2021年5月2日の天鳳日記
<ノーガードの殴り合い>

 いつの間にか六段まで降格していた元九段の私。情けない限りです。しかし、天鳳名人経験者の福地誠氏も五段降格を経験しています。それを考えれば、私ごときが六段に降段するのは不思議なことではありません。

 不調と不ヅキのダブルパンチに見舞われ、あと1回ラスを引いたら五段降段という瀬戸際に立たされましたが、ある日の半荘で突然ツキが舞い戻ったことを実感しました。100半荘くらい経験したことのない配牌・ツモに恵まれ、しかもそれが次半荘以降も継続。とりあえず降段のピンチからは脱しました。一応補足しますけど、ここで言うツキってのは「良い抽選を受け続ける状態」のことであり、「アガったらツキが上昇する」とかそういうのじゃないですよ。

 東3局5本場、トップ目が独走しており、微差ながら2着目の南家。さて何を切りますか?


 他家の捨て牌が示されていない平面麻雀なら当然切りです。しかし上家と下家は明らかにピンズの一色手。こんなカンと心中していては勝てません(※1)。鳴かれるのを覚悟でと落としましたが、チーの声はかからず。ちなみに上図の時点では山に残り1枚、しかも王牌でした。

※1 2人もピンズの一色手を狙っているということは、2人の手の内はピンズだらけで、山にはピンズが残り少ないことが予想され、逆にマンズとピンズは山にたくさん残っていることが予想されます。

 手が進んで以下の図となりました。さてここでは何を切りますか?


 これも1人麻雀なら切りが最も広い1シャンテンで、10種30牌待ちとなります。ソウズが複合形なので、マンズでもソウズでも(ついでにピンズでも)アタマを作ることができる柔軟な形であるためです。しかし前述の通り、ピンズは山に薄いことが予想され、ピンズ待ちにはしたくありません。マンズかソウズ待ちのほうがテンパイしやすそうですし、出アガりも望めそうです。そこでを切りましたが、これは下家にポンされました。

 3人が一歩も引かない殴り合いになったわけですが、この時点ではまだ前哨戦にすぎません。この後、衝撃の展開が!!(地上波のテレビみたいな書き方ですが) 並みの手なら2着目である私はオリるべきですが、勝負手が入っているので敢然とリーチ! これに対する西家の対応を考えてみてください。


 を叩き切る手もありますが、実戦では切り。私の現物で、が通っているので親にも安全そうな牌です。ちなみに、結果論で言えば何を切っても通っていました。ここから回りに回って、以下の手牌となりました。


 実戦ではツモ切り! ここが鳳凰卓じゃないのは重々分かりますが、これは空いた口がふさがりませんでした。対面がポンして切り。裸タンキですが、親の大三元テンパイ。かなりの高確率で待ちでしょう。

 ちなみに天鳳には大三元のパオ(※2)がありますが、それでも半分(24,000点)支払う可能性があるので、さすがに顔面蒼白になりました。リーチそのものは間違ってなかったと思ってますが、さすがにこの状況でを鳴かせる人がいるのは想定外でした。

※2 パオ(包)=責任払いとも言う。今回のケースでは、大三元が確定するを鳴かせた西家に責任が発生します。大三元をツモられた場合、西家が全額支払い。ロンアガリの場合は、西家と振り込んだ人の折半払いとなります。

 3フーローから回し打っていたトップ目の西家も、パオが発生するので守ってばかりもいられなくなりました。


 上図でをポンしてを強打して再び参戦! ま、はほぼ通る牌ではありますけど。このデスマッチの結末は!?


 私が7,700点+リーチ棒2,000点+5本場の1,500点、合計11,200点のアガリとなりました。結果論で言えば、東家と西家の待ちは王牌なのでアガリ目ゼロ、18巡目なのに私のアガリ牌は山に2枚も残っておりました。ただしこの半荘は西家に逃げ切られ、私は2位のまま終了しています。

 おそらくですが、西家は私のリーチばかり見てしまって、親に大三元の可能性があることを失念したのだと思われます。さすがにパオをやらかしたことはありませんが、私も集中力を欠くと酷い一打をしてしまうことがありますので、これを教訓に気を付けねばなりません。



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