2020年12月24日の天鳳日記
<七段奮闘記>

 オーラス、私はダントツ。さてこの状況では何を切りますか?


 これはこの半荘17局目、ほぼ半荘2回分であります。おまけに上家は回線が重いのか切るのが遅く、すでに対局開始から50分くらい経過していて私の集中力は限界が近づいていました。誰もいない部屋でテレビを見ず音楽も聴かず酒も飲まず、極度に集中して打つのが私のスタイルなので、ダントツとはいえ苦しい対局だったことをよく覚えています。

 それでも不調を抜けつつある私は、ここでは間違いませんでした。上図は鳳凰卓では基本問題レベルでしょう。2着目の親にだけは絶対アガらせてはいけない状況なので、下家はほぼ何をアガっても大歓迎、それどころか鳴きたそうな牌を鳴かせてアシストすべき。差し込み(※)すら許される点差です。

※ 差し込み=他家にわざと振り込むこと。普通はあり得ませんが、オーラスなどでたまに登場するテクニックです。

 下家はワンズの一色手かトイトイ、しかし対面の親も不気味な捨て牌。親には絶対鳴かせたくないので、ここは字牌を温存してワンズ切りが正解です。実戦では切ったがポンされ、さらに次巡切ったもチーされて以下の図となりました。


 下家は一番怖い清老頭の可能性が消え、トイトイが消え、ついでにタンヤオ・一通などもありません。つまり下家の手は一番高くても清一色赤1のハネ満までということ。下家に対しては3万点以上リードしているので、そうと分かれば下家に差し込みが可能です。それを踏まえて、以下の図では何を切りますか?


 結論から言えば、を切れば下家のアガリでこの半荘終了となるところでした。もちろんそれが常識的であり、正着打でしょう。しかし親は明らかにオリてますし、ラス目の上家もテンパイ気配がないので、実戦では切り。上家は満貫ツモでのラス脱出を目指す可能性が高いので、メンゼンでテンパイすれば高確率でリーチをかけるはず。今はまだノーマークで良いという読みです。を切って親がポンして急に攻め返して来たら嫌だな、という考えもありました。

 実戦では結局下家の1人テンパイで流局して無事私のトップで終わりました。しかし改めて牌譜を見てみますと、下家に差し込んでさっさと半荘の幕を下ろしたほうが良かったような気もします。上家が役満を仕上げている可能性もゼロではありませんから。そうしてみると、私の打ち方は甘いのでしょうか。

 お次は以下の手牌。対面にいる私とトップを競っている親の手牌。私がを切ったところですが、これは鳴きますか?


 実戦ではポンしてを切っています。とにかく連チャンあるのみ、あわよくば対面や上家をオロすことも可能…と考えたのかもしれませんが、これは申し訳ありませんがクソ鳴きの部類に入るでしょう。現状1つしかないアタマをポンしており、さらにカンチャンが2つ残ってしまうので、ポンしても速度が上がっていないのが致命的です。焦ったとしか思えません。

 その結果、4フーローして裸単騎になりました(切りでテンパイ)。一応テンパイして連チャンの権利を持ったとも言えます。さて、今度は私の手牌に切り替えまして、以下の図では何を切りますか?


 ドラがなければ、対面の点数は2,900(+600)点止まりなのは明らか。そして点差から考えて、ドラタンキにする必要は全くありません。それならば振り込んでも3着に転落する心配はないですし、どのみちツモられたら逆転で対局終了となります。したがって、私としてはギリギリのところまで押してテンパイを維持する必要があります。

 テンパイ後に手出しが入っていないので、最終手出しのの近くが最も危険です。例えばからをチーして切りは最も考えられる形でしょう。

 もちろんがポンされてがション牌ということを考えればも安全というわけではないのですが、前述の理由により強気に押す一手。実戦ではを強打してテンパイに取りました。


 3人テンパイで無事に流局。上家はノーテン罰符が払えずブットビで、私のトップとなりました。ちなみに私はバラバラの酷い配牌でしたので、普通に打ち進められていたらお手上げだったかもしれません。対面の無理な動きが私のトップを呼び込んだと言えるでしょう。



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