今こそ 堀内正人プロまとめ

 2014/11/26up

 ホーリーこと堀内正人(ほりうち・まさと)プロが、日本プロ麻雀連盟(以下「連盟」と略します)を退会しました。厳密に言えばプロではないのかもしれませんが、そもそも麻雀は「プロ」の定義があいまいですので、当サイトでは「元プロ」ではなく、一貫して「堀内プロ」として呼ばせていただきます。

 今さら堀内の話題? いいえ、今だからこそ堀内の話題なのです。2014年11月発売の「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編」には堀内へのインタビューが掲載されており、これは必見です! 麻雀界だけでなく、ネット上の一般ニュースにまで登場するほどの大きな足跡を残した堀内。彼の歴史をここにまとめようと思います。

2006年 連盟22期生としてプロデビュー

 その他の同期には佐々木寿人・岩井茜らのプロがいます。堀内が弱冠21歳のとき、新人王戦でいきなり寿人と対戦した話が、「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編」に掲載されております(もちろん当時の寿人は何の実績もありませんでしたが、「フリー雀荘で1000万円貯めた男」としてやたら有名でした)。

2010年2月 第17期チャンピオンズリーグ優勝

 連盟の4大タイトル戦には含まれませんが、このチャンピオンズリーグの優勝で堀内がプロとしての名前を大きく上げます。このチャンピオンズリーグ、連盟の各タイトル戦のシード権を得られるだけでなく、上層部のお気に入りであればテレビ対局への優先出場権まで与えられてしまうのです(堀内は嫌われていたため、ついにモンド杯には登場しませんでしたが)。名前も良く知らない無名プロが麻雀最強戦の予選などにいきなり登場した場合、実はこのチャンピオンズリーグで優勝していた、なんてこともあります。時間制限がある時点で、権威のあるタイトル戦ではないのですが。

2010年9月 第27期十段戦優勝

 上記のチャンピオンズリーグ優勝により得たシード権を存分に生かし、十段戦3連覇中だった前原雄大らを撃破して、連盟内では2番目に価値の高いタイトルをゲットしました。前評判では圧倒的に前原優勢で、十段戦優勝者予想では森山茂和が「実力差が有りすぎるから」と一言書いたのみで前原本命、瀬戸熊直樹対抗としていました。結果は前述の通り堀内優勝で、森山に見る目がなさすぎることがここでも明らかに。余談ですが、翌年の十段戦の解説で前原は「私は去年(中略)どこかで自分に負けてしまったんですかね」と、負け惜しみともとれるコメントを発しています。

2011年10月 第28期十段戦で解説陣に袋叩き

 小島武夫・前原を始めとする、鳴き重視の雀風を嫌う人間たちから堀内が批判されまくり。小島に至っては堀内のことを生放送で「素人」と最大級の侮辱を与えました。詳しくはこちら。対局自体も、優勝の目がほぼゼロになっていた森山がピンフのみのくだらないリーチをかけてぶち壊し。堀内は準優勝に終わりました。詳しくはこちら。この1件で連盟アンチが激増したように思います。もちろん連盟には善良なる視聴者からの苦情が殺到しました。しかしこれほどまでに最低最悪なタイトル戦ですら、まだマシだったと気づかされるのは2年後のことです。

2013年4月 戦術本の発売

 近代麻雀での連載をもとにした「麻雀麒麟児の一打 鉄鳴き」が発売されました。「ネット麻雀での全アガリの中で、メンゼンは約半分に過ぎない」という主張から始まり、鳴きの有効性などについて解説。駄本が多い連盟プロの中で、この本だけは良著でした。ところがメンゼン派しかいない連盟上層部での評判はすこぶる悪く、中には「連載をやめさせろ」と言い出す者もいたのだとか。

2013年11月 第30期十段戦で失格処分

 1日目には解説していた森山に「堀内君は僕に言わせると、アマチュアの延長でしかない」などと意味不明な批判を受けていた堀内ですが、2日目にはイチャモンをつけられて失格処分になってしまいました。「お前、俺の肩にぶつかっただろう!」という街中のチンピラレベルの言いがかりです。詳しくはこちら。翌年4月、1年間の謹慎処分などの厳しい処分が下りました。

2014年9月 連盟を退会

 処分から数か月経過しての退会となったわけですが、この理由について「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編」に掲載されております。平たく言えば「連盟内での居心地が悪くなった」「毎月バカ高い会費を払うメリットがなくなった」ということですが、詳しくは本を購入して読んでください!

2014年11月 ネマタ本でインタビューを受ける

 先ほどから再三紹介している「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編」に堀内が登場します。退会したばかりの堀内のインタビューを即座に掲載する福地誠先生はお見事です。当然のことですが、「堀内が連盟の悪口を言いまくり」みたいな内容ではありません。そんなことをしたら、他団体に移籍するという選択肢が消えてしまいますからね。どこの団体だってトラブルメーカーみたいな雀士は抱えたくないでしょうから。

 あくまでも、節度を守ったインタビュー内容なのですが、それでも連盟内部の腐敗ぶりがよく分かります。連盟のプロテストを受ける方が数分の1に激減しているという話も出てきます。そりゃ一生懸命麻雀を打って、やっとのことでタイトル戦の決勝に進出してみたら、難癖つけられて失格処分を受ける団体に誰が行きたいと思いますか?

 最高位戦や協会などに移籍するのか。それともフリーな立場からタイトル戦に参加するのか。はたまた、プロとは距離を置いて天鳳などで活動していくのか。色々な選択肢があると思いますが、どの道が最善であるかは、これから堀内自身が見つけ出すことでしょう。

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