2022年3月22日の天鳳日記
<鳳凰卓で打ちましょう>

 これは私ではなく、私の上家の手牌。親がを仕掛けている状況で何を切りますか?


 見ての通り、残り1,900点。親の手にドラや赤ドラが1枚でもあれば、ツモられた瞬間にトビで終了です。これは切りの一手ですね。テンパイしてから切るのでは遅すぎます。どうせ押すのなら今切るべきでしょう。

 実戦でもを切って親にポンされてしまいました。「どこかで見た」ような、大三元のパオの出来上がりです。

 完全に余談ですが、私の初めての役満は、麻雀を始めて1ヶ月ごろにアガった大三元です。しかも私の後輩がリーチをかけていて、やむなく切ったでパオ。おまけにその負け分を踏み倒された苦い思い出でもありますが、おかげでパオのことはわりと早い段階で覚えました。

 さて実戦に戻りまして、2着目の私は専守防衛モードに入ります。私が現物のを切ったところですが、これは鳴きますか?


 実戦での北家はチーして切り! 私も牌譜を見てビックラこきました。故・安藤満プロの亜空間か!? 解説するまでもありませんが、3着目の北家も専守防衛モードに入るべきです。チーしてテンパイにとらないのなら仕掛ける意味はありませんし、そもそもは安全度は高いですが完全な安全牌ではありません。3フーローならタンキ待ちもあり得るでしょう。

 親はこの時点でカン待ちでテンパイしていましたが、私が暗刻で持っていたので無事流局。まだ天鳳ではパオの支払いは見たことがありません。

 このように、特上卓では時々信じられない打牌を見かけます。早く鳳凰卓に戻りたい気持ちでいっぱいです。鳳凰卓には有名人がたくさんいますし、もちろん天鳳位様もいらっしゃいます。一応私は元九段ですし、レーティング(R)が2300を超えたこともあるのですが、あれは夢だったのかと思うこともしばしば。五段の沼を抜け出せません。

 鳳凰卓で打てるのは、七段以上でR2000以上という両方の条件を満たす方のみ。選ばれた人だけが打てる神聖な場なのに、なぜそこで打たないのか。特上卓で打っていると、七段以上でR2000以上という方をしばしば見かけます。以下の実戦譜もそういう方の手牌ですが、ここは何を切りますか?


 何を切るかは、おそらく強者でも見解が分かれるでしょう。ハッキリしているのは、下家がマンズの一色手であるということ。まだマンズが余っていないのでテンパイ率は50%に満たないかもしれません。30〜40%ってところでしょうか。

 実戦では切りでドラタンキの仮テンに受けましたが、これで混一色の満貫の放銃となってしまいました。「そんなの結果論じゃないか」と思う方もいるかもしれません。

 しかしよく場を見ると、対面は親ではありますがもうオリ気味。流し満貫(※)の可能性もあります。こんなドラがポロリとこぼれてくることはまずないでしょう。だったら、アタるかもしれず、鳴かれるかもしれないを押すよりは、ピンズかソウズを切っていったんテンパイを崩すのが良いと思います。

※流し満貫=自分の捨て牌がすべてヤオチュー牌(1・9・字牌)だった場合に満貫扱いになります。ローカル役ですが、天鳳では採用されています。ちなみに、誰かに捨て牌が鳴かれた場合は不成立となります。

 ただ切り自体は間違いとまでは言えません。まずかったのは3巡前ですね。以下の手牌です。


 実戦ではを切りましたが、ここはを切るべきでした。たしかに切りのほうが受け入れ枚数自体は多いのですが、愚形になりやすいのとマンズが出ていく形になりやすいのがマイナスポイント。ここはマンズが出ていきにくい手作りをすべきでした。もちろん234の三色を見る必要はありません。

 この七段さん、結局ラスを引いてしまいました。対局当時R2050くらいだったので実力はあるはず。なぜ特上卓に打ちに来たのか・・・気になったので、失礼ながら過去の牌譜を調べてしまいました。

 なんと、鳳凰卓で最後に打ったのが2年以上前! 鳳凰卓での直近20半荘でラスを12回も引いていました。以後はずっと特上卓で打ち続けているようです。ちなみに特上卓での直近20対局でラスは2度のみ(今回の対局は除く)でした。

 どの卓で打つかは個人の自由ではありますが・・・鳳凰卓は楽しいですよ。天鳳位様と対戦して勝たせていただいたり、こっぴどく負かされたり、すべてが良い経験になります。天鳳位様以外にも有名人がたくさんいます。五段の私が言っても説得力がないかもしれませんが、鳳凰卓で打つ権利を持っている皆さん、ぜひ鳳凰卓で打ちましょう!



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