん、小さな団体からも出場させてあげることはよいことだ。これはニコ生を見なくては…。と思ったら、もう終わってました! ガクッ。

 結果は…。A卓水巻、B卓はコバゴーが制したようです。おお、コバゴー勝ったのか! 水巻もモンドTVの対局に出演するのはものすごく久しぶりではないでしょうか。うんうん、よかったよかった。

 まだモンドTVのサイトでは正式発表になっていませんが、第16回モンド杯のメンバーは井出康平、佐々木寿人、白鳥翔(第24期マスターズ)、瀬戸熊直樹、滝沢和典、藤崎智、前田直哉(第31期鳳凰位)、山井弘(以上連盟)、水巻、村上淳(以上最高位戦)、渋川難波(協会)、コバゴー(麻将連合)、すなわち連盟8、最高位戦2、協会1、麻将連合1の計12という枠組みになりそうです。マスターズ…まあ今日はやめておきましょうか。

 うーむ…。わけの分からない雀士も混ざっているとはいえ、かなり久しぶりに水巻の対局も見たいですし、コバゴーや渋川も見たい。去年は見てないので、藤崎にも興味はあります。昨年は迷った末見ませんでしたが、視聴を再開するかどうか、検討する価値はありそうです。

 もっとも、たまたま水巻とコバゴーが勝ったからいいものの、ここで連盟雀士が勝っていれば連盟10、最高位戦1、協会1という、どこかの天空麻雀まがいの酷い番組に成り下がるところでした。昨年より出場者が4人増え、2枠は予選を行い、残り2枠はちゃっかり連盟がいただいた、と考えるのがよさそう。これを改善と呼べるのかどうかは極めて微妙で、来年以降の動向を見守る必要がありそうです。

モンド名人戦はどうなる!?

 どうもこうもありません。おそらく現状維持でしょう。出場枠を12名に増やすとか、予選を設けるということは考えにくいです。森山茂和はいくらみっともなく牌をポロポロこぼしまくろうとも、テレビに出たがっているのです。私だったら恥ずかしくてテレビになど出られませんけど、森山は自分が予選落ちということは絶対に嫌がるでしょう。

 力士はマゲが結えなくなったら引退するものです。プロ雀士が牌をポロポロこぼす姿がテレビ中継されるのは、いかがなものかと思います。プロ野球に例えれば、キャッチャーからの返球をポロポロこぼしまくるピッチャーのようなものですよ。そんなプロ野球選手がどこにいますか。

番外編・麻雀最強戦2015はどうなのか!?

 こちらは毎年改悪を繰り返し、改善に向かう気配すら見えませんので、私は今年から著名人代表決定戦以外、一切見るのをやめました。その著名人代表決定戦も、風神と雷神に分かれなくなった模様。さて今年はどういう人選を行っているか、一覧表でご覧ください。

対局名 対局者 団体の枠組み ニコ生視聴数
女流プロ出場枠争奪戦1 大平亜季 手塚紗掬 水城恵利 松岡千晶
愛内よしえ 石田亜沙己 小池美穂 仲田加南
連盟4、最高位戦2、協会2 5,993
女流プロ出場枠争奪戦2 大崎初音 黒沢咲 安田麻里菜 涼崎いづみ
吾妻さおり 豊後葵 浅見真紀 山脇千文美
連盟4、最高位戦2、協会2 4,964
男性プロ出場枠争奪戦1 村上淳 猿川真寿 清原継光 荒木栄二
井出康平 藤原隆弘 櫻井秀樹 石井一馬
連盟5、最高位戦2、協会1 2,991
女流プロ代表決定戦
桜の陣
二階堂亜樹 高宮まり 石井あや 大崎初音
宮内こずえ 和久津晶 茅森早香 豊後葵
連盟4、最高位戦2
(+協会2)
7,711
男子プロ代表決定戦
風神編
阿部孝則 前原雄大 森下剛任 猿川真寿
佐々木寿人 山井弘 金子正輝 井出康平
連盟4、最高位戦1、RMU1
(+連盟2)
7,936
男子プロ出場枠争奪戦2 小倉孝 鈴木達也 水巻渉 勝又健志
福光聖雄 鈴木優 滝沢和典 渋川難波
連盟3、最高位戦2、協会3 3,886
歴代最強位決定戦 片山まさゆき 荒正義 鈴木たろう 沢崎誠
小島武夫 伊藤優孝 森山茂和 二階堂瑠美
連盟6、協会1、アマチュア1 9,701
女流プロ代表決定戦
菊の陣
魚谷侑未 井上美里 松岡千晶 池沢麻奈美
和泉由希子 清水香織 渡辺洋香 愛内よしえ
連盟5、最高位戦1
(+連盟1、協会1)
9,175
男子プロ代表決定戦
雷神編
瀬戸熊直樹 望月雅継 水巻渉 渋川難波
小林剛 藤崎智 多井隆晴 鈴木優
連盟3、協会1、RMU1、麻将連合1
(+最高位戦2)
8,188
合計 ※実力で枠を勝ち取った( )内の8名を除くと、
連盟比率は約6割!
連盟38、最高位戦12、協会10、
RMU2、麻将連合1、アマチュア1
(+連盟3、最高位戦2、協会3)
※プロとしてさしたる実績(主要タイトル戦の優勝)を残していないプロは赤字で記しました。予想通り、ほぼすべて連盟雀士でした。
※上記の実績には、前年度の最強戦の成績、野口賞を含みますが、チャンピオンズリーグや天空麻雀、モンド杯優勝などは含みません。

 去年あたりからRMUや麻将連合に門戸を開いているように見せかけていますが、内実は出場プロの約6割を連盟が占め、残るたった4割を他団体で分けなさいという図式なのです。連盟からは赤文字で記したようなわけの分からないプロがたくさん出場していらっしゃいます。いつの間にか最強戦ガールズ(笑)がちゃっかり選手として出場することになってますし。

 こういうわけの分からない改悪を繰り返し、2013年に連盟のスタジオ(夏目坂スタジオ)で収録するようになってからは視聴料も連盟ぼったくり仕様に合わせて大幅値上げ。その結果が、上記の通り視聴者数4ケタという悲惨な数字となっています。2012年までは、予選でも5ケタの視聴者がいたのですがね。10万人を超えることもあったと思います。

 というわけで、モンド杯については一定の評価を致しますが、最強戦は真っ逆さま転落まっしぐらといったところでしょう。わずかばかりRMUや麻将連合からプロを呼んだ程度では改善とは呼べません。

HOME