2017年5月21日の天鳳日記
<鳴きすぎ病患者>

 思考が昭和時代で止まっている某連盟を除けば、積極的に仕掛けていくのが現代麻雀。メンゼンではツモが悪いとどうしようもありませんが、仕掛けなら自分のツモ+相手の捨て牌で手を作ることができます。相手のチャンス手を未然に防ぐのも、現代では麻雀における重要な要素です。

 しかしメンゼンのほうが破壊力があり、リーチは相手の手を止める抑止効果があるのも見逃せません。それでは副露率約38%の私が先日対戦した、鳴きすぎ病患者の診察を行いたいと思います。この方はなんと、半荘内の11局すべてで仕掛けていったのですが、私は約3分の2は無用な仕掛けであると判定しました。とくとご覧ください。対面が私です。

 開局早々、両面のをチーしてを落としにかかりましたが、これはもう末期患者だと思います。俗に言う「先先付け」で、自風のドラを重ねて…というのはあまりに自分勝手。こんなリャンメンをいきなり仕掛ける必要はありません。結果は、ノーテンで流局しています。

 お次はこれ。対面の私にドラのポンを許したあげく、悪形の345三色のノミ手仕掛け。私ならそもそもドラも鳴かせませんが、鳴かせた以上は全力でオリますね。この手で向かっていくのは「カモがネギを背負っていく」のことわざそのものです。結果は対面の私が満貫のツモアガリ。ごちそうさまでした。

 の形からをチーしてを切ったところですが、これまた理解不能なリャンメン仕掛け。まだ巡目が早いので、ここはチーせずタンピン三色の最上級まで追いかけたいですね。

 ドラ表示牌のカンをチーしての暗刻落としに出たところ。これはまさに「鉄チー」で、初めて私の見解と一致しました。これをチーせずメンゼンで仕上げようというのは、筋が悪すぎます。

 連チャンしたい親でいきなりのリャンメン仕掛け。この鳴きも完全な悪手です。これは子が安心するだけ。実戦では15巡目にようやくクイタンのみの1,500点をアガっていますが、アガれば正解というものではありません。

 これはもしかすると見解が分かれるかもしれません。私はは鳴いていいと思いますが、に飛びつく必要はないと思います。ですが、歴代天鳳位様の中には鳴く人もいるかもしれません。

 南場突入で1枚目のをポン。これは私も鳴きますが、一瞬雀頭がなくなるので見送る手もあるとは思います。

 カンをチーしたところ。私はならタンヤオも狙えるので鳴きますが、は見送ります。また、チーした以上はの重なりに期待して切りが正着でしょう。を切ってしまうと、が出なければこの手はオシマイになってしまいます。実戦ではも切り飛ばして11巡目に千点でアガっています(ダブロン)が、手順としてはあまり良くないと思います。

 先ほどと同じドラ表示牌の仕掛け。鉄というほどではありませんが、これはチーするのも納得です。ただしタンヤオも三色も確定していないので、先ほどとは違い見送りも十分あり得ると思います。実戦では三色ではなくタンヤオのタンキ待ちテンパイになり、16巡目にハネ満を放銃する結果となっています。

 「オタ風から仕掛けるな」は古い教え。今では立派な戦術として認知されていますが、この手牌なら国士無双に向かっても良かったと思います。実戦では5巡目に下家がワンズの混一色でアガっており、この方は2シャンテン止まりで終わりました。

 オーラスもリャンメンからチーして、とうとう11局連続の鳴きとなりましたが、このチーは見送りが正解だと思います。鳴いてさほど早くなるわけではなく、得点はガクッと安くなってしまうからです。実戦ではじっくりメンゼンでリーチに出た上家に満貫を放銃し、最下位に終わっています。

 いかがでしたでしょうか。「鳴きを制する者は麻雀を制す」という格言も生まれつつありますが、何事にも限度というものがあります。今回取り上げた方は、最近急増している「鳴きすぎ病患者」さんです。私もこうならないよう、気を付けなければなりません。



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