女流プロの中でも人気の高い日本プロ麻雀連盟所属の二階堂亜樹プロですが、2013年2月22日に同じ連盟所属の井出康平プロと入籍し、子供も誕生。リーグ戦ではA2リーグに所属する実力の持ち主で「Mリーグ」にも参加し、順風満帆と思わせました。
ところが、2019年6月14日発売の「フライデー」に、亜樹プロが勝又健志プロと不倫していたことや、井出プロと離婚したことが掲載されます。連盟のスタジオから、大きなマスクを着用した勝又・亜樹両プロがキョロキョロと不審な動きをしながら出てくるところをフライデーにキャッチされ、写真付きで掲載されたのです。
フライデーの取材に対し、亜樹プロは一言も発せず、井出プロは元妻の不倫行為を認めています。さらに井出プロの友人による「3月に不倫が発覚したとき、井出さんは、一度は妻の不貞を許したんです。二階堂さんは井出さんに、『もう二度と不倫はしないし、勝又さんと仕事以外で接触しない』と誓ったそうです。しかし、それもその場しのぎのウソだったんでしょう。3月末に二階堂さんは勝又さんと一緒に娘さんを連れて家出。それによって、2人の仲は終わってしまいました。その後は、娘さんの親権や養育費等をめぐり、弁護士を立ててやり取りをしていた。ようやく4月末に決着がつき、井出さんが娘さんの親権を持つ形で離婚が成立したようです」というコメントが掲載されました。
亜樹プロはツイッターで井出プロとの離婚は認めつつも、不倫の事実はないと主張し、さらにフライデーに対しては法的措置を検討しているとのこと。なお、勝又プロは特にコメントを発しておらず、不倫についてファンに説明しようとする意志は見られません。認めるにせよ認めないにせよ、コメント無しとはファンをなめているのでしょうか。
亜樹の姉である二階堂瑠美プロは、前述のツイートをリツイートしたものの、この件については特にコメントを残していません。妻を奪われた形の井出プロは「寂しいですが(不倫)される方にも問題がある」と男気を見せつつも「関係のない子供を巻き込んだ事案だけは許すことはできません」「子供を巻き込んで人をはめた事に怒ってんだよ」「これで怒りを抑えられる親がいたら見てみてーよ。ケジメはとるよ。絶対に」とツイート。もちろんこれは勝又プロにも向けられた怒りでしょう。ファンからは勝又・亜樹両プロへの非難が殺到しています(擁護する意見も当然あります)。
Mリーグで勝又・亜樹両プロが所属する「風林火山」は「一部で報道されている件は選手のプライベートに関する事案であり、当事者の間で解決されることを望んでいます」と完全に他人事のようなコメントを発表し、契約も更改されました。解決とは何でしょう。まさか慰謝料を払えば解決になるとでも思っているのでしょうか。
一方で福地誠氏がブログにて「有名人だからって理由で、法的ルール以上のモラルが求められるって理屈にはすごく抵抗を感じるわ」と書くなど、問題視しないという方もいらっしゃいます。
結論から書いてしまえば「現在の日本においては犯罪ではないが、民法上の不法行為にあたる」となります。つまり、刑事罰の対象ではありませんが、損害賠償請求の対象にはなるのです。
犯罪じゃなきゃ何をしてもいい、という考え方には私は賛同しません。ましてMリーグは巨大なスポンサーをいくつも集めた新たなチャレンジです。イメージ低下につながるような行為は許されません。風林火山のスポンサーであるテレビ朝日は問題視しないようですが、ほかのスポンサーはどう思っているでしょうか。
ちなみに日本では不倫は犯罪ではありませんが、姦通罪が罪に問われる国はたくさん存在しています。アメリカでも州によっては犯罪です。日本では犯罪ではないとはいえ、世間一般では、不倫はとでもイメージが悪いということは考慮したほうがよいでしょう。
「風林火山のツイッター」ではオフショットと称して、チーム所属プロたちの食事シーンなどの写真が豊富にアップされていましたが、不倫騒動以降はピタリと更新が止んでしまいました。もちろん、勝又・亜樹両プロがにこやかに食事している画像など見ても、一般の方にとっては吐き気を催すだけでしょうから、当然の措置でしょう。
Mリーグでは、第2期から1チーム増えて8チームとなり、各チーム1人追加して4人ずつとなること、最低でも女性プロを1人入れることが決まっています。前述の通り、風林火山は勝又・亜樹両プロを外すつもりは全くない模様。Mリーグからの処分も発表されていません。
しかし、Mリーグの理念とは「麻雀に対する負のイメージを払拭」することではなかったのでしょうか。今回の件は明らかに、世間に対して負のイメージが広がっています。
亜樹プロが主張するように不倫の事実がないというのならば、一刻も早く具体的な行動を起こすべきだし、勝又プロは黙っていないで表に出て説明すべきです。中途半端なままズルズルと時が過ぎるのは最悪です。このまま両プロの闘牌シーンを見ても心から楽しめないファンは多いでしょう。ちなみに本当に不倫がないとすれば、井出プロが嘘を言っていることになってしまうのですが…。井出プロも法的措置の準備を進めているようです。精神的苦痛を受けているのですから当然でしょう。
さて、2人の所属する団体の連盟はどうするか? 麻雀戦術本が好評のウザク氏のツイッターでは「勝又氏 プロ連盟除籍」とつぶやいていますが、いやいやお咎めなしの一択でしょう。人気のある亜樹プロは言わずもがな、勝又プロは「プロ連盟の名実況」という通り名を与えられるほど、連盟内のタイトル戦では実況の仕事を与えられていますし、プレーヤーとしては第32期鳳凰位(2015年)でもあります。森山茂和会長のお気に入りなのですから、不倫くらいで処罰されることはないと思います。今でも何食わぬ顔で公式戦で打っているわけですし。
ファンを失望させる中途半端な状態がズルズルと続いているわけですが、こうなったらいっそ、風林火山以外のチームが井出プロを指名したら面白いんじゃないでしょうか。「井出が勝又から怒りのハネ満直撃!」とか、盛り上がるのでは? 井出プロは鳳凰戦リーグではC1の所属で主要なタイトル獲得経験はありませんが、野口恭一郎賞、モンド杯優勝という実績はあります。ドラフト指名される可能性はゼロではありません。
え? そんなの面白くない? 私も同感です。一番良いのは、勝又・亜樹両プロが空気を読んでMリーグの出場を辞退することなんですが。
2019年7月9日、Mリーグの第2回ドラフトが終了しました。
チーム名 | 前回順位 | オーナー | 所属プロ1 | 所属プロ2 | 所属プロ3 | 所属プロ4 |
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ドリブンズ | 優勝 | 博報堂 | 園田賢 | 村上淳 | 鈴木たろう | 丸山奏子 |
風林火山 | 2位 | テレビ朝日 | 二階堂亜樹 | 滝沢和典 | 勝又健志 | 指名なし |
ABEMAS | 3位 | サイバーエージェント | 多井隆晴 | 白鳥翔 | 松本吉弘 | 日向藍子 |
麻雀格闘倶楽部 | 4位 | コナミ | 佐々木寿人 | 高宮まり | 前原雄大 | 藤崎智 |
Pirates | 5位 | U-NEXT | 小林剛 | 朝倉康心 | 石橋伸洋 | 瑞原明奈 |
フェニックス | 6位 | セガサミー | 魚谷侑未 | 近藤誠一 | 茅森早香 | 和久津晶 |
雷電 | 7位 | 電通 | 萩原聖人 | 瀬戸熊直樹 | 黒沢咲 | 指名なし |
サクラナイツ | − | KADOKAWA | 内川幸太郎 | 岡田紗佳 | 沢崎誠 | − |
風林火山に指名されたプロは、外野の喧騒の直撃を受けて大変だと思っていましたが、最低限の良識があったのか、指名なしでした。今度は滝沢プロが可哀想になってきますが…。滝沢プロはああ見えて(?)芯の強そうな方なので、外野の声に負けずに頑張っていただきたいです。
さて不倫の話はここまでとしてドラフトを振り返りますと、連盟オンリーチームがまた1つ増えて合計4チームに。私は各団体混合するほうが望ましいと思うのですが…。良い指名をしたと思うのはセガサミーフェニックス。和久津プロはA1所属で、男性の上位プロと遜色ない実力、いやむしろヘタな有名男性プロより強いです。それでいて華もあるのですから、私は一番良い指名かなと思っております。
瑞原明奈プロは天鳳で八〜九段をキープしています。一度も七段には落ちていない模様。これも良い指名ですね。指名漏れしたのは協会の金太賢プロと水口美香プロ。この2人を外してまで連盟雀士で固めたい理由が、私には分かりません。所属団体があんな事件やこんな事件を起こしたから? Mリーグにおいての協会の不人気ぶりはもはや笑えないレベルです。