統一ルールを作ろう

 2018/2/12up

 突然ですが問題です。自民党・民進党・立憲民主党・希望の党・公明党。この5党を除き、2018年1月現在国会で議席を持つ政党をすべて答えなさい。正解は最後のほうにこっそり書いておきます。

 同じ問題を麻雀界でも作れます。連盟・最高位戦・協会・麻将連合・RMU。この5つを除き、2018年1月現在日本に存在するプロ麻雀団体をすべて答えなさい。雀荘に足しげく通う麻雀歴の長いおじ様に聞いても、答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。

 答え。よく麻雀ゲームに登場する高橋純子プロが会長を務める日本プロ麻雀棋士会、かつては飯田正人・金子正輝らのプロも所属していた101競技連盟、土井泰昭プロらが設立した全日本麻雀協会、ほとんど追われるような形で連盟を去った板川和俊プロらが設立した麻雀共同体WW(ダブル)、そしてプロに給与(厳密に言えばゲスト料など)が支払われることで話題になっているアウトリーチ。ただし、ここに挙げたものには他団体から承認を受けていない団体も含まれています。

こんなにたくさんのプロ団体は必要なのか?

 私は決してプロ否定派ではありませんが、敢えて厳しいことを書かせていただきます。一般の麻雀ファンに認知されないプロ団体に、存在価値はあるのですか?

 もちろん存在意義が皆無であると申し上げるつもりは全くありません。例えば前述のダブルは、関西に本部を置くという特徴があります。板川プロはかつて、連盟で鳳凰のビッグタイトルを獲るために対局のたびに自腹で関西から東京に通っていたものですが、関西方面に在住のプロにとってはそういう心配がなくなると言えるでしょう。

 ですが、極論すれば特徴はそれだけです。もちろん細かいところを見ていけば、他団体との差はいくらでも見つかります。しかし、わざわざ別団体として存在しなくてはならないほどではありません。

 結局のところ、現在存在するプロ麻雀団体の多くが、最高位戦または連盟にかつて所属していたプロにより誕生した団体なのです。身もふたもない言い方をすれば、元の団体でもめ事を起こして、別な団体に移籍するのも難しいから新規団体を立ち上げた。こういう例が多いのではないですか。これで麻雀ファンの支持を得られるのでしょうか。

プロ団体の数が増えれば、相対的に注目度は下がる

 10個の団体があれば、数えてはいませんがタイトル戦の数も30は超えるでしょう。しかし残念なことに、そのタイトルホルダー30名を全部記憶している麻雀ファンなどほとんど皆無と言っていいと思います。そもそも、いくら競技麻雀好きな方でも、すべてのタイトル戦をニコ生で観戦することは(日時が重なることもあるので)不可能です。

 そうすると「麻雀プロ団体日本一決定戦」にばかり注目が集まることになるでしょう。その結果、各団体のタイトル戦の注目度は相対的に下がることが予想されます。

 第1回の麻雀プロ団体日本一決定戦では、RMUが一人負けに近い惨敗を喫しました。もちろん短期戦なのでこの結果のみでレベルを論じることはできませんが、これが3年も続けば話は違ってきます。他団体に負け続ける団体のタイトル戦など、見たいと思うでしょうか? 普通は「強い団体のタイトル戦か、もしくは麻雀プロ団体日本一決定戦だけ見ればいいや」となるのではないでしょうか。

存在意義が大いに疑われる日本プロ麻雀協会

 先日「角谷問題」が勃発し、協会は連盟の言いなりであることが改めて露呈しました。連盟がちょっと恫喝すればハイハイ従うロボット状態。もはや協会が連盟と別団体として存在する意味が分かりません。さっさと統一なさってはいかがでしょうか、と言いたくなります。幸いにも? 協会は最高位戦から分裂した組織であり、連盟と喧嘩別れしたプロは存在しないはずです。

 おっと忘れるところでした。先ほどの政党問題の正解は、日本維新の会・共産党・自由党・社民党・日本のこころ・沖縄社会大衆党です。党の名前くらいは辛うじて言えたとしても、政策の違いまで完璧に把握している人は少ないでしょう。本題と離れるので、このへんにしておきます。

早くルールを統一しよう

 麻雀を今以上に普及させるには、ルールはシンプルにすべきだと私は考えています。これについては別途書こうと思っていますが、団体により、雀荘により、地域によりルールが異なるのは好ましいものではありません。囲碁や将棋では、多少のマイナールールは存在しますが、基本的に骨幹となるルールはひとつです。

 連盟が刊行する初心者向けの書籍では、何の注釈もなしに30符4翻は7,700点(子の場合)と紹介されていますが、現在では満貫に切り上げるほうが主流です。ほかにも枚挙にいとまがありませんが、麻雀は初心者がルールを覚えるために大きな障害となるような、さまざまなルールが枝分かれしていて複雑この上ありません。主要団体のルールの違いなど、とても覚えきれるものではありません。

 ルールの統一より先に必要になるのが、麻雀プロ団体の統一です。「これがプロで採用されているルールだ!」というものがひとつ決まれば、アマチュアのほうでもそれに追随する動きが出てくるものと考えています。プロ団体がバラバラではどうしようもありません。

 

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