時代を先取りする多井隆晴プロ率いるRMUが動きました。「こちらの記事」で私がオンライン公式戦の開催を提唱してから1年もたたないうちに、1次予選から決勝までオンラインのみで完結する公式戦「第1期闘魂杯」の開催にこぎつけました。多井プロが当サイトをご覧になったかどうかは分かりませんが…。
対局はすべてオンライン麻雀ゲーム「雀魂(じゃんたま)」で行われます。私も最近「天鳳」で負けが込んだ時などによく利用させてもらっていますが(爆)、天鳳とは違った楽しさがあり現在人気急上昇中のアプリです。
何と言っても、スタッフなどを含め大人数で集まる必要がなくなり、新型コロナウイルスの感染リスクを軽減できるのが大きいでしょう。もっとも、第1回大会では2次予選以降は雀荘に集まる必要があるようですが、将来的には変更があるかもしれません。
生対局だと非常に時間がかかり、1日に半荘4回程度が相場になっています。しかし「第1期闘魂杯」では、2月23日に行われた2次予選では最大で半荘10回を戦うことができました。これはオンラインならではのメリットと言えるでしょう。
今回は異なりますが、将来的には「半荘100回を戦って真の強者を決める大会」といったストイックなルールを設定することもできるかもしれません。半荘数が多ければ多いほど運の要素が少なくなり、実力が反映されやすくなります。オンラインなら1日に半荘10回程度こなすこともできるでしょう。
「第1期闘魂杯」では、Vtuberの咲乃もこがスペシャルゲストとして登場しました。これはオンラインでなければ不可能です。私は堅苦しい雰囲気の実況・解説も大好きですが、こういう華やかな演出は間違いなく新たなファンを掘り起こすきっかけになるのではないでしょうか。
4人の牌姿を同時に映す試みはすでに行われていますが、オンライン麻雀だとより見やすいということが改めて分かりました。生対局だと選手の腕などで牌姿が見にくいことがありますが、オンライン対局ではそういうこともありませんでした。
雀魂では、プレーヤーが使用するキャラクターを選択できます。コワモテで有名な松ヶ瀬隆弥プロはどのキャラを使うのか? といった従来では考えられなかった楽しみ方をすることができます。…ご存知の方も多いと思いますが、見た目は怖いものの松ヶ瀬プロはめっちゃいい人です。
負けたにゃ https://t.co/cImQQlSA3q
— 松ヶ瀬 隆弥@HFC (@akayakokushim) March 6, 2021
オンラインだけで完結する公式戦が事実上初めての試みである以上、課題も見えてきました。
前述の「咲乃もこ」のゲストには賛否両論がありました。もっと喋ってほしいという意見が多かったようです。もちろんこれは好みの問題もあるので、一概に問題点と呼べるものではありません。
今回は配信の都合上、プロたちを1か所に集めて対局が行われましたが、今後自宅での対局が認められるようになる場合は不正防止は必ず問題となってくるでしょう。最も考えられそうな不正は、麻雀AIが進歩した場合にコンピューターに最善の一打を教えてもらうというもの。ただし、囲碁や将棋と比べて持ち時間が非常に短いので、現状は難しいのかもしれません。
今回採用された持ち時間は5+10秒。つまり1打につき5秒以内、それとは別に1局につき10秒までの長考時間が与えられるルールです。この長考時間は次の局に進むと回復します。これは麻雀の公式戦としてはかつてないほど短いです。サクサク進むので歓迎するという人と、早くてついていけないという人に分かれるでしょう。この持ち時間が適切かどうかは、時間をかけて検証していく必要がありそうです。
雀魂ルールを採用しているので、アガリやめあり、ブットビあり。もちろん東1局で対局終了することもあり得ます。私はそれもオンライン対局の魅力だと考えますが、人によっては「南4局までしっかり見せてほしい」と考える方もいるでしょう。今のところ大きな問題にはなっていませんが、このあたりも調整する必要があるのかもしれません。
多井代表ももちろん、課題があることは認識しているようです。しかし試行錯誤を繰り返し、数年後にはオンライン対局がもっと増えているのではないでしょうか。
シード選手全滅
— 多井隆晴(おおいたかはる) (@takaharu_ooi) March 6, 2021
それも含めて
いろいろ改善していきます https://t.co/BF1w5u4WFK