2023年5月20日の天鳳日記
<リツミサン氏との対戦>

 鳳凰卓の良いところは、強い方と対戦できること。そして有名人と対戦できること。一度特上卓に落ちてしまった身としては、そのありがたみを日々かみしめています。先日は当サイトでも著書をレビューしている、リツミサン氏と対戦させていただきました。対戦時は十段で、調べてみたところ私とは初対戦です。

 東2局、対面のリツミサン氏が先制リーチをかけています。前巡をチーされたところですが、親の私は何を切るべきでしょうか?


 まぁリーチの待ちを読むのは無駄ですね。下家は3フーローでテンパイ濃厚ですが、2,000点かせいぜい3,900点と読みます。最終手出しがなのでおそらくチャンタではないでしょう。私は1シャンテンですが、実戦ではドラを押して目一杯に構えました。リーチの現物の切りも悪くはありませんが、中途半端な気がします。

 その後は「親につき」ということで危険牌をバシバシ連打して、迎えた以下の手牌。テンパイに取りますか? 取る場合はリーチをかけますか?


 実戦では打のダマとしました。「ダマで満貫ある手はリーチでハネ満を狙うほうが期待値が高くなる」というのはその通りなのですが、この場合は巡目も遅く、リーチの現物待ちでこっそり仕留めるべきでしょう。もちろん私が押しているのは脇も理解しているとは思うのですが、それでも出るときは出るものです。実戦ではリーチをかけていたリツミサン氏から出て11,600点を物にしました。


 1本場でも私がリツミサン氏から5,800(+300)点をアガり、リツミサン氏は早くも残り5千点を割ってしまいました。「せっかく天鳳日記に書こうと思ったのに、尺が足りなくなるかも」とテレビマンのような余計な心配をしていた私(大変申し訳ございません)。2本場のリツミサン氏の手牌で、をアンカンしてリンシャンからドラを持ってきたところ。ここでは何を切りますか?


 実戦でのリツミサン氏はをツモ切りしましたが、私ならを切ります。上家も仕掛けているのでスピード負けしたくないのは分かりますが、この点数状況ではを引いてリャンメン待ちになっても嬉しくありません。ドラタンキで図々しく攻めたいですし、最低でもチャンタくらいはつけたいと私なら考えますね。もっとも、最高が九段で一度も十段になったことのない私よりリツミサン氏のほうが正しいのかもしれませんが。実戦では私は完全にオリて、2人テンパイで流局しています。

 私が大勝、リツミサン氏が大敗というムードも漂いましたが、そうは問屋が卸しません。その後私が上家に親満を放銃、リツミサン氏が満貫をツモアガり、いよいよ本領発揮となりました。ちなみに私の放銃は以下の図。


 ここでをツモ切りしたところ、親満に刺さりました。しかし親からテンパイ気配は感じられませんでしたし、これは間違いじゃないと思っています。天鳳位様ならここからオリてしまう猛者もいらっしゃるかもしれませんけど。

 南2局1本場、リツミサン氏の手牌ですが、以下の手牌でをチーしてを切り、1シャンテンに取りました。この点数状況なら、テンパイ料がラス脱出のカギにもなり得ます。確率は低くとも、テンパイに取れる可能性があるならチーするべきですね。これはうっかりスルーしがちですが、強者はこういうところをおそろかにしません。


 続いて南3局、親の先制リーチを受けていますが、リツミサン氏も役なしでテンパイしました。テンパイに取りますか? 取る場合はリーチをかけますか?


 実戦では切りで追っかけリーチをかけました。役なしドラなしのカンチャンで親リーチに挑むのは分が悪いですが、この点数状況ではそうも言っていられません。リーチ棒が2本落ちていますので、これでもツモれば3着に浮上するのです。ここでオリて親にツモられでもしたら、3着浮上のチャンスは永遠に失われる可能性もあるのですから、ここで勝負するのは当然ですね。実戦ではリツミサン氏が親から出アガり、裏ドラも乗せて見事3着に浮上しました。

 さてオーラス、親のリツミサン氏がおそらくタンヤオで仕掛けています。私はペン待ちでテンパイしましたが、テンパイに取りますか? 取る場合はリーチをかけますか?


 実戦では即リーチをかけています。待ちは悪いですが、トップ目の上家はもちろん、ラス転落が怖い親のリツミサン氏もまずオリるでしょう。下家に満貫を放銃すれば3着に転落しますが、ラスにはなりません。しかも私はドラを7枚中3枚も押さえていますから、そう簡単に満貫などできないのではないでしょうか。

 ということで、ちょっと怖いですがリーチに踏み込めるのです。これでもツモって裏ドラを1枚乗せればトップまであります。実戦では下家のリーチ宣言牌でアガり、裏ドラは乗らず2着のまま対局終了。ちなみに下家はピンフドラ1のリーチでした。

 この半荘はリツミサン氏にツキがなく、やや不完全燃焼となってしまいました。最後に一つ、面白い一打を紹介して締めたいと思います。東1局の以下の手牌。


 私ならを切って様子を見るところですが、リツミサン氏は切り! 私は時々こういう一打を放つのですが、リツミサン氏もやられるんですね。

 上家の仕掛けに対抗するにはスピード不足で、ドラを押すほどではない、安全度の高いあたりは将来に備えて温存する、というのは私の見解とも一致しますが、B型の私でもやらない衝撃の一打でした。次巡を切っているので、七対子を見たわけでもなさそうで、現在七段の私には十段様の思考が理解できずにおります。ただ、今ならが通るという読みはあったのではないかと思います。リツミサン氏はけっこう、そういうギリギリのところを通して勝っているイメージはありますね。



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