2021年12月31日の天鳳日記
<スタイルの調整>

 自分がテンパイしていないときに相手のリーチや仕掛けに対してどう打つか。これはけっこう勝敗を左右する部分だと思います…と偉そうに書いてはみたものの、元九段の私もまだ自分のスタイルが固まっているとは言えません。だから五段に落ちてから上がれていないのかもしれませんが。

 最近は1〜2シャンテンからでもある程度押すことが推奨されている風潮がありますが、それで痛い目にあって不調に陥った私は、スタイルを引き気味に調整することにしました。さて東1局、皆様は以下の手牌から何を切りますか?


 前巡に様子見で切ったがリャンメンで鳴かれ、字牌が1枚も切れていない不気味な捨て牌ではありながら、トイトイや混一色のような変則手ではなさそうであることが明らかになりました。こういう時に少し前の私は親の仕掛けを無視して自分の都合だけで打って、けっこう痛い目にあっていました。

 反省して実戦では切り。冷静に考えれば、親はおそらくもう1〜2枚ドラが手にある早そうな手っぽいので、自分の手もそう悪くないとはいえ、向かっていく必要はなさそう。実際は以下のような手でした。


 止めたは当たり牌ではありませんでしたが、自分のアンテナは狂っていませんでした。少し手ごたえを感じながら、続く1本場。相手の先制リーチを受けて、あなたなら何を切りますか?


 ピンズ部分がリャンメンなら勝負してましたが、実戦では切りで迂回。その後回りに回って3メンチャンの追っかけリーチを打ちますが、下家が対面にカン待ち、リーチ裏1の2,600(+300)点を放銃しました。

 続く東2局、親は遅いと思って仕掛けていったらまさかの親リーチを食らいました。ここは何を切りましょうか?


 これはツモ切りで勝負しました。たぶん、期待値的にはオリても勝負してもマイナスだとは思うのですが、2フーロー・安全牌1枚で中途半端に逃げるよりは、勝負に行ったほうがまだマシでしょう。実戦ではこの後も危険牌を連打しましたが、親の現物であるは出てこず、親がカン待ちのリーヅモ1,000点オールを物にしました。

 そして激戦続く東3局。以下の手では何を切るべきでしょうか?


 対面は明らかにマンズの一色手、上家はよく分からないけどソウズの一色手っぽい、下家はおそらくタンヤオ。私は守備重視のチートイツで進めていますが、1シャンテンをキープしつつ、あわよくば下家が鳴いてくれそうな切りが良いですね。赤ドラが全部見えているので、下家のタンヤオは全く怖くないのです。

 実戦では狙い通りを下家がチーして、以下のアガリとなりました。


 ぺこぱのシュウペイが「理想的ー!!」と叫びそうな1,000点のアガリ。ドラが見えていない不気味な場を流すことに成功しました。そしてノーホーラ(※)・ノー放銃のまま迎えた南1局、ラス目のリーチを受けてどうしますか?

※ノーホーラ=ホーラは「和了」と書き、アガリのこと。ノーホーラはその半荘でアガリがないことをさします。

 勝負するなら切り、ベタオリなら現物はしかありません。ラス目のリーチなので振り込みたくない、しかし自分が勝負手なので完全にはオリたくないところ。が離れて切られているのはの形が考えられますが、の形だったとすれば切りで放銃になってしまうので、おいそれとは打てません。

 少し前の私ならノータイムでを押していましたが、実戦では切り。ピンフでテンパイするならを勝負、さらに危険牌を引くようなら続けてを落として回れるようにした一打ですが…きっと正解ではないので皆様にはお勧めしません。実戦では次巡を引かされたので、を続けて落とし、対面がカン待ちの2000・3900をツモりました。

 これで3,000点差で私がラスに落ちたわけですが、我慢した甲斐がありました。南2局に7,700点の出アガリ、南3局に子の満貫ツモ。これであっという間にトップに浮上し、南4局は全員ノーテンで流局。私のトップでこの半荘の幕を下ろしました。

 打ち方を少し守り寄りにシフトしただけで、信じられないくらいに勝てるようになりました。ということは、私の不調は押し過ぎが原因だったのでしょう。自分のスタイルを変えるのは勇気がいりますが、勝てない方は不ヅキを嘆く前に、なぜ自分が負けたのかをしっかりと研究することをお勧めします。



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