麻雀本レビュー

発売日が新しい順に並べてます。星2.5が標準評価で、3.0以上は良本だと考えてください。
発売日はAmazonでの表記を参考にしており、他店では発売日が異なる場合があります。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

岡田紗佳
1stフォトエッセイ
おかぴーす!
今日も私は運がいい

新着本
岡田紗佳 KADOKAWA 2024年
2月20日
星2.5
2.5
 Mリーガーでタレントとしても活躍中のおかぴーのフォトエッセイ。
 麻雀牌は出てこないので、麻雀のルールを知らない方でも楽しめる内容。中国への移住、タレント活動、麻雀プロ入り、さらにMリーグのドラフト指名まで、余すことなく書かれています。単行本は2,200円(税込)となかなかいい値段がしますが、その分写真が豊富に収録されているので、ファンは絶対買いでしょう。
 この点数は、あくまでもおかぴーのファンでない向けのもの。さすがにファン以外がこの値段を払うのは厳しいものがありますが、「女性プロというだけで下に見られる」ことへの不満など、ハッキリと物事を書いているのは好感が持てます。

Mリーガー二階堂瑠美
守破離の麻雀
二階堂瑠美 マイナビ出版 2024年
1月17日
星1.5
1.5
 Mリーグ・EX風林火山の二階堂瑠美プロによる戦術書。前書きによれば、妹・亜樹プロとの共著はあるものの、瑠美プロ単独の戦術書は初めてとのこと。
 守破離は「しゅはり」と読み、茶道や武道における修業過程を示す言葉。本書では「セオリーを守るなら〇切り」「殻を破るなら〇切り」「常識から離れるなら〇切り」と、3つの打ち筋が示されています。面白い着想ではありますが、初・中級者が読んでも混乱するだけなのでお勧めできません。そして上級者にとっては得るものが乏しい一冊。瑠美プロのファン向けでしょう。
 Mリーグの実戦譜をもとにした問題が26問ほど収録されていますが、瑠美プロは常識から離れっぱなし。SNSで物議を醸した一打についても詳しい打牌の理由が示されていますが、その理由が「マックス456、567の三色を見て」とのこと。三色しか見えず、イーペーコーやチートイツが見えてないのは衝撃です。そのような問題が26問出てきますので、それを読みたいなら買い、そうでなければ見送りが良いと思います。

麻雀
激ムズ何切る問題集
nisi

堀内正人
鉄人社 2023年
12月27日
星5.0
5.0
 4人の捨て牌が示された、立体的な何切る問題集。「激ムズ」というタイトルではありますが、難易度が5段階に分かれており、たしかに星5の問題は人間には判別不能な難問揃いなのですが、星3以下なら中級者でも十分正解可能なレベルです。
 nisi氏のシミュレーターとAIの「NAGA」、そして堀内氏の3者の回答が掲載されていますが、nisi氏は局収支のみならず半荘収支やアガリ率、放銃率、アガリ時平均得失点といったデータで統計的に比較しており、解答には納得できます。
 「激ムズ」というワードに引っかかる方もいらっしゃるかもしれませんが、中級者から上級者まで幅広くお勧めしたい一冊です。

まること麻雀の日々
明日からも前向きに
丸山奏子 KADOKAWA 2023年
12月21日
星2.0
2.0
 元Mリーガー・丸山プロ(まるこ)のフォトエッセイ。学生時代の話からMリーグ、そして主に女性向けの普及活動まで、さまざまな話が書かれています。もちろんまるこの写真は豊富に収録されています。
 出版社は違いますが、感想としては伊達プロの本とほぼ同じ。まるこファンなら絶対買うべきですが、それ以外の方にお勧めできる要素は乏しいです。なので客観的な点数としてはこうなりましたが、個人的には楽しんで読むことができました。
 同時期に発売したひなたんの本と比べると文字数も写真の数も多く、その代わり価格も高くなっています。

麻雀・
点数状況によって
変わる強者の選択
平澤元気 マイナビ出版 2023年
12月14日
星4.5
4.5
 最高位戦に入会した平澤元気プロの最新著。テーマはタイトル通り、点数状況による打牌の違いについてです。
 手作り・押し引きは当然点数状況によって変化し、成績に直結しやすい部分です。それほど小難しい話は登場せず、中級者向けかと思います。
 グラフや数字が並んだ表も登場するとはいえ、内容が分かりやすく整理されており、読みやすいです。なかなか上級者に上がれず苦労している方に最もお勧めしたいです。

Mリーガーの素顔
黒木真生 竹書房 2023年
12月5日
星3.5
3.5
 Mリーガー14名について、黒木プロが知っているエピソードを並べた本。ネット民が喜びそうな表現に直せば、まさに「Mリーガーの素顔」「知られざる真実」ということになるのでしょうか。
 レビュー時点で、Amazonでは単行本が1,540円、Kindle版は1,134円で、特に後者は良心的な価格。文章量も少なくありません。麻雀牌はあまり登場しないので、「観る雀」の方にお勧め。
 客観的な視点ではなく、思いっきり黒木視点からの文章であることは注意が必要。あと、もちろん戦術書ではありませんので、そこもご注意ください。

十人十色
日向藍子 竹書房 2023年
12月1日
星3.0
3.0
 Mリーガー・ひなたんの自叙伝エッセイ。麻雀牌も少しだけ登場しますが、麻雀のルールを知らない「観る雀」でも楽しめる内容です。
 Mリーグ、最高位戦、そして母として、さまざまな顔を持つひなたんの生き様や考え方を知ることができます。ところどころに登場する過去のツイート(ポスト)もほっこりします。もちろんひなたんの写真も満載。
 基本的にはひなたんまたはABEMASのファン向けですが、そうでない方も楽しめるでしょう。文字数は少なめなので普段読書をしない方にもお勧めできる反面、2時間もかからず読み終わる分量なのでボリューム不足を感じる可能性はあります。

将棋と麻雀。
頭脳戦の二刀流〜
49歳からの私の挑戦
鈴木大介 ART NEXT 2023年
11月6日
星4.0
4.0
 将棋の鈴木大介九段が麻雀プロ、そしてMリーガーとなり「二刀流」として話題になっていますが、その鈴木九段の自伝的な本。麻雀牌や将棋の盤面図は登場しません。
 私は将棋ファンでもあるので、知っていたことが多いとはいえ、知らなかったエピソードも多数。将棋に詳しくない麻雀ファンであっても読みやすいように、将棋界については丁寧に解説されています。
 鈴木九段の人柄に触れることもできるので、鈴木九段のファンや二刀流に興味のある方向け。文章量が控えめなので読みやすい反面、個人的にはやや物足りなさも残りました。

最強戦の魔物
なぜ瀬戸熊は
連覇できたのか
木村由佳

瀬戸熊直樹
竹書房 2023年
10月27日
星3.0
3.0
 カネポン(近代麻雀の金本晃編集長)の遊び心で生まれたような本でしょうか。本の最初に記載されている通り、これは戦術書ではありません。瀬戸熊プロのファンブックともちょっと違います。
 じゃあ何なのかと言うと、最強戦で瀬戸熊プロにゆかりのあるプロにインタビューし、瀬戸熊プロについて語ってもらう。同時にそのプロの生い立ちとかプロになったきっかけ、プロとしての活躍ぶり、最強戦の戦績などについても記載されています。
 まるっきりターゲットが分かりません。カネポンも評価が難しい本を出してくれたものです。ただし、内容には味があります。個人的には長村大・井出洋介・多井隆晴の各プロの項が特に読みごたえがあったように思いました。

令和版
現代麻雀技術論
ネマタ

福地誠
鉄人社 2023年
10月26日
星4.5
4.5
 当ページでレビューしている、2014年発売の「勝つための現代麻雀技術論」のリメイク。入手困難になっていた同署が加筆修正、さらに30ページ増やしてリニューアル発売されました。
 前著同様、読みにくさで星0.5減点していますが、内容そのものは星5です。メンゼンだけでなく副露(鳴いた)手の構え方から、鳴き判断、押し引きなどなど、実戦ですぐに役立つ情報が満載です。積載量オーバーと思えるほどに。
 教科書を通り越して辞書かと思うほどに読みにくいですが、文章をスルーして手牌部分だけ読むという裏技もあります。それならまだ耐えられる範囲。前回も書きましたが、横書きでもいいから手牌と解説が交互に登場する構成にしてほしかったと思うのは私だけでしょうか。

マンガでわかる
小林剛の麻雀必勝法
谷和也

小林剛
竹書房 2023年
10月25日
星3.0
3.0
 2016年に発売された「スーパーデジタル麻雀」の内容を抜粋して漫画化したもの。内容は初〜中級者向けで、読んでおくと実戦で役に立つ知識ばかり。マンガなので分かりやすさ・読みやすさは抜群です。長文を読むのが苦手で戦術書を敬遠していた方には特にお勧めです。
 ただし良くも悪くもマンガであり、さらに無駄なページが随所に挟まれており、コスパはかなり悪いです。通常の戦術書を読むことが苦にならない方は、この本に手を出す必要はありません。

上級者だけが知って
いる麻雀戦術論
ヨーテル マイナビ出版 2023年
10月13日
星4.5
4.5
 ヨーテル氏は4人打ちの第18代天鳳位で、YouTubeの動画配信などでも活躍されています。
 本著は明確に中級者向け。中級者が上級者になるために重要な要素が厳選されており、小難しいうえに実戦であまり登場しないマニアックな戦術等はスッパリ排除されていて非常に読みやすいです。とりわけ押し引き・ベタオリ・読みの3要素は勝敗に直結しやすいですが、本著を読めば上達できるでしょう。
 登場頻度が低くて非実戦的な戦術にページを割く戦術書も最近多いですが、そういうのが苦手な方には本著がお勧めです。

白鳥 翔×松本吉弘
麻雀 漆黒の強者
黄金の勝筋
白鳥翔

松本吉弘
KADOKAWA 2023年
10月2日
星3.5
3.5
 Mリーグの2022-23シーズンを制した渋谷ABEMASの2選手による対談形式で、Mリーグの実戦譜を突っつこうという本。最近こういうのが多いですね。
 いくつかのテーマに沿った実戦譜を持ってきて、それに対する2人の認識合わせだったり、意見をぶつけ合ったり。意見が一致したり一致しなかったり。読み物としては面白いですが、戦術書として考えた場合は、現代的には少々厳しいですね。対談形式はページ数を食うので、用意された牌譜は少なめですし、自分の実戦でただちに役立つかと言われればそうでないものもありますし。
 ABEMASファンか、もしくは2人のどちらかのファンであれば迷わず買いでしょう。「強くなりたいので戦術書が欲しい!」という人にはあまり向きません。

伊達朱里紗は二兎を
追う〜「好き」
から天職へ〜
伊達朱里紗 ワニブックス 2023年
9月27日
星2.0
2.0
 Mリーガー・伊達プロのフォトエッセイ。学生時代の話から、声優業とプロ雀士の二兎を追うようになった経緯、Mリーグでの苦闘などなど。豊富にグラビアが取り入れられつつ、伊達プロのすべてを知ることができる本です。
 個人的にはなかなか楽しめましたが、伊達プロのファン以外に向けて客観的に評価するならば星2.0くらいでしょうか。最近プロ雀士のエッセイやファンブックが増えていますが、それらには実戦譜が収録されているものがほとんど。本書は麻雀牌が一切登場しないのが珍しいでしょうか。
 したがって、麻雀ファンではない方(声優ファンなど)にもお勧めしやすい一方、伊達プロのファン以外にはお勧めできる要素が乏しいです。ただし、伊達プロのファンは絶対買いなのは間違いありません。

うに丸式
セオリーで勝つ麻雀
うに丸 鉄人社 2023年
9月26日
星4.5
4.5
 YouTuberとして有名な(志倉)うに丸氏の戦術書。第1章の「牌理」は中級者向けですが、第2章の「押し引き」と第3章の「鳴き+鳴き読み」は上級者も読む価値あり。特に第3章は中級者には難易度高め。中級者がこの本の半分もマスターできれば、おそらく上級者の仲間入りができると思います。それくらい、中身が濃いです。
 内容に関しては保証しますが、読みやすい本ではありません。一言で言えば教科書のようなもの。実戦譜だけを解説する本は読んでいて面白いものの、実はそれほど身にならないことが少なくありませんが、この「教科書」は戦術が体系的に書かれているので必ず役立ちます。ただし数学の公式を暗記させられるようなものなので、面白みはありません。
 文字が小さめなのは読みにくいですが、その分ボリュームがあるので一長一短。無駄なページ数稼ぎをやってないのは好感が持てます。練習問題の回答が後ろのページにまとめて掲載されているのは、電子書籍だとちょっと読みにくいので残念。

リーチ超人!
村上淳の
メンゼンで勝つ麻雀
村上淳 マイナビ出版 2023年
9月19日
星3.5
3.5
 リツミサン氏の本に比べると、よりメンゼンに特化した本という印象。今回もインタビュー形式ですが、インタビュアーは必要最低限のことしか話さないのであまり邪魔にはなってません。前著のようなサムいやり取りはありませんので、安心できます。
 前著に比べると難易度は低く、中級者向けでしょう。スラスラ読めるのですが、逆にボリューム不足を感じます。インタビュー形式でなければ、あと数問は増やせたのではないでしょうか。
 村上プロの過去の最高位戦およびMリーグの全成績が見られるのは大変良いです。Mリーグは記録類が充実していますが、各団体のリーグ戦は本当に過去の記録が見づらいので、これは貴重でありがたいです。

冥府の麻雀
白鳥翔
須田良規
竹書房 2023年
9月15日
星3.5
3.5
 Mリーガー・白鳥プロの実戦譜をもとに、須田プロが構成を担当、さらに漫画家・花田陵氏が描くカットも挿し込まれています。
 著者曰く初心者から上級者までお勧めできるとのことですが、さすがに初心者には厳しい。中〜上級者向けでしょう。
 白鳥プロの読みの深さを感じ取れる珠玉の一冊であるというのはその通りですが、「冥府のポイント」と称して各問題のまとめに1ページを消費したり、白鳥プロの絵や写真のカットが入れられていたりで、問題数は25問と少なめ。コスパはかなり悪いです。コスパが気にならない方と、白鳥プロのファン向けだと思います。あと、牌のサイズはもう少し大きくしてほしいです。

イラスト見るだけ!
Mリーガー
佐々木寿人の麻雀入門
佐々木寿人 日東書院本社 2023年
9月12日
星4.0
4.0
 Mリーガー・ヒサトが監修している入門本。監修という立場なのでヒサトが文章を書いているわけではないと思いますが、合間にコラムを読むことができます。
 本書の特徴としては、紙版はB6サイズでやや厚めということ。入門本は大きなサイズの本のほうが主流だと思いますが、このサイズは比較的珍しいかも。電車など出先で読むには便利でしょう。
 そしてイラストが豊富で、漫画のような形式で解説が続いていくこと。文章を読むことが苦手な方には最適だと思います。また、連盟の入門本では毎回チェックしていますが、30符4翻は切り上げて満貫となっておりました。

書いて覚えて
強くなる!
麻雀点数計算
魔法のドリル
伊達朱里紗 永岡書店 2023年
8月10日
星3.5
3.5
 Mリーガー伊達プロによる著書。約1年前に発売されたコバゴー本と、ビックリするくらいコンセプトが丸かぶり。しかもコバゴー本と比べてお値段は3割以上アップしています。しかしページ数を考えれば、それほど高くないとは思いました。
 結論から先に書くと、本気で点数計算をマスターしたい方向け。入口の解説は親切ですが、卒業時には実戦で滅多に出てこない100符以上の計算も求められます。覚えるコツがあるので、実はそれほど難易度が高いわけではないのですが。
 軽い気持ちで手を出すと痛い目にあいますが、そのかわりこの本をマスターすればフリー雀荘でも点数計算で恥をかかないレベルになることができます。

麻雀 押し引きのプロ技
勝負を決定づける
プロの選択肢と決断力
魚谷侑未
白鳥翔
彩図社 2023年
7月27日
星3.5
3.5
 「渋谷ABEMAS」の白鳥、「セガサミーフェニックス」魚谷両プロによる対談形式で、Mリーグの実戦譜をもとにした押し引きについて解説しています。
 再三書いているインタビュー形式よりはマシですが、私は麻雀の戦術書で対談形式というものもけっこう苦手。どうしてもやるなら、4人くらいの人数で色々な意見を見たいですね。本書のような2人の対談形式というのは、多くの意見が見られるわけでもなく無駄に長くなりがちで、いちばんメリットが感じられません。
 けっこうボリュームのある本なのですが、題材として採用した問題数が30問しかないのは、対談形式であるがゆえのデメリットでしょう。解説している内容そのものはとても良いので、なおさら惜しいですね。

堀慎吾×渋川難波
麻雀 天才の思考
魔神の選択
堀慎吾

渋川難波
KADOKAWA 2023年
7月4日
星4.5
4.5
 ともに協会所属のトッププロであり、Mリーグではサクラナイツでチームメートの堀・渋川両プロが、Mリーグの実戦譜をもとに打牌について討論しています。1名のプロによる解説形式のものもあります。
 討論形式の問題については、打牌が分かれそうな微妙な問題が多く、議論は平行線のまま終わります。レベルの高い解説なのでそれを理解する力が必要ですし、どちらのプロの打牌がより自分向きであるかを判断できる上級者向けと言えるでしょう。
 お2人の写真も多いので、サクラナイツファンにもお勧めです。逆に言えば、ファンでないなら無駄な写真や余白が多いなと感じるかもしれません。

トップ1%の麻雀手筋
友添敏之 竹書房 2023年
7月3日
星4.0
4.0
 最高位戦所属の友添プロの著作。基本的には、研究会などで多井隆晴・村上淳・坂本大志らのプロに感銘を受けた打ち筋を「トップ1%の手筋」として紹介していくスタイルです。
 例えば敢えてセオリーと逆の切り方をする、差し込んでもらうために空切りで打点が低いことを示唆する・・・などなど。
 セオリーを理解したうえで、敢えてその逆を行く打ち筋が多数紹介されています。したがって、セオリーがしっかり身についている上級者向け。練習問題が用意されているのも便利。ときどき不定期に、方言丸出しの砕けた表現が登場するのは好みが分かれるかもしれません。

海賊の麻雀
勝率を上げる
技術と思考
小林剛
瑞原明奈
鈴木優
仲林圭
竹書房 2023年
6月13日
星3.0
3.0
 MリーグのU-NEXT Piratesファンのための本と言えるでしょう。ファンは絶対買いですが、ファン以外にもある程度はお勧めできます。
 コバゴーを始めとする4人の一打をいくつか取り上げ、他の3人の意見を聞くという方式は良いのですが、問題図が左のページ、答えがすぐ右のページに掲載されているのはとても残念。ファンなら気にならないかもしれませんが、ファン以外はこういうところが気になります。もうひとつ、フルカラーなのでやむを得ないとはいえ、ページ数の割に価格が高いのも気になっちゃいます。
 チームの成り立ち、略歴といった紹介から、4人のインタビューまで、Piratesファンを楽しませる要素が満載です。

誰が麻雀界を
つぶすのか
黒木真生 竹書房 2023年
5月6日
星3.5
3.5
 タイトルと説明文だけ見ると「いい年こいて陰謀論かよ」と思いたくなりますが、中身はそこまでヤバくはありませんのでご安心ください。
 これは書き下ろしじゃなくて、黒木noteをまとめただけのもの。記事によって敬体だったり常体だったり、統一感がなくバラバラ。noteではツイートが入っていたと思われる部分が書籍でカットされていて、話が通じない部分もあり。
 記事によって当たり外れが大きすぎます。例えば最初のほうで「エンタメとガチ」について延々と書かれていますが、当たり前の内容に数ページも割いているうえに文章も回りくどいという感想。最後のほうの最高位戦スタジオ設立の件は、本人も最初に断りを入れてはいますが、一般論を長々と書き連ねているだけ。有料noteは文字数が少ないと嫌われますから、文字数を稼ぐために敢えてそうしているのか、と思えるほどに回りくどいです。
 ハズレの記事も多い一方、Mリーグ関連はおおむね良記事だと思います。一般の麻雀プロでは書きにくい内容について(立場上かなりの制約があるとはいえ)深めに切り込んでいるのは好印象です。例の「瀬戸熊誤ツモ事件」については、黒木視点で全力擁護しています。もちろんこれは、百面体を一方向から見ただけにすぎないですけれども。

千羽黒乃の
強くなる麻雀
千羽黒乃 KADOKAWA 2023年
4月27日
星4.5
4.5
 人気麻雀VTuber、千羽黒乃の戦術書の第2弾。今度は前回よりレベルが上がって、上級者を目指す中級者に最適の内容です。
 手牌の組み方、アタマの数といった中級者の基礎的な部分から、リーチ判断、テンパイ崩し、鳴き、押し引きなどなど。前著と同様に、中級者がしっかり取り組めばこの1冊で劇的に強くなれるでしょう。
 今回も1冊にかなりの分量を詰め込んでいますので、長文を読むのが苦手な方や、同じ本を繰り返し読むことを嫌う方には向きません。そこだけは注意が必要です。定価は高くありませんので、しっかり取り組む方にとってはコスパ良好の良著と言えると思います。

1週間でマスター!
コバゴー式 麻雀
短期集中スタート
アップドリル
小林剛 ART NEXT 2023年
4月26日
星4.0
4.0
 Mリーガーでもあるコバゴーですが、約1年前と同じような初心者向けのドリルを発売しました。今回は練習問題を解きながら麻雀のルールを覚えられるという意欲作です。
 今回も全体的に分かりやすい解説に好感が持てます。しっかり取り組めば、タイトル通り1週間で一通りのルールを覚えられるでしょう。Kindle版もありますが、直接書き込めるムック版のほうがお勧めです。

堀内式システム麻雀
何切る?何鳴く?問題集
堀内正人 鉄人社 2023年
3月28日
星5.0
5.0
 2020年9月発売の「堀内システム55」の実践編にあたりますので、こちらを先にお読みいただくとより良いでしょう。
 平面および他家の捨て牌が提示された立体的な何切る・何鳴く問題が189問収録されています。平面問題は1ページ3問、立体問題は1ページ2問という構成で、コスパは極めて良好です。
 「堀内システム55」で学んだことをテンポ良く問題形式で固めることができ、さらにAIと堀内氏の打牌の違いを見ることができるというのも面白い。絶対買いの一冊だと思います。

麻雀・一番やさしい
牌効率の教科書
平澤元気 マイナビ
出版
2023年
3月28日
星4.5
4.5
 YouTuberでもある平澤氏の最新著。今回は牌効率についてです。
 単なる効率の話だけではなく、安全牌を持つか否かなど、実戦で役立つテーマが多いのも特徴。合間のコラムも面白いです。他の著書が小難しくて読みにくかった方も、本著は平易な言葉が多いので安心して読めます。
 ルールを覚えたばかりの初心者が次に読む本としてお勧めできますが、中級者が復習として読むのも良いでしょう。5ブロック理論や2ヘッド理論など、20世紀にはなかったワードも登場しますので、ご年配の上級者にもお勧めできる守備範囲の広い本だと思います。

麻雀つれづれ日記 切った牌はもどらない
瑞原明奈 KADOKAWA 2023年
2月24日
星3.5
3.5
 Mリーガー・瑞原プロのフォトエッセイ。瑞原プロのカラー写真も豊富にありますが、ここまで何冊かレビューしたファンブックともまた違う感じ。
 3.5は瑞原プロに何の思い入れもない方にとっての点数です。低いと思うかもしれませんが、瑞原プロのファンにとっては星5.0を突き抜けるくらいの価値がありますね。つまり、ファン以外の方にもある程度お勧めできる内容です。
 プロとして、Mリーガーとして、女性としての苦悩。そして自分の価値観について、かなりぶっちゃけてます。当たり障りのない、さわやかなエッセイではありません。ネタバレになりますので、これ以上は書きません。これを読んでからMリーグを観戦すれば、また違った楽しさが生まれるのではないかと思います。ちゃんと実戦譜も出てきますので、文章オンリーの本ではありません。

馬場裕一の見た夢
馬場裕一

黒木真生

片山
まさゆき
文友舎 2023年
1月26日
星4.0
4.0
 バビロン本ですが、この本のターゲットが何なのか分かりにくい、でも個人的にはとても楽しめました。不思議な一冊です。
 麻雀界の歴史、バビィ(馬場プロ)が麻雀界に入ったきっかけ、プロ麻雀界の黎明期、麻将連合・協会・RMUや、さらに日本麻雀機構ができたきっかけ、雀鬼会についてなどなど、いろいろな要素が詰め込まれている「寄せ鍋」本ですね。
 片山先生の「スーパーヅガン」は、持っている人にとってはただの重複でしかないとはいえ、やっぱり面白いです。レビュー時点でKindle版がないのは残念ですが、税込み1,100円はかなり安いです。寄せ鍋の中に苦手な具が入っている場合もありそうなので、客観的な評価は星4.0なんですが、個人的な好みで言えば星5.0ですね。
 (後日追記)Kindle版は、2023年6月25日発売です。

超攻撃麻雀
ヒサトノート 完全版
佐々木寿人 マイナビ
出版
2023年
1月24日
星2.5
2.5
 2007年と2011年に発売された「ヒサトノート」2冊に少し修正を加えて1冊にまとまった本。
 もともと最新の戦術を紹介する本ではなかったので、古臭さはあまり感じないのですが、麻雀が強くなりたい人が購入する意味も乏しいです。実戦譜を紹介するページがかなり多いので、結局のところ「ヒサトの昔の打ち筋を知りたい」というマニアックな需要くらいしか満たされないでしょう。
 文庫版はサイズが小さくて分厚いので持ちにくく、文字も牌のサイズも小さくて読みにくいです。このへんも減点対象です。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

進化した「超攻撃」
スタイル! 魔王の麻雀
佐々木寿人 KADOKAWA 2022年
12月15日
星2.0
2.0
 著名からは分かりにくいですが、これは戦術書ではなくファンブックですので要注意! フルカラーということもあって価格は高めです。
 内容はヒサトが麻雀を覚えたての頃の話に始まり、黒沢本のようなグラビア写真が多数あり、あとはヒサトの実戦譜の紹介、タッキーとの対談、ヒサトへの100の質問などなど。
 ヒサトの写真や実戦譜を見るだけで大満足! というファンは絶対に買うべき。ただし、ヒサトに強烈な思い入れのない人には厳しすぎます。個人的にはタッキーとの対談以外は評価すべき点が何も見つからなかったのでこの点数です。

麻雀何切る問題
100連発
ブラックマ 2022年
12月10日
 私ブラックマが、何切る本を発売しました。Kindle専用です。スマホ・タブレット・パソコンにKindleアプリをインストールすれば、簡単に読むことができます。特にスマホでも読みやすいように調整しました。
 他家3人のことや守備のことは一切考える必要がない、昔ながらの何切る本です。主なターゲットは中級者。福地誠氏やバビィの何切る本よりは、難易度は抑えめにしてあります。福地本が難しかったと感じる方には特にお勧めです。意外とこの難易度の何切る本は少ないように思います。

フルカラー改訂版
1秒で見抜く麻雀心理術
鈴木優 竹書房 2022年
12月7日
星4.0
4.0
 約6年前に発売された本をフルカラー化し、加筆もされています。この間に鈴木プロは最高位を獲得し、Mリーガーにもなりました。とはいえ、前著を所持している方がわざわざ再購入する必要はあまりなさそうです。
 相手の癖や挙動を読みに生かそうという内容で、基礎がしっかりできた上級者向け。セット麻雀や、顔なじみの人が多いフリー麻雀で役立ちますが、一部ネット麻雀でも生かせるテクニックは登場します。似た内容の本はほとんどないので、興味のある方はぜひご購入あれ。

改訂新版
今すぐ打てる!
はじめての麻雀
狩野洋一 日本文芸社 2022年
10月27日
星4.5
4.5
 元最高位の狩野氏による、初心者向けのルール解説本。2014年に発売された同名本の改訂版にあたります。
 私も高校の授業中に狩野氏の本を読んで、麻雀のルールをすぐに覚えてデビュー戦でトップを取った思い出があります。本著の内容も非常に分かりやすく、これから麻雀を覚えたい方にはお勧めです。ルールの説明だけで終わらず、得点計算などの説明も細かく丁寧なので、本当にこれ一冊だけで事足りると思います。

麻雀・守備の
基本完全ガイド
平澤元気 マイナビ 2022年
10月14日
星4.5
4.5
 平澤本の最新作。氏は守備に関する上級者向けの著書も出していますが、今回は基本ガイドです。
 とはいえ、この本の内容をすべてマスターすれば上級者の仲間入りも十分可能な内容。初級者には難しめと思われるので、中級者の方に最適だと思います。
 攻撃は強者でも見解が分かれがちですが、守備は意見が一致することが多々あります。なので、成績を上げたいならまずは守備の勉強を、というのが氏の主張。この本で守備に対する基本的な考え方から応用まで、幅広く学べるのでお勧めです。

裏プロが教える
フリー麻雀で勝つ
超デジタル打法
川村晃裕 鉄人社 2022年
9月24日
星4.5
4.5
 元協会所属のプロだった川村晃裕氏による約5年ぶりの著書です。
 タイトル通りフリー麻雀で勝つことを目的としています。自動雀卓の上山と下山の偏りなどなど、フリー麻雀特有の戦術は上級者向けと言えるでしょう。しかしそれ以外の赤ドラ特有の打ち方や序盤の構え方などは、ネット麻雀でも使える中級者向けの内容です。
 すなわち中級者から上級者まで、フリー雀荘で打つ方には特にお勧めですが、ネットが主戦場の方にもお勧めできる、かなり守備範囲の広い本です。ただし表現がキツいところがあるので、そういうのが苦手な方にだけはお勧めできません。

世界最強麻雀AI
Suphxの決断
お知らせ マイナビ 2022年
7月25日
星4.5
4.5
 前著は読むのが大幅に遅れたので本項でレビュー漏れですが、今回もAIの打牌をもとにした戦術本です。
 前著は完全に上級者向けの難しい内容でしたが、今回は中級者にも多少お勧めできる内容です。序盤の構え方など、中級者にも取り入れられそうな内容はいくつもあります。
 ただ前著に引き続き、とっつきにくい本なのは否めないところ。前著ほどではないですが、解説は長ったらしくて読みにくいです。同じことを書くにしてももうちょっと整理できないかなぁという思いはありますが…。それでもこの点数にしたのは、この本の内容を完全に身に付ければ天鳳十段以上を狙えると思うから。AIの打牌が正解であると仮定すれば、天鳳九段を二度経験している私もハッキリ言って間違いだらけでした。読みにくいことは覚悟のうえで、ぜひとも皆様にもご一読いただきたい本です。

無敵の麻雀
多井隆晴 竹書房 2022年
7月7日
星4.5
4.5
 Mリーガーでもあり、RMU代表でもある多井プロの新著です。
 最近の戦術書は、「広く浅く」か「狭く深く」のどちらかに分類されることが多いように思います。前者はコスパ抜群ですが、これだけでは壁にぶつかってしまいます。この多井本は後者にあたり、最近の戦術書で広く知られていることを再検討し、多井プロなりの書き方で発信しています。もっと言えば「広く浅く本で書かれている内容を盲信するだけでは勝てないよ」ということです。
 前々著に引き続き配牌オリについて解説されているほか、ラスを引かない打ち方、着順を上げるための技術など、今回も多井プロの高レベルな思考に触れることができて満足です。

麻雀を初めて
やる人の本
ニューロン
麻雀
スクール
つちや書店 2022年
7月6日
星3.5
3.5
 ハッキリ明記されてないのですが、こちらの本もだいぶ昔に発売された入門本のリメイク…のはずです。たぶん。著名は忘れました。
 一つ下でも入門本をレビューしましたが、ほぼ同時期に発売されてますので、どうしても両者を比較してしまいます。こちらのニューロン本が優れているのは、カラーバリエーションの豊富さ…くらいではないでしょうか。カラフルで読みやすいのは美点ですが、一つ下の連盟本よりページ数が少なく価格が高いのはやっぱり気になってしまいます。
 内容は分かりやすいので、これから麻雀を覚えようとしている方にはお勧めできます。ただし、30符4翻を満貫に切り上げず7,700点(子)表記オンリーなのは、初心者向けとしてはどうかと。このスクールのルールなのかどうかは知りませんけど、これはハッキリ不親切だと言い切れます。

はじめてでも
絶対わかる麻雀
日本プロ
麻雀連盟
新星出版社 2022年
7月1日
星4.0
4.0
 麻雀を知らない方向けにルールや手役などの解説を行ったものです。2013年12月発行の「らくらくマスター! はじめての麻雀」を再編集したもの。リメイク、と言っても差し支えないでしょう。
 レビュー時点でKindle版がないのは難点ですが、税込み1,078円という価格は良心的。内容は分かりやすく、初心者にお勧めしやすい内容です。連盟にしては珍しく、30符4翻(場ゾロ入れて6翻)の切り上げについてきちんと言及されています。
 ひとつ上で同じく初心者向けの本をレビューしてますが、どちらか迷っているならこちらの連盟本のほうがお勧めです。

読むだけで上級者!
麻雀が強くなる
即戦力講義
ゆうせー マイナビ 2022年
6月23日
星4.5
4.5
 ゆうせー氏は天鳳の強豪で、ASAPIN(朝倉康心プロ)の兄でもあります。4年ぶりの戦術書です。
 タイトル通り、ターゲットは中級者になりそう。内容は最近ありがちな「広く浅く」の真逆を行く、特定のテーマに絞って深く解説した本です。特に1335の形のさばき方など、私も理解していなかった部分が多々あり、上級者にもお勧めできる内容。
 テーマ数が少ないのが難点であるのは事実ですが、他の戦術書で深くは触れられていない内容がとても多いので、戦術書をたくさん持っている方にもお勧めできます。

麻雀 至極の戦略
堀慎吾 KADOKAWA 2022年
6月23日
星4.0
4.0
 Mリーガー・堀プロの4年ぶりの戦術書。前著のやや過激な語り口に拒否反応を示した方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はおとなしめの内容ですので、そこが心配な方はまずご安心ください。
 堀プロの実戦譜の解説が中心で、彼の高度な思考に触れることのできる意義深い一冊。ターゲットは、戦術書を数多く読んだ経験のある上級者でしょう。もちろん中級者が読んでもOKですが、この一冊だけを読んで劇的に強くなるものではありません。強者がさらにもう一歩上の階段を上るための本…と表現すればいいでしょうか。
 Mリーグの戦記として考えるのもアリなので、堀プロやサクラナイツのファンにもお勧めできます。

黒沢咲の 鳴かずに
勝つ! セレブ麻雀
黒沢咲 KADOKAWA 2022年
5月26日
星2.0
2.0
 Mリーガー・黒沢プロの著書。私も勘違いしておりましたが、ファンブックであって戦術書ではないので要注意! ファンでない方にとってはこの点数ですが、ファンならプラス2.0〜2.5点しても良いでしょう。
 内容をいくつか紹介しますと、黒沢プロがセレブ麻雀と呼ばれるゆえん、Mリーガーとしての心構えができておらず萩原聖人氏に怒られた話、Mリーグの実戦譜、他プロから見た黒沢プロについて、極めつけに役満の自慢話が10ページ以上、グラビアのようなカットも数点・・・。
 ということで、この本を読んで強くなるというものではありませんし、ましてメンゼンの戦術が学べるわけでもありません。あくまで黒沢プロのファン向けの一冊です。

麻雀1年目の教科書
千羽黒乃 竹書房 2022年
5月7日
星3.5
3.5
 著者は天鳳や雀魂で強豪のVTuberです。
 ターゲットはルールを覚えたばかりの初心者なのだろうと思いますが、1冊にかなりの濃度を詰め込んでいるので、初心者には明らかに難しいと思われる中級者向けの内容が頻繁に登場します。
 しかも、第1章で初心者向けの内容から始まって中級者向けの内容までバーッと進み、第2章でまた別のテーマで初心者向けの内容に戻って中級者向けの内容へ…という構成になっています。何度もこの本を読み返して真面目に取り組む予定の方には良いですが、初心者が軽い気持ちで手を出すと難しいと感じられる内容です。
 解説している内容はとても的確で、すべてマスターする頃には初心者を脱出して中級者の仲間入りしている思うのですが、私はやや詰め込みすぎのように感じます。初心者向けならば取り上げる分量を減らしてでも、もっと解説を丁寧にしたほうが良いと思います。ただし繰り返しますが、何度もこの本を読み返すことが苦にならないならば、1冊で多くの要素が詰まってたいへんお得な内容です。

コバゴー式
麻雀“早覚え点数計算
マスタードリル
小林剛 ART NEXT 2022年
4月13日
星3.5
3.5
 Mリーガーでもあるコバゴーが、今度は点数計算本を監修しました。点数計算オンリー本は比較的少ないでしょう。
 Kindle版もありますが、ムック版は小学生のドリルのように書いて覚えることができる形式になっています。丁寧な解説に加え、コバゴーがどうやって点数計算を覚えたかも書かれており、真面目に点数計算を覚えたい方にはお勧めできます。
 ただ、ターゲットは非常に狭そうです。ネットでも書籍でも点数計算について書かれたものはいくらでもありますし、ネット麻雀ユーザーならそもそも点数計算を覚えないという選択肢もあります(もちろん知っているほうが有利ですが)。上級者でも点数を計算できない方は多くいるので、そういう方にぜひお勧めしたい本です。

新 科学する麻雀
実戦問題集
とつげき
東北
ホビー
ジャパン
2022年
3月31日
星4.5
4.5
 麻雀界に革命をもたらした「科学する麻雀」が、何切る問題としてモデルチェンジを果たした本です。
 小難しい数式などは少なめで、何切る形式で科学的な正解を学ぶことができるので、たいへん読みやすいのが特徴。1ページに4問収録されているコスパの良さも光ります。実戦で役立つ問題が多いですね。
 とはいえ、福地本などに比べると解説は味もそっけもない、淡々としたものです。私は全然オッケーですが、解説が物足りなく思える方はいらっしゃるかもしれません。レビュー時点でKindle版がないのも難点。
※その後Kindle版もリリースされました。

人気麻雀YouTuber
が教える 1冊で
上級者になる方法
平澤元気 マイナビ 2022年
3月23日
星4.0
4.0
 平澤本の最新作。著者なりに「上級者」を定義づけしたうえで、読者が上級者になれる方法について解説しています。
 手作りや押し引き、読みといった基本的事項は余さず取り上げられています。上級者になるために何が必要であるかは、この1冊で十分理解できると太鼓判を押せます。
 ただし、この1冊を読むだけで中級者が上級者になれるかと言ったら…たいへん微妙。個人的には、各テーマについてもっと深く解説されている本を追加で読むことをお勧めします。
 もっとも、この1冊で上級者にはなれないにせよ、分かりやすく解説されている良著であることは間違いありません。

東海オンエア虫眼鏡×
Mリーガー内川幸太郎
勝てる麻雀を
わかりやすく
教えてください!
内川幸太郎

虫眼鏡
KADOKAWA 2022年
3月10日
星4.0
4.0
 Mリーガー・内川プロによる、麻雀入門書。虫眼鏡氏はYouTuberグループ・東海オンエアのメンバーで、麻雀ファンとして知られています。
 同じ入門書ですが、1つ下でレビューしている瑞原本と比べるとページ数はほぼ同じ、本のサイズが大きいのに価格は300円近く安いです。ただし、瑞原本はこれから中級者になる方向けであるのに対し、本著はこれから麻雀のルールを覚える人向け。単なるルール説明だけにとどまらず、初心者が勝つコツが収録されているのに好感が持てます。
 30符4翻はやはり7,700点(子)として紹介されていますが、満貫に切り上げる場合もあると書かれています。連盟ルールに従ったものと思われますが、入門書なら満貫を基本にして「7,700点の場合もある」という記載のほうがいいのになぁ…といつも思います。

瑞原明奈の
ロジカル麻雀入門
瑞原明奈 マイナビ 2022年
1月24日
星3.0
3.0
 Mリーガー・瑞原プロの初の戦術書。
 入門というタイトルではありますが、他家に対する対応なんかも出てくるので、もうすぐ中級者になれそう・中級者になりたて、くらいのレベルがターゲットになりそうです。
 コラムは面白いですし、解説は分かりやすいですし、文章は読みやすいです。ただ、問題はそれ以外の部分にあります。B6くらいのサイズで164ページ、つまりちょっと薄めの青年コミックくらいの大きさとボリュームで、それで紙版で1,700円近くの価格はやや高いと感じます。
 あとは最近の流行なのか? 牌図に書き起こすことを怠って、白黒の写真を問題図にしているのもマイナスポイント。見づらいうえに、右手で牌が半分隠れたり、理牌されていなかったり、牌が上下逆になっていたり(実戦の写真なので当たり前ではありますが)。これって入門書ですよね?
 ちゃんと牌図が出てくる問題もあるので、余計に白黒写真の手抜き感が強調されてしまってます。価格が高めなので余計にそう感じます。あと、問題図と瑞原プロの答えが同じページに出てくるのもどうかなぁと。内容は悪くないのに、編集の部分で大きく損をしている残念な一冊でした。

麻雀で生きていく
堀内正人 竹書房 2022年
1月8日
星4.5
4.5
 元十段の堀内氏、連盟退会後はポーカープロとして活躍していましたが、コロナ禍で難しくなり、現在はYoutuberとして麻雀などに関する動画を配信しています。
 基本的には堀内氏の生き様を紹介する本ですが、いろいろ紆余曲折あって読みごたえがあります。連盟を辞めた理由についてもページを取って書かれています。のみならず、ページの下には何切る問題が収録されていて、普通に何切る本として考えても優秀です。
 この何切る問題があるからこそ、多くの方にお勧めしやすいと言っても過言ではないですね。レビュー時点でKindle版がないのが唯一の不満点。個人的に、なるべく紙の書籍は買いたくないのです。
※その後Kindle版もリリースされました。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

打点と守備力が
アップする!
麻雀・勝つための
メンゼンドリル
リツミサン マイナビ 2021年
12月23日
星4.5
4.5
 天鳳強豪のリツミサン氏にとっては2年半ぶり2冊目の著書。
 本著も前著に引き続き「メンゼンは鳴くよりもこんなにお得なんですよ」という内容ではなく、メンゼンを軸とした読みを中心とした本なので、そこは注意しましょう。
 中〜上級者向けで、他家の動向を正確に読み取ったうえで何を切るかという内容。本のタイトル通り、特に守備力アップに直結するので強くなれる一冊です。内容が非常に良いので前著より星0.5をプラスしましたが、やっぱり「こんなもの鳴かないでメンゼンで進めましょう」というメンゼン指南本もいつか読んでみたいですね。

麻雀のネクスト
レベルの扉を開く
魔術の麻雀
園田賢 彩図社 2021年
12月22日
星4.5
4.5
 Mリーガー・園田プロによる初の戦術書。中〜上級者向けであることが明言されています。
 ですが、読んだ限りではかなり上級者寄りの内容だと思います。この本を一冊読めばすぐ強くなれるという即効性はありませんが、自分の麻雀を確実に底上げしてくれる一冊だと思います。
 例えば理想の着順になる確率を少しでも上げるための鳴きであったり、期待値を樹形図で素早く計算したり・・・。特に後者は、よほど鍛錬を積まないとネット麻雀の数秒の考慮時間で計算するのは無理でしょう。
 内容的にはとっつきにくいものも多く含まれているとはいえ、園田プロの自己紹介文はものすごく共感できましたし、文才があるので読みやすい一冊に仕上がっているのが印象的ですね。

魔神ラーニング
渋川難波 竹書房 2021年
10月15日
星3.5
3.5
 渋川プロにとっては約8年ぶりの戦術書出版。本著は、Mリーグの各プロの意外な一打を取り上げ、その一打の意味を掘り下げていくというスタイルです。
 私は他の方よりも厳しめの採点になっているかもしれません。コンセプト自体は決して悪くないのですが、一打の意味はあくまで渋川プロの考察であって、各プロに確認したわけではないという点は注意が必要。また解説が「結果この手はアガリきりました」で終わっており、その一打が正解なのかどうかがよく分からないことがある点が非常に残念。結果が良くても誤打であることは、麻雀ではよくあることです。それでこの採点となりました。
 私はこの本を自分の麻雀に生かせるかどうかという視点で採点していますが、「Mリーグの各プロの面白い一打を紹介してほしい」「各プロの打ち筋を知りたい」という目的であれば「刺さる」一冊かもしれません。

新 科学する麻雀
とつげき
東北
ホビー
ジャパン
2021年
9月30日
星5.0
5.0
 麻雀界に巨大な衝撃を与え、麻雀番組で解説する有名プロからも批判された「科学する麻雀」から17年、ついに最新版の発売です(そのプロに対しては「一番理解に苦しんだ」と本著で一刀両断しています)。天鳳の最新のデータをもとにしており、過去のリメイクとかではないので、前著をお持ちの方にも当然お勧めです。
 パラパラとめくると、小難しそうな表が羅列されていて大学時代の講義を思い出して吐き気がしましたが、この表を暗記する必要はありません。文章部分を読み進めていけば、良著だと容易に気づくことができるはずです。
 成績に直結しやすい「リーチすべきか」「テンパイ崩しすべきか」「押し引き判断」などが主となっており、最新のデータをもとに明快に答えが導き出されています。ただ、たしかに文章量は多いので、読むのにある程度覚悟は必要です。表やデータをスッパリ排除して結論だけを解説した本も最近は多いので、文章を読むのが苦手な方にはそちらをお勧めします。

初心者から
ぐんぐん強くなる
麻雀何切る
多井隆晴

郡道美玲
マイナビ 2021年
8月16日
星4.0
4.0
 最近立て続けに著書を出版している多井プロの新著。今度はVtuber郡道美玲(ぐんぐん)とコラボした初心者向けの何切る本です。
 教科書のような堅苦しい戦術書が苦手な方にお勧めで、生徒と先生のようなほのぼのするやり取りが続き、基礎的な問題からブロック分け、役を絡めた手作りなどが学べます。「さらに上達」という追加の知識も教えてくれる分かりやすい内容です。
 ぐんぐんは「炎上系」と称されることもありますが、この本では明るい生徒役に徹しているのでそういった心配はありません。ただ、この内容なら動画形式でのやり取りを見てみたかった気もします。

YouTube連動!
ここで差がつく
麻雀何切るチャンネル
平澤元気 マイナビ 2021年
7月22日
星4.0
4.0
 YouTubeでの配信も好評な平澤氏の新著。私の率直な感想としては、ご自身のYouTubeチャンネルの宣伝をしたかったのかな、と。書籍で麻雀を覚えたい人にYouTubeのQRコードなど不要ですし、YouTubeで麻雀を覚えたい人がわざわざ千数百円も払ってこの書籍を購入するかは、正直かなり疑問です。
 それはそれとして、こちらの書籍が良著であるのは確かです。ターゲットは初〜中級者で、何切る形式で基本的な形のさばき方を覚えることができます。
 動画にアクセスしなくても解説としては成立している問題が多いので、主に初心者にお勧めしたい一冊です。ただしいちいち動画にアクセスするのが面倒な方は、他にも初心者向けの何切る本はたくさんあるので、そちらを選んだほうが無難でしょう。1つ下でレビューしている井出本とか。

麻雀技術の教科書
何切るドリル
井出洋介

小林剛
マイナビ 2021年
6月11日
星4.0
4.0
 麻将連合が誇る井出洋介・小林剛の両プロがタッグを組んだ3冊目の戦術書。
 初〜中級者向けの何切る問題で、奇をてらった問題はほとんどなく基礎的な問題が続きます。この本を読み終える頃には1段階レベルアップしていることでしょう。本の表紙には200問と記載されていますが、実際は220問収録されておりコスパも悪くありません。
 全体的な雰囲気で言うと昔からおなじみの井出ワールドなのですが、随所にコバゴーっぽさも出ており、最新のセオリーにも対応できていると思います。

麻雀無敗の手筋
多井隆晴 竹書房 2021年
6月3日
星4.0
4.0
 最近次々に戦術本を出版している、MリーガーでありRMU代表でもある多井プロの新著です。
 表紙に「配牌オリだけで最強位になった男」と記載されているように、配牌オリを含めた守備について記述されている一冊です。最近は「配牌オリは損」という意見のほうを多く見かけ、配牌オリについて真面目に書かれた本を見たのは金子正輝プロの著書以来かもしれません。
 この本はハッキリ言って地味ですが、着実に雀力を底上げしてくれます。中級者よりは基礎が完全に身についた上級者向けでしょう。中途半端にこの本の内容を取り入れないほうが無難です。コラムも秀逸で、さっそく「第1期闘魂杯」についても熱く語っておられます。

規格外の打ち筋!
高打点鳴き麻雀
矢島亨

須田良規
マイナビ 2021年
5月24日
星4.5
4.5
 スピード打法全盛の昨今においては、高打点打法を解説する戦術本はやや珍しいかもしれません。
 前半は主に混一色やトイトイを狙う打ち筋について解説されています。「ここから狙うのか!」と参考になることも多いですが、本著は赤なしの対局の解説であり、赤ありのルールだと無理なトイトイ狙いがそぐわない場面も多々あります。
 そこさえ注意すれば良著です。鳴き読みや相手に敢えて鳴かせる打法など、鳴きに関して幅広く解説されておりお勧め。コラムも面白いです。実戦でしばしば見る、悪配牌での打ち方も参考になります。もちろん本著ではあまり触れられていない、安手で蹴るという鳴きも非常に重要なので、他の著書と組み合わせて読むのが良いでしょう。

シンプルにして最重要!
麻雀 押し引きを
決める手牌価値
土井泰昭

お知らせ

zeRo

リツミサン
マイナビ 2021年
4月22日
星3.5
3.5
 近年は麻雀戦術の中でも最重要視されていると言っても過言ではない、押し引き本がまたしても発売されました。
 本著の約半分を占める第1部では、いきなり面倒臭い計算式が出てきてとっつきにくいです。まとめもいくつかありますが、これを全部頭に入れるのはけっこう大変。一例を挙げると、自分が1-4と3-6待ちでは押し引きが変わってくるという表が登場しますが、初〜中級者ならそこまで厳密に細分する必要はないと思いますね。よって、上級者向けの本と判断します。
 第2部ではお知らせ・zeRo・リツミサンの強豪三氏が押し引きの判断を行い、1つ下の福地本とは違って問題のすぐ次に解説が登場するので読みやすいです。微妙な問題もいくつかありますが、全体的には読みやすく良好。この第2部の分量をもっと増やしてほしかったと残念に思います。
 なお、一般的なトップが偉いルールを想定しており天鳳とは押し引きが異なりそうな問題が多いので、天鳳を主戦場にしている方はご注意。

令和版 現代麻雀
押し引きの教科書
福地誠 鉄人社 2021年
3月25日
星5.0
5.0
 入手が難しくなっていた、約4年前に発売された押し引き本のリメイク。追加した問題が10問以上、削除した問題が数問、解説をほぼ全文書き換えた問題もあり、前著を購入済みの方でも買う価値は十分にあります。
 内容はリーチ判断と押し引き判断。ただし他家の捨て牌は示されていないことが多く、巡目などの状況から押し引きを学ぶことができます。読みやすい文章で一気に読み進めることが可能。中級者に最もお勧めですが初級者が読むのも大いにアリですし、上級者が復習するにも良い本です。
 私は前著の紙版を所持しており今回はKindle版で購入しましたが、少し失敗でした。価格がどちらも同じなのと、村上淳プロ・ネマタ氏の見解が章末にまとめて掲載されている構成なので、Kindleだと読むのがちょっと大変です。文庫版をお勧めします。

麻雀 理論と
直感力の使い方
近藤誠一 竹書房 2021年
3月3日
星3.0
3.0
 Mリーガー近藤プロにとっては約3年半ぶりの著書ですが、異色すぎて評価が難しいというのが本音です。
 「最近は理論的な戦術書が増えているが、左脳(理論)に偏りすぎると良くない。もっと右脳(経験の積み重ねによる直感)を使うべきだ」というのが最も書きたいことと思います。脳内科医・加藤俊徳氏との対談が収録されていますが、このような麻雀戦術書は他にはないでしょう。
 もちろん理論を軽視しているわけではなく、普通の戦術書のような内容も登場しますが、あくまでメインは右脳(直感)。そして右脳は言語化が難しいという欠点を抱えます。よく読めば良いことを書いているのですが、ちょっと読みにくい本であることは否定できません。

通せる牌が倍増!
麻雀鳴き読みドリル
平澤元気 マイナビ 2021年
2月24日
星4.5
4.5
 プロを辞めてYouTuberとして麻雀の解説などを行う平澤氏。動画もお勧めですが、本著もやっぱりお勧めできます。
 前著に引き続き鳴き読みがテーマになっていますが、現代ではリーチの待ちを読むよりもはるかに重要な要素であるという説が主流になっており、トレンドに合ったテーマであると言えます。
 2020年10月発売の前著よりも内容は易しめなので、初〜中級者に特にお勧めですが、基礎を固めたい上級者が読むのも大いにアリだと思います。

ウザク式麻雀学習
はじめの書
G・ウザク 三才
ブックス
2021年
2月20日
星3.0
3.0
 おなじみウザク本、通算4冊目の著書です。
 タイトル通り初級者を意識してか、読みやすいレイアウトになっており、長文を控えて短めの文章にまとめてあるのは好印象です。
 ただし純粋に初級者向けかと問われると疑問。巻末の用語説明に掲載されていない用語がいくつか出てくるのは不親切。掲載されていたとしても「6ブロック」のような言葉は、初級者向けの本にはそぐわないと思います。何切る問題は初級者向けのものも多い一方で、中〜上級者向けと思われるものも散見され、ハッキリ言ってしまうと全体的に初級者には難しい内容です。YouTubeなどで初心者向けの動画をたくさん見ている方にならお勧めできるかもしれませんが、書籍で麻雀を勉強しようと考える方には不向きですね。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

トッププロに聞いた
麻雀「読み」の神髄
村上淳

鈴木聡一郎
彩図社 2020年
12月29日
星3.5
3.5
 トッププロでMリーガーでもある村上プロの新著。
 当ページで何度か書いてますが、私はインタビュー形式が読みにくくて苦手です。残念ながらこの本もインタビュー形式になっており、聞き手の鈴木プロがボケて村上プロが突っ込むなどサムいやり取りで紙面を無駄にし、おかげで問題数はかなり少なめ。麻雀戦術本でのインタビュー形式なんて、百害あって一利なしだと思います。
 ただし、内容は萩原本や沢崎本よりも圧倒的にレベルが高いうえに、記述が具体的かつ精細です。村上プロの読みの深さには、ただただ感服するばかり。上級者向けですが、村上プロの読みを味わうという点では中級者にも十分お勧めできます。また、滝沢和典プロ、水巻渉プロらとの対談もなかなか面白いです。

麻雀手役大全
ZERO 竹書房 2020年
12月1日
星4.5
4.5
 タイトルから考えて「初心者向けに手役の特徴を丁寧に解説した本」を想像していたのですが、実際はそれにプラスして手役に絡んだ打ち方・テクニックなどを解説しており、これは想像以上に良い本でした。
 例えば「リーチ」という手役ならリーチをかけるタイミングであったり、「混一色」なら多少無理して一色手に進む打ち方の解説など、単なる手役解説本ではなく普通に戦術本として通用するレベルに仕上がっています。
 おそらく初〜中級者向けと思われますが、上級者も購入する価値がある良著だと思います。

手牌が透ける!?
麻雀鳴き読みの極意
平澤元気 マイナビ 2020年
10月23日
星5.0
5.0
 平澤氏は「読みの中で鳴き読みが一番大切」と主張しており、この本は鳴き読みに絞った一冊です。また初心者は鳴き読みを学ぶべきではないとも書いており、この本のターゲットは中級者以上向け。天鳳で言えば五段以上と記載されています。
 鳴き読みの基礎から応用的なものまで、この一冊で幅広く学ぶことができます。前述のターゲットに合致する方すべてにお勧めできる良著です。リーチの待ちを読むよりも精度が高いので、実戦で役に立ちます。
 私の脳内で経験としてうっすら積み上がっていたものがハッキリと明文化されており、この本をしっかり読めば間違いなく強くなると実感できます。ちなみに私は天鳳元九段ですが、この本の内容をすべて網羅していたとは全く言えないレベルなので、天鳳九段レベルの方でも十分読む価値があるのではないでしょうか。
 牌図が間違っていると思われる部分がありましたが、それを差し引いても満点採点としました。とりあえず私は2020年中にあと4回読み返します。

改訂版
ゆーみんの現代麻雀が
最速で強くなる本
魚谷侑未 鉄人社 2020年
10月1日
星4.0
4.0
 4年前に発売された著書の改訂版。旧著が絶版になるのに合わせ、改訂版を出すことにしたそうです。
 最大の変更点は最新の自戦記が追加されたことで、あとは図や文章の一部が変更されたにとどまります。したがって、旧著を所持している方は基本的に購入不要です。
 星4.0の評価は、あくまで「旧著を所持していない初〜中級者」に該当する方向けです。1冊で多くの要素が詰まっているので、戦術書をあまり持っていない方にはお勧めできます。

麻雀番組が
10倍楽しくなる本
黒木真生 竹書房 2020年
10月1日
星3.5
3.5
 いつもピエロ役に徹してきた黒木プロが、自身の名で著書を出版しました。福地誠氏とバトルした近衛兵としても有名な方です。
 黒木プロは麻雀企画集団バビロンのライターでもあり、これは連盟本ではなくバビロン本です。他団体の事情に関する記載もあります。ネットで調べればすぐに分かる内容が多いとはいえ、それが1冊にまとまったと考えれば意義のある本。
 「Mリーグって何?」「プロ雀士って儲かるの?」といった気になる質問が多く収録されている一方、「バビィって何者ですか?」などどうでも良さそうな記載も少なくなく、個人の主観丸出しな上にトンチンカンな記述もあります。基本的には「観る雀」の方にお勧めなのですが、「関西だけピンフツモがないのはなぜ?」など「観る雀」にあまり関係なさそうな内容も多いです。ターゲットが分かりにくい本なのが少し残念ですが、解説そのものは丁寧に記述されており分かりやすいです。
 星3.5は「観る雀」の方向けの点数で、それ以外の方は「こんなの知ってるよ」「知らなかったけど、こんなのどうでもいい」という内容が多いので見送りで良いと思います。

令和版 神速の麻雀
堀内システム55
堀内正人

福地誠
三才ブックス 2020年
9月19日
星4.5
4.5
 5年前に発売された著書のリニューアル版。コラムを一新して誤植の修正を行い、データも最新版が使用されています。旧著は入手が難しくなっているので、それだけでも本著の出版には意義があります。
 星4.5は旧著を持ってない方向けの採点ですが、変更点がまあまあ多いので旧著を所持している方にも十分お勧めできます。
 麻雀の戦術は日進月歩で、最近は1シャンテンからでもある程度押す戦術が流行していますが、この本を読むともう少し引き気味にしようかと考えてしまいます。最近の他の戦術書と異なる解説もけっこう多いので、じっくりと比較検討(試行錯誤)する必要があります。

ネット麻雀天鳳で
覚える麻雀入門
近代麻雀
編集部
竹書房 2020年
9月1日
星3.5
3.5
 タイトル通り、麻雀初心者でこれからネット麻雀サイト「天鳳」で麻雀を始めようと考えている人向けの一冊です。3.5という採点は、これに該当する方向けの点数です。他のネット麻雀アプリや、仲間とセット麻雀を打とうとする人にとっても全く使えない本ではありませんが、天鳳に特化しているので不便なことが多々あるでしょう。
 天鳳の操作方法が懇切丁寧に説明されている反面、通常の麻雀で必要な親決め、配牌の取り方などの説明はありません。点数計算どころか、満貫だと何点、2翻だと何点といった記載もありません。点数は機械が勝手に計算してくれるので、思い切ってカットしたのだと思われます。
 たしかに点数計算は初心者が敬遠する最大級の要因なので一概に悪いとは言えませんが、この本があまりにも天鳳に特化しすぎているという点には注意が必要です。

沢崎誠の強すぎる
麻雀経験論
沢崎誠 マイナビ 2020年
8月25日
星2.0
2.0
 1年前に発売された萩原本に構成は近く、黒木真生プロが沢崎プロにひたすらインタビューしてそれに答え「あー沢崎さんすごいっすねぇ」という結論を導き出すだけの本です。その内容を沢崎プロが一人で執筆すればもっとマシな内容になると思いますが、そうするだけの国語力がないのでしょうか。
 インタビュー形式は読みにくいことこの上ありません。後述する「経験則」だけが根拠のアナログ論に対する突っ込みは少なく、たまに突っ込んでも沢崎プロに論破されるだけ。黒木プロは先輩の沢崎プロを立てるために、ピエロ役を演じているだけでしょう。このピエロ、邪魔なだけです。
 肝心の内容も「配牌から動かないからこのリャンメンは引けない」だの「○○さんは好調だから警戒する」だの、数値的な根拠が一切ないアナログ論ばかり。萩原本よりはマシとはいえ、滑稽なピエロの存在が気にならず、かつ沢崎プロ大好き人間という方以外は見送りが正解だと思います。

麻雀強者の流儀
鈴木大介

梶本琢程
竹書房 2020年
8月3日
星2.0
2.0
 2019年の最強戦で優勝した、将棋の鈴木大介九段による初の麻雀本です。
 雀鬼会に所属していた影響もあってか、近年連盟からもほとんど発売されていないコテコテのアナログ本、いやオカルト本と言ったほうがいいかも。「自分が一手遅れになっているような状態」「麻雀で余剰牌が当たるようなときは、私の中では終わっている状態」「もしこの手でリーチに行ってもきっと裏ドラ乗らないでしょうね」「鳴かないのは、もう場を完全に自分が支配して、メンゼンで高く狙っても十分に間に合うような時」といった、鈴木九段の脳内でしか理解できないようなワードが連発。
 初心者向けの用語説明が丁寧なのは好感が持てるのですが、だったら上記のオカルト思考についての説明をもっと丁寧にすべきです。しかしこの本では「経験則ですかね」でおしまい。せっかく良いことも書いてあるのですが、これでは初心者にお勧めするのは無理です。

3ヵ月で強者と
戦えるようになる
麻雀「超コスパ」上達法
金太賢 彩図社 2020年
7月27日
星4.0
4.0
 金プロは雀王、最強位の獲得経験があり、野口賞で優勝してモンド杯への出場経験もある協会のトッププロ。なぜMリーグからお呼びがかからないのかが分からないです。
 ルールを覚えたばかりの初心者に最適ですが、中級者にもお勧めできます。かなり中身の濃い本なので、タイトルの通り3ヶ月で強者と戦うことは本当に可能だと思います。
 ちょうど麻雀のルールを覚えたばかりの後輩がいたのでこの本を読ませたところ、ちょっと難しいという感想でした。本気で強くなりたい人にはお勧めですが、ボーッと読むとたしかに初心者にはやや難しめだとは思います。ただ、3ヶ月で強者と戦うにはこれくらいの密度が必要だとも思います。

侍、真っ向勝負!
平賀聡彦の
ガムシャラ麻雀
平賀聡彦 マイナビ 2020年
6月23日
星2.5
2.5
 2016年(第41期)に最高位決定戦に進出、さらにRTDリーグやモンド杯優勝などの実績を持つ平賀プロの著書です。
 なんですが、期待していたのと全然違いました。これは戦術本ではなく、平賀プロの自己紹介本に近いかもしれません。 実戦譜が出てきて「この時自分はこう考えた」的な記述が続きます。自己紹介的な記載もあります。平賀プロのファンにはお勧めですが、それ以外にはちょっとキツイかも。

必勝!
麻雀実戦対局問題集
多井隆晴 竹書房 2020年
6月1日
星4.5
4.5
 最近の多井プロは麻雀界を熱く語る本を出版しておりましたが、戦術本を出すのは約10年ぶりでしょうか。
 基本的には「何切る」なのですが、ただの何切るではなく、多井流の考えを自然と学ぶことができる作りになっています。押し引き、手作り、ドラの切り時など多岐にわたります。さすが多井プロと言うべき、レベルの高い内容となっています。
 問題数がそれほど多いわけではなく、2〜3時間程度で読破できる分量ですが、その分読みやすくなっています。初心者から上級者まで守備範囲は幅広く、堅苦しい戦術書が苦手な方にもお勧めできます。

これだけでOK!
麻雀初心者が最速で
勝ち組になる方法
平澤元気 マイナビ 2020年
4月22日
星4.0
4.0
 タイトルが若干紛らわしいと感じられる恐れがありますが、本著の対象となるのはルールを覚えた初心者、または全然勝てない中級者です。4.0という採点はこの対象者向けのもので、上級者などにとってはもう少し減点したものになるでしょう。
 応用的な部分は極力排除し、絶対覚えるべき部分に特化して記載されているので、タイトル通り「最速で」強くなれると思います。
 平澤プロの前著に引き続き、QRコードがこれでもかと掲載されており、動画と合わせて読むとより効果的な作りになっています。個人的にはかなり面倒ですし、私はWi-Fiが使えない環境ではスマホで動画を見ませんので、本著を読む環境も限定されてしまいます。あと、スマホのKindleアプリで本著を読む場合、QRコードにアクセスするのが超面倒という課題も依然として残っています。

夢をかなえる
麻雀ノート
神尾亮

朝倉康心
竹書房 2020年
4月1日
星3.0
3.0
 最高位戦の神尾亮プロの研究会での対局での一打について、実戦での心境と対局後の心境を詳しく書き、それを朝倉康心プロ(ASAPIN)が添削するという内容です。押し引きに関する問題が多いです。
 中〜上級者が陥りそうなミスについて朝倉プロが丁寧に解説しており、それはたしかに役立つでしょう。ただし、問題図がなく4者の手牌がオープンされた小さめの写真しかないうえ、手出し・ツモ切りの区別も原則ないので、何切る問題として使うことができません。
 必然的に神尾プロの心境と朝倉プロの解説を交互に淡々と読み進めるだけの作業になりがち。コンセプト自体は悪くないと思いますが、もうちょっと読み手にも考える余地を与えるような構成のほうが良かったと思います。

アガリ率5%
アップ何切る
竹内隆之
小林剛
竹書房 2020年
3月5日
星4.5
4.5
 コバゴー本という扱いですが、コバゴーはあくまで監修の立場で、アマチュアの竹内氏の著書です。
 多面待ちの問題が延々と続き、最後にまとめがあります。初心者から上級者まですべてにお勧め。あまり大きな声では言えませんが、天鳳九段の私はかなり序盤の問題を1問間違えてしまいました。上級者が基礎から復讐するのにも最適です。
 1ページにつき2問という、福地本などにも見られる良コスパの良著です。とても役に立つことは保証しますが、個人的には連続で読み進めると飽きてきました。ただし、これは地味ながらも身につく良い内容であるという裏返しでもあります。焦らずじっくり読み進めていきましょう(笑)

令和の麻雀最新理論
土井泰昭 マイナビ 2020年
2月25日
星4.0
4.0
 おなじみ、どいーんこと土井プロの最新刊。土井プロは発売時点で60歳を超えるベテランプロですが、最新の打ち方に比較的詳しいベテランです。
 本書のコンセプトはおそらく「昭和と平成の良いところをミックスした、令和の新しい打ち方」を解説したいということだと思います。
 しばしば「昭和はこうだった」と懐かしむ記述や「平成は効率重視すぎたのでもう少し打点を・・・」的な記述が出てきます。「そんなことはどうでもいいから結論だけ知りたい」という方には向かない本ですが、土井プロの文章にはなかなか味がありますので、個人的には回り道も悪くないかなと思うのです。内容的には、別な著書でも頻出する内容に少しアレンジが加わっているものが多いです。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

麻雀 鳴きの教科書
平澤元気 マイナビ 2019年
12月23日
星4.5
4.5
 おなじみ平澤プロの著書で、今回は鳴きについてです。
 鳴きについて基礎から学ぶことができます。初心者を意識した記述も多く、上級者まで幅広い方にお勧めできます。
 やや珍しいのは、YouTubeの動画と連動しており、本の至る所にQRコードが記載されている点。本で書ききれなかった部分を動画で補足するという形になっています。ただし私は基本的にスマホのKindleアプリで読みますので、個人的にはこのやり方はちょっと困ります。
 細かい不満点として、例えば「この手牌では鳴きますか?」というテーマなら、「鳴きます。なぜなら○○だからです」という解説方法にしてほしかったです。本書では何ページも後に答えが書かれている場合も多かったりして、特に後で読み返すときに不便だと思いました。こちらは本当に細かい不満なので、この本がお勧めであることに変わりはありません。

夜桜たま×朝倉康心に
学ぶ現代麻雀
夜桜たま
朝倉康心
大川ぶくぶ
竹書房 2019年
12月12日
星4.5
4.5
 夜桜たま氏は、麻雀などに関する動画を配信していたバーチャルYouTuberですが、大人の事情で契約解除になった模様。ASAPIN・トトリ先生19歳の両アカウントで天鳳位を獲得した、最高位戦の朝倉プロが監修しています。
 主に天鳳で麻雀を打ち、麻雀のルールを覚えたばかりの初心者である、という条件を満たす方には星4.5くらいの価値がある良本だと思います。堅苦しい説明が少なく、フルカラーで読みやすいのは好印象。両氏の対談は、初心者がよく抱える悩みを代弁してくれていると思います。
 私はKindle Unlimitedで読みましたが、購入する場合は1,980円とやや高価なのでご注意。フルカラーだからでしょうか。それでも天鳳の一般卓で苦戦している方にはぜひ読んでほしい一冊です。

全速力〜人気ナンバー1
雀士が語る
「ビジネスメソッド」
多井隆晴 サイゾー 2019年
11月26日
星4.0
4.0
 藤田晋社長の著書と同じで、たいへん評価が難しいです。終盤に麻雀のことも書いているとはいえ、タイトル通りビジネス書と考えたほうがよい内容。
 個人的には多井プロの考えには深く賛同できるので大変共感しましたが、麻雀の解説を求めるのであれば見送りが正解。私のような鳴かず飛ばずの人間に最適なのかもしれません。人生の成功の秘訣のようなものを求める人向けです。

麻雀技術 守備の教科書
振り込まない打ち方
井出洋介
小林剛
池田書店 2019年
11月20日
星4.5
4.5
 麻将連合のビッグネーム2人がタッグを組んで完成した著書。守備について、昔から変わらない常識に最新の知識をプラスし、1冊で守備についてすべてを学ぶことができます。そういう本はかなり少ないように思います。
 この本の内容はおおむね把握していないと上級者とは言えませんので、初〜中級者向けと言えるでしょう。戦術本をあまり持っていない人は迷わず購入で良いのではないでしょうか。

麻雀 勝ち確システム
山越貴広 竹書房 2019年
11月1日
星4.0
4.0
 天鳳十段、関東最強位などの肩書を誇り、最強アマチュアの呼び声もあるこっしーの戦術本。
 1ページに1つのテーマという分かりやすさ。そしてデータはほとんど登場せず、著者の考える結論のみが書かれています。シンプルで読みやすく、中級者に最適だと思います。
 ただし他の戦術本と主張の異なる部分も多く、シンプルであるがゆえに「こっしーがそう考えた理由」については最低限しか記載されていません。極端な話、こっしーが書いていることが本当に正解なのかどうかを確かめるのが難しいとも言えます。上級者にはあまりお勧めできませんが、中級者がこの本の内容を取り入れればすぐに成績が向上すると思います。

現代麻雀の絶対手順
内川幸太郎 マイナビ 2019年
10月25日
星4.0
4.0
 2回目となる2019年Mリーグでドラフト指名されたMリーガーである内川プロの著書。
 内容的に目新しい部分は少ないですが、解説が丁寧でたいへん分かりやすいです。本の構成も読みやすく好感が持てます。連盟所属ですが、流れの「な」の字も出てこないのは、もはや当たり前になったでしょうか。
 内容は手作り・守備・仕掛けや押し引きなど、良く言えば盛りだくさん、悪く言えば広く浅く。上級者にとっては知っていて当たり前の内容が多いので、初級者および中級者向けと言えるでしょう。過去の書籍で既出の内容も多いとはいえ、それらが1冊にまとまったと考えれば、戦術本をあまり持っていない方にはお勧めできる一冊です。

麻雀が強くなる
ための心と技術
魚谷侑未 竹書房 2019年
10月2日
星3.5
3.5
 Mリーガーでもある魚谷プロの、およそ3年半ぶりの著書。
 大きく分けて、メンタル・鳴き判断・押し引きについての解説と、自己紹介的コラムが掲載されています。自己紹介は長すぎず短すぎず、魚谷プロのことをもっと知りたい方にはうってつけの内容です。メンタルについても魚谷プロらしさが出ています。
 一方で鳴き判断・押し引きについては目新しい内容は少なく、上級者には物足りず、初心者にとってはやや説明不足な面があるので、基本的な打ち方が身についている中級者向けと言えるでしょう。フォーマットは2つ下の勝又本と似ていますが、何切る形式ではないので、手出し・ツモ切りの記載がないことは致命的にはなっていません。

鬼打ち天鳳位の
麻雀メカニズム
お知らせ マイナビ 2019年
8月23日
星5.0
5.0
 お知らせ氏は、四麻の第14代天鳳位。ブログなどでの情報発信はかねてから注目されていましたが、この本の中身の濃さは歴代でもトップクラスです。
 序盤の手組みから押し引き判断、点数状況判断、最後は読みの作業の前倒しまで。完全に上級者向けの本です。他の書籍と意見が異なる場合も多く、その取捨判断は中級者以下では難しいでしょう。それくらい、レベルが高いです。
 最後の「作業の前倒し」は他の書籍ではあまり見かけない内容です。要約すると「その場その場で判断するようではダメ、前倒ししてあらかじめ備えておくことでミスを極限まで減らせる」というもの。この本を完全にマスターすれば、十段や天鳳位が見えてくると思います。マスターすれば、ですが。

麻雀IQ220の選択
勝又健志 竹書房 2019年
8月1日
星3.0
3.0
 元鳳凰位としてより、今や私生活の騒動が有名になった勝又プロが繰り出す初の麻雀本。連盟雀士ですが流れの「な」の字も出てきません。
 さすが元鳳凰位だけあって、読みの精度が素晴らしく、参考になる部分はかなり多いです。
 一方で本の構成は稚拙。問題文に手出し・ツモ切りがほとんど書かれていないので、何切る本と考えると失格。解答だけででっかく1ページを使う、面白くもない4コマ漫画で1ページを使うといった具合に、コスパも良くありません。
 そもそも論として、問題図は実際の牌の画像ではなくしっかりと図に書き起こしてほしいですね。そうすれば色分けで手出し・ツモ切りが示せたはずです。さらに点数状況など一部の文字が小さくて見にくすぎます。Kindle端末ですら小さいと感じましたが、スマホだと読み取れないこともしばしば。どのような環境でもしっかりと読める本を作ってもらいたいものです。

滝沢和典の
Mリーグ戦記
滝沢和典 マイナビ 2019年
7月24日
星2.5
2.5
 不倫関係の2人に挟まれてしまった可哀想な滝沢プロによるMリーグの自戦記です。
 タイトルに偽りなく淡々と「滝沢プロはこう打った」「なぜならこう読んでいたからです」「その時僕はこういう心境でした」という記述が続きます。
 それを読みたいなら買い、そうでないなら見送りです。戦術本をあまり読んだことがない方なら戦術本としても使えますが、この一冊を読んで麻雀が劇的に強くなるとは思えません。あくまでも滝沢プロのファン向けでしょう。

麻雀の失敗学
朝倉康心 竹書房 2019年
7月1日
星4.5
4.5
 ASAPINこと朝倉康心プロは天鳳位であり現在は最高位戦所属、そしてMリーガーでもある強豪プロ。執筆時点では最高位戦Aリーグで決定戦進出圏内につけておりタイトル獲得が視野に入っています。
 本の内容はMリーグの実戦譜をもとにしていますが、失敗例ばかり選んで解説する本は珍しい。レベルがあまりにも高く上級者向けの本です。天鳳八段の私では失敗とは思わないレベルでも、朝倉プロは自らの打ち筋を失敗としてひたすら反省しています。
 巷でよく聞く「今の半荘にミスはなかった」という言葉に疑問を呈している朝倉プロ、いやはやレベル高すぎです。私のレベルでは1回読んだだけでは理解しきれないので、あと5回は読みます。

超メンゼン主義麻雀
リツミサン マイナビ 2019年
6月21日
星4.0
4.0
 リツミサン氏は天鳳の強豪。序盤は「メンゼン派はこう打つ」というただの紹介で、「メンゼン派はこうなので鳴くよりも有利」という内容ではなかったことが個人的に少し残念です。
 しかしメインとなる第2章の読みの解説には大満足。他の書籍ではあまり見られない解説も多数見られます。
 なのでメンゼンというタイトルでありながら、読みの解説本と言えるかもしれません。次はぜひ「メンゼン派はこんなにお得なんですよ」という内容をもっとたくさん見てみたいです。

麻雀 逆境の凌ぎ方
萩原聖人 竹書房 2019年
6月1日
星1.5
1.5
 Mリーガーであり、連盟入りした萩原「プロ」の戦術本…というか、戦術本と呼べるような代物ではありませんでした。
 ひたすら対談形式で話が進んでいくのにも閉口しましたが、その内容も根拠の不明瞭な精神論が大半。訳の分からない結果論や、単なるMリーグの感想文のようなものまで。
 強くなりたいという方には全くお勧めできない本ですが、萩原「プロ」が大好きすぎて仕方がないという方は、彼の考え方を知る意味で購入する手もあるかもしれません。

初代Mリーガー松本の
ベストバランス麻雀
松本吉弘 マイナビ 2019年
4月23日
星3.0
3.0
 タイトル通り、初代Mリーガーとなった協会所属の松本プロが繰り出す著書。Mリーグの興奮も冷めやらぬ中での発売、絶妙なタイミングです。
 さて内容ですが、これは評価が分かれそう。合計で50ページを超えるコラムがめちゃくちゃ面白い! のですが、肝心の戦術については別な書籍で見たことのある内容が大半。典型的な「広く浅く」本です。
 Mリーグの実戦譜もついてくるので、「Mリーグを見て松本プロのことが好きになった!」というような方がターゲットになると思います。コラムと実戦解説があまりに長いので、麻雀戦術をメインに考えている方は見送りをお勧めします。ただし繰り返しとなりますが、コラムは秀逸でした。一読の価値はあります。

知るだけで強くなる
麻雀の2択
梶本琢程
みーにん
三才ブックス 2019年
4月1日
星4.5
4.5
 「梶やん」はみーにん氏の理論を外から眺め、昭和時代の話を持ち出しつつ絶賛するスタイル。実質的には「みーにん本」です。
 たかが2択と侮るなかれ。これは素晴らしい本でした。小難しくて長い解説をスッパリと排除し、データも考え方もシンプルに、だけど実戦ですぐに役立つ知識がたくさん得られることでしょう。とにかく読みやすいのが嬉しいです。
 コンセプトは他の書籍とも似通ったところはありますが、意外と他の著書では触れられていないテーマが多いと思いました。

ウザク式麻雀学習
牌効率
G・ウザク
後藤羽矢子
三才ブックス 2019年
3月28日
星4.5
4.5
 大人気「ウザク本」の第3弾。今度は牌効率に的を絞った一冊です。
 正直なところ、ターゲットはかなり狭いような気がするのですが良著です。初心者が読んでもチンプンカンプンだと思うのであまりお勧めできず、上級者を名乗るなら知っていて当然な内容が多いです。中級者にとってもやや難しめの内容なのですが、中級者と上級者の境目くらいの雀力の方に特にお勧めしたいです。4.5の評価は、あくまでそれに該当する方向けです。
 ブロック理論・ヘッド理論などの基礎的内容から始まって、メンチンの待ち探し、最後は鳴き効率の話へと進みます。執筆時点で天鳳八段の私としては、特に本著後半の内容を頭に叩き込んで九段復帰を目指そうと思います。

論理的思考で勝つ麻雀
中嶋隼也 マイナビ 2019年
2月21日
星4.0
4.0
 大手銀行を退職して麻雀プロとして協会入りした異色の経歴を持つ中嶋プロによる著書。
 結論から言えば戦術書をあまり読んだことのない中級者に最もお勧めということになります。ブロック理論や押し引き、テンパイ崩しの可否などについてタイトル通り論理的に解説されており、抽象的な表現は少ないと思います。
 ただし中嶋プロならではの著述はそれほど多くありません。めちゃくちゃ厳しく書けば、あくまで論理的というだけ。戦術書を多数所持している人にとっては、重複してしまう部分が多いと思います。

超実践 麻雀「何切る」
「何鳴く」ドリル
雀ゴロK 彩図社 2019年
1月28日
星4.5
4.5
 雀ゴロK氏にとっては4冊目の著書。単純な何を切るかだけでなく、何を鳴くか、あるいは押し引きを踏まえた何切る問題が210問ビッシリと詰まった良著です。
 テーマごとに明確に分けられ、1ページにつき2問収録されておりコストパフォーマンスが抜群。実戦的な手牌が多いのも印象的。基本的には中〜上級者向けですが、ルールを覚えた初級者がこの本をバイブルに成長を目指すことも十分可能です。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

現代麻雀の秘技
相手に対応させる技術
平澤元気 マイナビ 2018年
12月18日
星4.0
4.0
 平澤本の最新作。今回は主に、「相手に対応を強いる」「相手を幻惑させる」ことに主眼を置いています。ただし、一昔前に流行した「迷彩」とはだいぶ異なると思います。
 例えば135というリャンカンがあったら5を早めに切ってモロヒッカケを避けるといった基本的なことから、578から敢えて5切りを遅らせてマタギと読み誤らせるなどの高等テクニックまで盛りだくさん。
 ターゲットは基本がしっかり身についた上級者向けです。劇的に麻雀が上達するという本ではないので、中級者以下には向きません。

麻雀強者の0秒思考
ZERO
天獅子悦也
竹書房 2018年
12月15日
星4.0
4.0
 おなじみ通称「ZERO」本の続編。解説している戦術本としては優秀で、フリテンの残し方やリーチに無筋を通す方法など、他の本ではあまり見られない内容があり購入の価値は大いにありと言えます。
 ただし前著以上に無駄と思われかねない部分が多く、下ネタや「むこうぶち」のコマなどは人によっては全く無用の長物となる可能性があります。
 アウトローコラムは、個人的には興味深く読ませていただきましたが、けっこうなページ数なのでこちらも不要な人にとっては全く不要。逆に言えば、戦術がギッシリ詰め込まれた本が苦手な人にはお勧めです。

竹書房で一番麻雀が
強い男が明かす
セット麻雀必勝法
H坂

梶本琢程
竹書房 2018年
10月15日
星3.5
3.5
 セット麻雀に的を絞った非常に珍しい戦術本。同卓者に嫌われずまた場が立つための心構え、あれこれ考えすぎずシンプルに打つ、果てはガン牌のために雀荘に通ってスマホで写真撮影…。面白い方向にベクトルが向いた一冊です。
 ネット麻雀よりセット麻雀が多い方は買う価値ありでしょう。ネット麻雀ではあまり役立つ知識は少ないのですが、捨てがたい味のある本なので一読の価値はあると思います。

麻雀プロ
Mリーグ選手名鑑
近代麻雀
編集部
竹書房 2018年
10月1日
星3.0
3.0
 麻雀の選手名鑑が発売されるなんて、まるでプロ野球やJリーグのようです。胸熱ですね。
 プロ野球名鑑とは違い、各プロを8ページにわたって詳しく解説。通っていた保育園や小学校の名前まで載っているのは意味不明ですが、勝負飯や好きな手役といったデータはファンにとって参考になると思います。
 しかしハッキリ言って中途半端。Mリーグの概要やルールはほんの少し載っているだけ。Mリーグとは何か? という当然の疑問に対する答えとしては不十分です。つまり、この本のターゲットは「Mリーグのことはよく知っているけど、プロのことを知らない」という方なのです。数百人を網羅しているプロ野球名鑑より圧倒的に高い1,620円(税込)という価格設定も、仕方ないとはいえ購入意欲がそがれます(私はKindle Unlimitedで読みました)。
 私が知らなかった情報が多いですし、この本があればMリーグをより楽しむことができるとは思いますが、何切るなどの不要な情報を削ってMリーグについての説明をもっと詳しく盛り込んでほしかったです。Mリーグをとことん楽しむ予定の方は買っておくと役立つと思います。

麻雀 だから君は
負けるんです

堀慎吾
木村由佳
竹書房 2018年
8月16日
星3.0
3.0
 過激なタイトルに注目していましたが、内容は…。他の書籍で読んだことがあるものが大半でした。
 初〜中級者が持っている誤った知識を「アホ知識」と切り捨て、ドヤ顔で正解を披露するという繰り返し。例えば「危険牌の七対子タンキ待ちはリーチすべきかどうか」など。
 普段麻雀の書籍を読まない中級者なら参考になりますが、福地誠先生の本さえあれば事足ります。書いてあることはおおむね正しいのですが、著者の態度のでかさがやたら鼻につきます。敢えてこの本を選ぶメリットは薄いと書かざるを得ません。

麻雀格闘倶楽部
で覚える
超実戦型 最強の打ち方
日本プロ
麻雀連盟

コナミ
アミューズ
メント
日本文芸社 2018年
8月8日
星0.0
0.0
 本コーナーでもレビューしている、2017年7月発売の「麻雀 定石「何切る」301選」のまんまパクリ。すでに出版社は「お詫びを掲載」していますが、このような盗作の発行は許すべきではなく、もちろん購入してはいけません。
 本来私が読んでない書籍は当コーナーでは取り上げないのですが、注意喚起の意味も込めて特別に掲載しました。採点は当然0点です。

仕事が麻雀で
麻雀が仕事

藤田晋 竹書房 2018年
8月1日
星4.0
4.0
 評価が難しい。このコーナーはあくまでも麻雀本のレビューなので、麻雀本としては星4.0くらいと判断しましたが、ビジネス本としては星5.0でも良いかもしれません。
 なぜ藤田氏が経営者として成功したのかということが良く分かりますが、同時に麻雀の打ち手としてもストイックで妥協を許さないということも改めて分かりました。交友関係の広さもさすが。
 「麻雀はやみくもにたくさん打てばいいというものではない」など、麻雀に関する鋭い指摘についてもどれも納得。「こういうことをプロが言ってくれればいいのに」と思うこともしばしばでした。

小島武夫
ミスター麻雀のすべて

近代麻雀
編集部
竹書房 2018年
7月25日
星3.0
3.0
 2018年5月に亡くなった小島プロについてまとめた本。昔の近代麻雀・プロ麻雀のコラムが読めるのはとても意義深いです。
 さらに新規に寄稿したコラムや牌譜、漫画などが詰め込まれています。緊急出版のためか、誤植が見受けられるのは少々残念。「最高位戦八百長問題」については、否定的な見解が示されています(小島プロは直接関わってはいない問題ですが)。
 客観的な評価としては星3.0ですが、小島プロに対する思い入れが強い方なら買って損はないと思います。

トッププロが教える
最強の麻雀
押し引き理論
白鳥翔 彩図社 2018年
6月27日
星3.5
3.5
 完成に2年を要したというこの本。テレビ対局での分かりやすい解説には好感を持っていましたが、期待通り分かりやすく役立つ戦術をまとめ上げています。
 ただし、既出の本と内容がカブっているのは大きな弱点。このページでレビューしている2017年4月発売の「麻雀・鉄押しの条件 3人の天鳳位が出す究極の結論」と「現代麻雀 手作りと押し引きの鉄戦術」と似た内容なので、これらの本を持っている人は購入不要です。持ってない人も、白鳥本より福地本のほうをお勧めします。
 また、押し引きとあまり関係なさそうなモンド杯の自慢話も、個人的にはいらないように思います。自己紹介として盛り込んだのであれば、長くても10ページ程度で十分です。

オリ本
〜天鳳位が語る麻雀・
守備の極意〜
しゅかつ マイナビ 2018年
6月21日
星4.0
4.0
 第9代天鳳位であるしゅかつ氏が関わる本は3冊目。今回もインタビュー形式で話が進んで行きますので、ボリュームにはやや欠けるが読みやすいという点は前の2冊と変わりありません。
 この本の最大の長所は、オリをシステム化して簡略化している点です。ゴチャゴチャ複雑な式を頭に入れるのは困難ですが、この本の内容なら多くの方が覚えられると思います。
 この本は平澤元気プロが質問者として登場するので「平澤本」でもありますが、過去の平澤本と同じような内容がいくつか見受けられるので、その点は注意が必要です。

実戦でよく出る!
読むだけで
勝てる麻雀講義

ゆうせー 竹書房 2018年
6月15日
星4.5
4.5
 星4.5評価としましたが、ターゲットによってハッキリと評価が分かれます。後述しますが、麻雀の戦術本を多数持っている上級者にとってはあまり買う必要のない本なのでご注意ください。
 初〜中級者に最適で、麻雀の戦術本を持ってない方には特にオススメの一冊です。講義形式で分かりやすく、麻雀が強くなるための要素が頭に入りやすい親切な解説となっています。カラーも見やすく好印象。
 その反面目新しい著述は少なく、過去に発売された書籍に収録されている内容が大半です。講義形式が災いしてボリュームも足りません。それらの点を考慮したうえで購入をご判断ください。

多井熱
多井隆晴 竹書房 2018年
4月13日
星5.0
5.0
 一応何切る問題も収録されており、「近代麻雀戦術シリーズ」とはいえ、これは戦術本ではありませんのでご注意ください。
 そこさえ気を付ければ実に素晴らしい本です。麻雀が強くなる心構え、今の麻雀界の現状やマーケティングの話など、タイトル通り熱く語られています。 多井プロが連盟に入った&連盟をやめたきっかけについても書かれています。そしてみんなが期待する(?)森山プロの悪口について…書いてあるかどうかは、購入してご確認ください。多井プロの麻雀愛に星5つを捧げます。

麻雀「何切る」
200人に聞きました!
一流麻雀プロが答える
珠玉の100問超
ベストセレクション

佐々木寿人
高宮まり
CCCメディア
ハウス
2018年
2月28日
星1.5
1.5
 1992年発売の「定本何を切る!?」にコンセプトは近く、何切る問題の答えを多くの方に聞くという本。
 佐々木・高宮両プロが自分の好み丸出しの誤打を披露しているのは辟易。アンケート結果のマジョリティを紹介してはいるものの、結局正着打が何なのかこの本では分かりません。答えが分かれる難しい手牌ならまだしも、ハッキリ正着打を出せる手牌でもこの有様なので、中級者以下が読んでも混乱するだけ。上級者にとっては読む必要のない本なので、結局誰にも勧められません。
 詳しくは「こちらのページ」をご覧ください。

麻雀AI戦術
人工知能「爆打」に
聞く必勝法
水上直紀 竹書房 2018年
2月15日
星4.5
4.5
 まず、この本は麻雀戦術について書かれた本であって、麻雀AIの進歩について書かれた本ではありません。そこはご注意ください。
 そこが大丈夫であれば、良著だと思います。例えば役なしカンチャンはリーチとダマテンとどちらが有利か、両方の場合の平均順位はそれぞれいくつか…ということがたくさん解説されています。テンポよく、分かりやすいです。
 「なぜ」という点の解説は不足気味ですが、それを書くとゴチャゴチャして見にくくなるという欠点もあるので、私はこの路線で良いと思っています。

手なりで勝つ!
宮内こずえの牌効率
完全マスターBOOK
宮内こずえ マイナビ 2018年
2月15日
星2.0
2.0
 モンド名人戦の解説で小島武夫プロが「そんなもの何の足しになるの」と全否定した牌効率に的を絞った本。連盟上層部からの執筆許可は下りたんですね。
 コンセプトは良いのですが、明らかな誤打が含まれているのは大幅減点。あと、「牌効率」的には正解でも「何切る」では明らかに不正解となる一打もあります。そのあたりの説明が不足しているので、はてなマークを浮かべながら読まなくてはなりません。
 宮内プロのコラムを読みたい! という人以外は、福地誠先生の牌効率本をお勧めします。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

麻雀勝ち組の
鳴きテクニック
川村晃裕
木村由佳
竹書房 2017年
12月7日
星5.0
5.0
 元協会のプロである川村氏の著書。天鳳ではなかなかの有名人ですが、知らない方も多いかもしれません。
 執筆時点で天鳳での副露率が37%台の私としても、参考になる情報が満載で大満足。まず「アガリ優先の場面で赤やドラにこだわるな」ということをみっちり教え込まれますが、私を含め「分かっていてもつい」という人は多いと思います。
 その後は鳴きとスルーの判断など、実戦で役に立つ鳴きのテクニックを学ぶことができます。内容は的確かつ濃密。中級者にはちょっと難しいので上級者向けでしょう。著者のことを知らなくても、これは強烈にお勧めできる一冊です。

フリー麻雀でも
ネット麻雀でも使える
現代麻雀最新セオリー
雀ゴロK
nisi
彩図社 2017年
12月5日
星4.5
4.5
 雀ゴロK氏にとって3冊目の著書。今回も豊富に取り入れられたデータをもとに最新の戦術が解説されています。
 完全1シャンテンに取るか安全牌を持つか、七対子で追っかけリーチをかけるか否かなど、すぐにも実戦で役立つ内容が満載です。
 愚形でも何でも、テンパイであれば多くの場合において追っかけリーチしてよい、というのがやや新しい内容か。ドラ1ならまだしも、リーチのみのカンチャン・ペンチャンで追っかける勇気は、私にはないです・・・。

新版 おしえて!
科学する麻雀
とつげき
東北

福地誠
洋泉社 2017年
12月1日
星5.0
5.0
 2009年発売の「おしえて!科学する麻雀」に加筆した一冊。この本を持ってない人は絶対買いなので満点評価としましたが、36ページも新規ページがあるので、すでに所持している方でも買う価値は大いにありです。
 初級者から上級者までお勧めできますが、とりわけセオリーが身についていない初級者、成績が伸び悩んでいる中級者にお勧めしたいです。この1冊を読んだだけで、成績が飛躍する可能性があります。「こういう時はこう」という道筋を明確に示した本です。

最強雀士が語る
デジタルの向こう側
大きく打ち、
大きく勝つ麻雀
近藤誠一 マイナビ 2017年
10月25日
星4.0
4.0
 近年実績を残し続けている近藤誠一プロによる著書です。
 最近もてはやされる「最速テンパイ先制攻撃」とも、連盟のベテランが言う「基本はメンゼン、手役を大事に」とも全く異なる戦術を解説しています。近藤プロが言う考え方も必要である反面、この本1冊だけでは厳しいとも思います。他の戦術本とあわせて読むことでこの本も光り輝く、と書けばいいでしょうか。
 飯田正人プロ、金子正輝プロらとの思い出や、モンド名人戦初出場時のことなど、途中のコラムが非常に秀逸です。私は個人的に、このコラムだけでも大喜びです。

ゼロ秒思考の麻雀
ZERO 竹書房 2017年
10月16日
星4.0
4.0
 ZERO氏は天鳳の強者。最近はプロ以外の良著が目立っていますが、この本については一言で言うと非常に読みやすい良著となります。表やデータを使った本が苦手な方にオススメ。ただし見出しだけで1ページを使うなど白紙部分が目立つので、中身はそれほど濃くありません。
 内容的には押し引きの基準や一色手に向かう基準などを明快に解説しています。他の本とカブる部分もありますが、著者独自の視点からの解説も見られるのは好印象です。主に中級者向けですが上級者にも勧められます。

麻雀・序盤の鉄戦略
―3人の天鳳位が出す
究極の結論―

独歩
すずめクレイジー
しゅかつ
平澤元気
マイナビ 2017年
8月18日
星4.0
4.0
 4ヶ月前に発売された「鉄押しの条件」とテーマが違うだけで内容は同じ。歴代天鳳位3名が、序盤戦術について討議を行うというものです。
 会話形式なので、一方的に書く通常の戦術本に比べて読みやすいという利点がある反面、ページ数がかさむためテーマの数は少なくなりがちなのも前著と同じです。
 内容は「序盤は安全牌候補の字牌とペンチャンのどちらを残すか」といった実戦的な序盤戦術がテーマで、やはり参考になるものが多いです。

「統計学」の
マージャン戦術

みーにん 竹書房 2017年
8月12日
星4.5
4.5
 最近流行の、データ重視の戦術書。流行ではありますが、今までの本では見たことがない常識も多く登場するので、この本を新たに購入する価値は大いにあります。フリテン3メンチャンのアガリ確率がカンチャンなどとほぼ同等、などなど。
 表を暗記するくらいの猛者が主なターゲットになるので上級者向けですが、中級者にもお勧め。読みやすさの面でいくらか難点があるとはいえ、ぜひ読むべき良著であることに疑いの余地はありません。

麻雀 定石
「何切る」301選
G・ウザク
福地誠
三才ブックス 2017年
7月27日
星5.0
5.0
 1年前に発売された前著は、万人にオススメながらどちらかと言えば上級者を想定した内容でした。今回は初〜中級者向けの基本的な内容となっていますが、上級者が基礎を固めるにも最適な良著です。執筆時点で天鳳八段の私も、ところどころ間違えており勉強させていただいております。
 前著同様、300問もの良質な何切る問題が収録され、省スペースながら解説も的確でしっかりしています。ところどころで掲載されている理論の解説も、わずか1ページながら内容が濃くすぐに実戦で生かせる素晴らしい内容です。
 同日発売の亜樹本とターゲットが似ているのでどうしても比べてしまいますが、すべてにおいて上回っていると言っても過言ではありません。

誰でもすぐ上達!
二階堂亜樹の
ひと目の何切る
二階堂亜樹 マイナビ 2017年
7月27日
星2.5
2.5
 初級者向けの何切る問題集。麻雀のルールを覚えたばかりの方に最適となるでしょう。
 同日に初・中級者向けの「ウザク本2」が発売(上でレビュー)されており、どうしても比べてしまいます。解説に2ページ以上割いているので、その分問題数が非常に少ないです。1ページに3問掲載してコスパ最高のウザク本とは雲泥の差です。映画「aki」の宣伝を兼ねたインタビューが収録されていますが、これもコスパを悪くしている一因。ウザク本より約40%増しの値段なので、手放しでお勧めできません。
 また初級者向けなので判断が分かれる問題もほぼ皆無で、亜樹らしさはありません。この内容なら、ブックオフでもっと安く良い何切る本が見つかるでしょう。

勝つ人は知っている
現代麻雀30の新常識
土井泰昭
平澤元気
マイナビ 2017年
5月24日
星3.0
3.0
 土井プロが考える「命題」を平澤プロがデータを用いて「検証」し、その結果をもとに「鉄則」として土井プロがまとめる本。「私の命題は意外と当たっていた」「全くハズレていた」というようなまとめで、文章力があるのでそれはそれで面白いです。
 ただし、麻雀の知識を深めたいのであれば、少なくとも「命題」の部分は不要ですし、福地誠氏の著書を購入したほうが内容が濃く手っ取り早く強くなれるでしょう。「新常識」というのはやや誇大なタイトルです。
 この本は福地氏の本が合わない、もしくは読んだことがないという人にオススメとなります。

現代麻雀 手作りと
押し引きの鉄戦術
福地誠 三才ブックス 2017年
4月22日
星5.0
5.0
 何切る形式になってはいますが、右のページに問題、左のページにすぐさま回答が掲載されていますので、どちらかといえば福地氏の解説をしっかり読むことをメインとする一冊です。
 今回も「1・2シャンテンの構え方」「テンパイ速度か好形か」「トイトイかチートイか」といったテーマから押し引きの解説まで、今回も実戦にすぐに役立ちそうなテーマが満載です。
 さらに福地氏の視点だけでなく、村上淳プロ、天鳳十段のzeRo氏の意見も掲載されていますので、強者でも見解が分かれる手牌においては非常に参考になるでしょう。初級者から上級者まで非常にオススメできます。

麻雀・鉄押しの条件
―3人の天鳳位が
出す究極の結論―

独歩
かにマジン
しゅかつ
平澤元気
マイナビ 2017年
4月14日
星4.0
4.0
 福地氏の本とほぼ時を同じくして出版された押し引きの本。歴代天鳳位が立体牌図を見て押すか押さないかで議論をしています。会話形式なので、一般の麻雀戦術本が読みにくいという人にはお勧めです。
 内容は押し引きの基本問題が多く、放銃率が高くて悩んでいる方には非常に役立つと思います。
 厳しい見方をすれば会話形式なので問題数はその分少なめ、さらに目新しい内容はそれほど多くありませんが、非常に分かりやすく押し引きを理解できると思います。
 余談ですが、価格が20%も違うので、初めてKindleで麻雀戦術本を購入しました。紙に比べて読みにくい、ということは一切ありませんでした。

1秒で見抜く
ヤバい麻雀心理術
鈴木優 竹書房 2017年
3月15日
星4.0
4.0
 相手のクセや挙動を麻雀に生かしてしまおうという心理的な本です。これだけで一冊にしたのは、おそらく初めてではないでしょうか。
 主にリアル麻雀で生きる内容ですが、半分くらいはネット麻雀でも生かせる内容です。「相手がこうしたらノーテン」「こうならテンパイ」などと分かりやすく解説されています。知っていれば得になる知識が多いですが、微妙なのもいくつか含まれていることは否定しません。
 本書はあくまで「応用」なので、「基本」がしっかり出来上がった上級者向けだと思います。

「何切る」で覚える
麻雀基本手筋
コレクション
日本プロ
麻雀連盟
マイナビ 2017年
2月23日
星2.5
2.5
 冒頭の挨拶文は黒木真生プロが執筆しているので、この本全体もおそらく彼が書いたものでしょう。
 初級者〜中級者向けの何切る問題が150問ビッシリ並んでいますが、目新しい問題は皆無に等しいです。20世紀に刊行されている他の書籍に収録されているものと何ら変わりない内容なので、今さらこの本を新品で購入する意味はほとんどありません。
 ツッコミどころもあるとはいえ、一応致命的な誤打などは多分ありません。というか、間違いようがないくらい簡単な問題ばかりで、意見が分かれる手牌もほとんどないです。悪書ではありませんが、お勧めしたい要素もありません。

対応力に差がつく
現代麻雀の常識次の一手
馬場裕一 マイナビ 2017年
1月25日
星3.5
3.5
 「何切る」の第一人者・バビィの新著。井出洋介プロあたりと並ぶ古くからの「ブランド」なので、良くも悪くも安定しています。
 この本に関しては、単純な何切るではなく「相手の捨て牌を踏まえたうえで何を切るか」というのがテーマになっています。立体牌譜もありますが1人の捨て牌のみ示された問題が多く、難しくて戸惑うことはあまりないでしょう。
 現代的な目新しい戦術についての解説はほとんどありませんが、「現代でも十分通用する」解説が多いので、戦術本をあまり持っていない中級者にお勧めとなります。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

二階堂亜樹の勝てる麻雀
守りの基本

二階堂亜樹 マイナビ 2016年
12月26日
星3.0
3.0
 前著からわずか半年で早くも新作発売。よほど前著の売り上げが良かったのでしょうか。執筆時点ではアマゾンの麻雀本ランキング57位で、ゆーみん本(41位)より下でしたが^_^;
 内容は…。全然悪くないのですが、前著以上にほとんどすべてが他の本で見たことがある内容です。むろんありがちな素材を彼女なりにうまく調理している面はありますが、麻雀の戦術本を5冊以上持っている人にとってはほとんど無用の長物です。
 ターゲットもよく分かりません。スジやカベなどの基本中の基本から、ダマテンの看破とか手出し・ツモ切りの読みまで登場します。たとえて言うなら「小学1年から高校3年までの内容を広く浅く解説する国語の参考書」です。悪書ではありませんが、一体誰にお勧めすればいいのか私には分かりません。

現代麻雀
押し引きの教科書
福地誠 洋泉社 2016年
12月20日
星5.0
5.0
 麻雀の勝敗に直結するのは、難しい形のサバキではなく押し引きです。押し引きさえ間違わなければ、難しい手牌で誤打があっても勝ち組に入るでしょう。
 そんなわけで私が追い求めてやまなかった本がとうとう発売です。他家の捨て牌が原則隠されており、押し引きについて基本から身につきます。読みやすい構成で、スイスイと頭に入ってきます。
 さらにダメ押しで、巻末には村上淳プロ・ネマタ氏の意見も掲載されているので、3人の意見を取捨選択して自分なりの打法を身に付けようと思います。数ある福地先生の名著の中でもトップ3に入ると思いますね。初級者〜上級者すべてにお勧めです。

進化するデジタル麻雀
現代の強者に打ち勝つ
テクニック
石橋伸洋 マイナビ 2016年
10月26日
星4.5
4.5
 前作「黒いデジタル」に続いて内容が濃いです。現在天鳳七段の私が見ても驚きの内容が多いので、この本をマスターすれば天鳳九段以上レベルくらいにはなるのではないでしょうか。要するに上級者向けなので、初〜中級者が読んでも理解は難しいかもしれません。
 特に第3章の「究極の黒いデジタル」では、対戦相手を利用してラス脱出する方法など、より一層どろり濃厚な内容になっています。私も頭の片隅には入れておきますが、はたして実戦で利用できる日が来るのか…。自分の麻雀に生かしたい気持ちは山々ですが、それより先に石橋プロの引き出しの多さに脱帽しました。

最強位・天鳳位・雀ゴロ
天才雀士3人に
麻雀のことを聞いたら
バカ勝ちできた。
ASAPIN 竹書房 2016年
9月15日
星4.5
4.5
 鈴木たろうプロ、青柳氏(雀ゴロ)、就活生氏(九代目天鳳位)という日本を代表する強者3名に、「タンピンドラ1の完全1シャンテンは何巡目から鳴くか」「手出し・ツモ切りをどの程度見るか」といった重要なテーマについて語ってもらうというコンセプト。
 どれも勝敗に直結する可能性が高い最重要なテーマですので、ASAPIN氏を含めた4氏の見解が得られるのは非常に大きく、福地誠氏はこの本をたいへん絶賛しています。
 注意点としては、各テーマを深く掘り下げた関係でテーマが10個しかないということ。それから、上級者向けという点です。掛け算・割り算もできないのに微分・積分を学習するようなミスマッチが起こり得ますので、4氏の見解を適切に消化できる雀力が必要となります。

麻雀 傑作
「何切る」300選
G・ウザク
福地誠
三才ブックス 2016年
8月6日
星5.0
5.0
 ひたすら300問、場況なしの平面的な昔ながらの「何切る」がギッシリ詰まっています。
 1ページにつき3問を詰め込んでいますが、省スペースながら的を射た的確な解説により全問納得できます。受け入れの広さも数値で示されています。何切るに必要な理論の解説が少々あるほかは、箸休め的なコラムはなし。
 これで1,200円+税なのはコスパ最高。全体牌図が苦手な方も、この本を反復して基礎を身に付けるのが良さそう。初級者〜上級者すべてにお勧めです。

二階堂亜樹の
勝てる麻雀の基本

二階堂亜樹 マイナビ 2016年
6月24日
星3.5
3.5
 結論から言うと、内容は悪くありません。ただ、発売のタイミングが悪すぎですね。1つ下のゆーみん本とターゲットもコンセプトも(全体的にピンクなのも)カブっています。内容的にも、ゆーみんらしさが出ていた1つ下の本に比べ、どこかの本で見たことあるような内容が多めでした(むろん亜樹オリジナルの記述もあります)。
 初〜中級者向けで流れの話はあまり出てこず、攻撃・守備や精神論の話も出てきます。赤ドラありのルールでピンフのみのリーチは損といった見解が、裏ドラが乗る確率を示したうえで書かれているのは好印象ですが、全体を通してデータが出てくる頻度はさほど多くありません。
 連盟では数少ない女性Aリーグ経験者(本書発売時点ではヒサト・タッキーと同じB1リーグ所属)なのですから、上級者向けの戦術書のほうを読みたかったのが私の本音です。

ゆーみんの現代麻雀が
最速で強くなる本

魚谷侑未 鉄人社 2016年
5月23日
星4.0
4.0
 連盟プロの著書の中では珍しく、流れの話が出てきません。この時点でかなり画期的です。
 内容は初〜中級者向け。押し引き・手組み・精神論といった多くの要素をてんこ盛り、ただし各要素は敢えて深く掘り下げず、広く浅く的な傾向で攻めた本。そういう意味では、「最速で強くなる本」の看板に偽りなしとも言うことができます。
 不満点としては、牌姿を1行で収めるためとはいえ、牌が小さすぎます。それから、ゆーみんらしさも出ているとはいえ、この本ならではの要素には乏しいということ。したがって、麻雀戦術書の所持数が3冊以下というような方にお勧めとなります。

神眼の麻雀
山を透視して勝つ技術

成岡明彦
福地誠
洋泉社 2016年
4月2日
星4.5
4.5
 主要な団体に所属していないためとかく陰に隠れがちな成岡明彦プロの戦術を福地誠氏が分かりやすくお伝えする本、という感じでしょうか。
 福地氏や金子正輝プロ、井出洋介プロ、小林剛プロ、天鳳の強者らの意見も聞けますが、とにかく成岡プロと答えが合わない! 当然私とも全く合いません。代わりに私は金子プロとかなり答えが一致しました。
 ただし「この本を読んで自分の実戦に生かそう」とは思わないほうが無難。私は「こういう世界もあるんだな〜」と感嘆してオシマイにしておきます。そういう意味では、2つ下のたろうプロの本と同じですね。しかし読み物として抜群に面白いのでかなりオススメ。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

40年間勝ち組を
続ける男
荒正義直伝・
麻雀サバキの神髄

荒正義 マイナビ 2015年
12月25日
星2.0
2.0
 まず、相手の「強さ」と「雀風」を透視する。次が今の相手と自分の「運」を量(はか)る。これを的確に知れば、次のアガリ番が誰か、予測可能である。
 この本の冒頭にこんなことが書かれています。共感できるなら買い、そうでなければ見送りが正解でしょう。麻雀は次のアガリ番が簡単に予測できるほど単純なゲームなのでしょうか。私は断じてそうは思いませんが。
 後ろのほうには「あまりにもツキの偏りが著しく自分に勢いがない日は、加点をあきらめ失点を防ぐのもサバキのひとつである」とも書かれています。あきらめたらそこで試合終了なのでは??? 私は持ち点3,000点以下からの大逆転を何回も見たことがありますが、すぐにあきらめる人はそういうこともできないと思いますが。
 ちなみに、参考になるサバキの手筋もいくつか収録されていますが、これらの意味不明な論理がすべてを台無しにしていると思いました。

ゼウスの選択
デジタル麻雀最終形
鈴木たろう マイナビ 2015年
10月24日
星4.0
4.0
 かつて「黒いデジタル」と呼ばれたたろうプロですが、最近はこの呼び名を石橋伸洋プロに取られてしまった格好。この一冊で、なぜたろうが黒いのかがよく分かるでしょう。
 今まで理解不能だったたろうプロの打ち筋を理解するための一冊に仕上がっています。ただ、自分が強くなるための一冊ではないと思います。なぜなら、この打ち方を完全にマスターするのはたろうプロ以外に不可能だから。この打ち方を中途半端に取り入れると、弱くなってしまいそうです。
 1つのテーマに対して4〜7ページくらい使って解説しており、テーマ数は合計24(+コラムなど)にとどまります。マイナビ本でありがちな構成ですが、1つ下のヤジー本のようにたくさんのテーマを取り上げているほうが個人的には好きだったりします。

これで勝てる
麻雀攻めの常識100
矢島亨 マイナビ 2015年
8月26日
星4.0
4.0
 タイトル通り、100個のテーマについて2ページを使って解説していくという形式。シンプルですが、だからこそ非常に見やすい一冊に仕上がっています。ヤジーならではの要素には乏しく、他の麻雀本で既出の内容が多いですが、それらが一冊にまとまってお得という考え方もできます。
 手作りにページのほぼ半分を割き、残りがリーチと鳴きについての解説となっています。赤ドラありのルールを想定しており、すぐにネット麻雀に生かすことができそう。中級者に最もお勧めですが、上級者が読んでもためになると思います。あまり麻雀本を持っていない中級者に最適でしょう。

天鳳
公式完全攻略読本
ネマタ
福地誠
洋泉社 2015年
7月11日
星5.0
5.0
 私もチョイ役で登場する書籍。本の中では上級卓住民として登場しますが、レビュー時は五段(特上卓)まで上がっています。
 「攻略本」を名乗りながら、ネマタ氏・福地氏による解説だけに終始せず、私のような弱い人から天鳳位経験者まで、さまざまな人の打ち筋・心構えを学ぶことができます。上級卓から特上卓に、特上卓から鳳凰卓に、段階を踏んでステップアップできそうな本です。
 過去の福地氏の著書に登場した内容も多数登場し、何切る問題・各種データ・天鳳位経験者の数か条の心構え、さらに箸休め的なコラムまで。色々な要素がてんこ盛りながら、監修した福地氏がうまくまとめていて、幅広い麻雀ファンにお勧めできる一冊に仕上がっています。

純黒ピン東メンバーが
教える フリー麻雀で
食う超実践打法
雀ゴロK 彩図社 2015年
6月24日
星4.5
4.5
 まず最初の項が「安易に愚形を払うな!」でしたが、いきなり「ギクリ」と冷や汗をかきました。かつての私は好形至上主義に陥っており、現在まさに矯正の真っ最中なのです。
 そこから先も、勝敗に直結しそうなテーマが次から次に並んでおり、図も文章も読みやすく、中級者から上級者まで幅広くお勧めできます。ただし本のタイトル通り、フリー雀荘の祝儀あり・赤ドラありのルールを想定していますので、ネット麻雀にすべてそのまま当てはまるわけではない点だけ注意が必要です。

ネット麻雀完全対応!
強者の最新手筋100
比嘉秀仁 マイナビ 2015年
6月23日
星4.5
4.5
 「押し引き」「リーチ判断」「鳴き判断」「オーラスの打ち方」など、ただちに勝敗に直結しそうなテーマの良質な何切る問題が並んでおり、さらに各問題につき天鳳強者3名と著者のコメントが加えられています。
 シンプルな形式でサクサク読めますし、何より天鳳の強者と答えが一致するかどうかを確認する作業が楽しいです。中級者から上級者まで、幅広くお勧めしたい一冊です。

統計で勝つ麻雀
福地誠
みーにん
竹書房 2015年
6月1日
星5.0
5.0
 麻雀本の一大ブランド「福地誠」の最新著書。データと文章の割合が絶妙で、非常に読みやすく仕上がっています。
 オーラス満貫条件での逆転確率、字牌シャンポンとリャンメンとどちらを優先するか、国士無双は何種から狙うか…などなど、今回も興味深く勝率に直結しそうなテーマが満載で、最後まで飽きることなく読むことができます。
 誤植がいくつか指摘されていますが、私が読んだ限りでは減点するほどでもないと思ったので、文句なしの満点とさせていただきました。

ブラコン女子大生の
最短で強くなる麻雀
西園寺靖子 日本文芸社 2015年
5月29日
星3.0
3.0
 著者のツイッターは数回目にしたことがある程度。兄と妹の掛け合いというヘンな設定で解説が淡々と続いていきますが、どうやらこれはファンにはおなじみのようです。
 堅苦しい麻雀本が苦手な方にお勧め。私は堅苦しい麻雀本全然OKで、逆にこの兄と妹の掛け合いが見にくくて仕方がありませんでした。ついでに言えば、なぜか緑と黒の二色刷りというのも見にくいですし、麻雀牌の図柄も今風でなくて見づらいです。色々と見にくくて損をしていますね。
 ターゲットが分かりにくいですが、おそらく中級者程度を想定しているものと思われます。イロモノすぎるので、最高評価と最低評価をする方にハッキリ分かれそうな感じですが、内容そのものは悪くありません。

黒いデジタル麻雀
〜現代流データ
戦術を斬る〜
石橋伸洋 マイナビ 2015年
4月24日
星4.5
4.5
 連盟若手・中堅雀士に比べてはるかにレベルの高い解説をする石橋プロ。期待通りの本でした。
 内容は上級者向けで、中級者以下ではついていけません。私も読破するのに時間がかかってしまいました。深い読みを解説する本なので、「こういうときはリーチ!」みたいな最近よくあるシンプルなセオリー本ではありません。それだけにマスターすれば一段階上の強さを手に入れることができますが、マスターするのはかなり骨が折れます。覚悟がある方には非常にオススメの一冊。

「牌効率」
入門ドリル76
福地誠 洋泉社 2015年
4月12日
星4.0
4.0
 小島武夫プロが「そんなもの何の足しになるの」と徹底否定した「牌効率」にスポットを当てた一冊。基本的には初級者向けと思われますが、中級者でもけっこう間違えている問題がありそうですし、後半には上級者向けと思われる複雑な牌姿もありました。タイトル通りの「入門」と呼べるかどうか疑問な部分もあります。
 前半は5〜8枚の牌姿の解説なので、まさに牌効率に的を絞ったと言える内容ですが、後半は従来通りの14枚の何切る問題と言えないこともありません。ただ私自身、誤って認識している部分がいくつかあったのでこの本を読んで正そうと思いました。

滝沢和典の
麻雀読みの公式
滝沢和典 マイナビ 2015年
2月24日
星3.5
3.5
 期待していた滝沢プロの前著は誤植だらけでとんでもない駄本でしたが、今回はまずまずと言えます。見た感じ、致命的な誤植はありませんでした。誤植連発で超有名なマイナビの本なので、この時点でホッとひと安心です。相手のリーチの読み、仕掛けの読みについて主に解説しています。とても見やすく、中級者ならスンナリ理解できるでしょう。
 ただ読み過ぎに陥っているきらいもあり、読む必要のないリーチにまで読みを働かせている場面も。また「序盤の5切りは1・4、6・9が危険」のような20年以上前に常識となっている事項を今さら解説するなど、時代遅れ感はけっこうあります。最近の麻雀本しか持ってないor戦術本をそもそもあまり持っていないという中級者向けかと思います。

神速の麻雀
堀内システム51
堀内正人
福地誠
洋泉社 2015年
2月13日
星4.5
4.5
 帯に「究極のファストフード麻雀!」というキャッチコピーがありますが、中身を見て納得でした。スピード重視であるということもさることながら、データを多用しているにも関わらず、ASAPIN本やネマタ本に比べると打ち筋がシンプルで理解しやすいという面もあります。例えばカンチャン1300点でもリーチを推奨しているのがやや珍しいところでしょうか。
 もうひとつの売りとしては、やはり連盟の内部事情の暴露でしょう。暴露と言っても、無節操に何でもかんでも晒しているわけではありませんが、日本プロ麻雀連盟という組織の腐敗ぶりについては改めてよく分かります。これを読むためだけでも買う価値はありそうです。

麻雀偏差値70への
メソッド
石井一馬 竹書房 2015年
2月12日
星4.5
4.5
 一言で言えば、最近の戦術本の中では最も読みやすいということにつきます。内容は中上級者向けではありますが、読みやすいので初級者にもお勧めできます。読みやすい原因のひとつとして、メソッドのタイトルに丸ごと1ページ使用している点が挙げられますが、その代わり分量が少ないとも言えます。
 福地本・ネマタ本・ASAPIN本・堀内本とは主張が同じ部分も多いですが、やはりちょっとずつ違います。例えば上の堀内本とは違い、愚形のリーチのみは推奨していません。なお、赤ドラ・祝儀有のルールを対象としているようなので、ネット麻雀よりフリー雀荘で役立つかもしれません。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

新次元麻雀
〜場況への実戦的対応と
ケイテンの極意〜
ASAPIN マイナビ 2014年
12月23日
星4.5
4.5
 4つ下でレビューしている本の続編にあたります。その本の中で「形テンについて一冊書きたい」という願望を述べておられましたが、一冊丸ごとではないものの見事に実現されました。形テンだけでこんなにページを割いた本は他にないでしょう。
 全体牌譜を中心とした解説で、前作に比べ抽象的な記述が減り、具体性が増したように思います。今作でも、最近流行の数学的な解説はあまり出てこず、「たぶんこう思う」という感じであるのは事実です。ただし初代天鳳位様のおっしゃることなので、説得力がまるで違います。
 内容は中〜上級者向け。例えば「カンチャンドラ1は即先制リーチと決めつけるな、場況をよく見ろ」といった解説がされていて、実戦的で非常に参考になります。麻雀が強くなりたい人は問答無用で購入するべきでしょう。

もっと勝つための
現代麻雀技術論
実戦編
ネマタ
福地誠
洋泉社 2014年
11月5日
星5.0
5.0
 4つ下でレビューしている「勝つための現代麻雀技術論」の続編にあたる本。前作はネマタ氏が好きな「メガ盛り」のような内容の濃すぎる本でしたが、今回はそれを「何切る」形式にして読みやすくしたものです。僭越ながら、私・ブラックマもチョイ役で登場します。
 「何切る」形式で自分の麻雀の間違いを見直すことができる本で、福地誠氏・成岡明彦プロや過去の天鳳位の回答も掲載されているため、1人の偏った見方にならないのが素晴らしいところ。読めば確実に強くなるでしょう。
 もうひとつこの本の特徴として、連盟を退会したばかりの堀内正人プロのインタビューが掲載されている点。連盟内部の腐敗ぶりが改めて浮き彫りになっています。「プロ連盟のミスター老害」には笑いました。この福地氏のフットワークの軽さ、もっと認められてもいいのではないでしょうか。

麻雀力が
目覚める打ち方
桜井章一 竹書房 2014年
9月18日
星2.5
2.5
 DVD「麻雀最強戦2014 特別プロ予選」で、桜井氏が解説していた時の内容をもとに、当時言い切れなかったことを大幅に追加して書籍化したものです。「読んだその日から勝率が倍増!」という、うさんくさいキャッチコピーは相変わらず…。
 DVDを見た時に誰しも気づくと思いますが、一緒に解説していた森山プロの主張と桜井氏の打ち方はまるで異なります。桜井氏が森山プロを批判しているとすら思えるほどに(笑)
 さて内容ですが、これは上級者向けでしょう。少なくとも、この本の内容を全部採用したら、麻雀は勝てません。なので、適切に取捨選択できるだけの雀力が必要になります。素晴らしいことも書いてますし、明らかなデタラメも書いてます。桜井氏は「手変わりがある場合は1巡ダマ」と主張してますが、なぜ1巡なのかは謎。

これだけで勝てる!
麻雀の基本形80
福地誠 竹書房 2014年
7月10日
星4.5
4.5
前回のいわゆる「ネマタ本」の難易度がかなり高かったですが、今回はだいぶ基本的な内容に戻りました。小難しい牌姿はあまり登場せず、基礎的な問題が多いです。「某対戦麻雀サイトでレーティング上位20人に入ったことがある(笑)」私も挑戦してみましたが、全問5秒以内に答えるという制約を自分に課したとはいえ、なんと9問も間違えてしまいました。してみると、決して初〜中級者だけでなく、上級者でも十分役立つ本と言えるでしょう。文章は読みやすく、漫画も入っているので読書が苦手な方でもスイスイ読めます。麻雀が下手な雀荘従業員の女の子がうまくなる…というストーリーも妙に好感が持てます。もはや「福地誠」は、麻雀本の一大ブランドと言っていいと思います。

超精緻麻雀
-多角的思考による
盤面把握-
ASAPIN マイナビ 2014年
4月15日
星4.5
4.5
ASAPIN氏は初代天鳳位の超強豪アマ。「誤植の総合商社」として有名なマイナビ本ですが、誤植覚悟で購入しました。しかし少なくとも「牌図が入れ替わっている」みたいな致命的な誤植はありませんでしたので、ご安心ください。
現代的な麻雀の勝ち方について一冊によくまとめている良本です。連盟プロの本の10倍は参考になります。ただし良くも悪くも「広く浅く」的な傾向が強いので、結論に至るまでの根拠はかなりカットされています。根拠を延々と解説すると読みにくくなる部分もあるので、この辺は好みが分かれるでしょうか。一つ下の「ネマタ本」よりはかなり読みやすいと思います。

勝つための
現代麻雀技術論

ネマタ
福地誠
洋泉社 2014年
4月9日
星4.5
4.5
超有名な「現代麻雀技術論」というサイトの書籍化です。この中から重要な要素を厳選し、さらに最新の戦術・理論を取り入れて一冊の本に仕上げています。全体的な雰囲気は「おしえて!科学する麻雀」に近いですが、より上級者向けになった感じ。「押し引き」「くっつき形の選択」「ベタオリの手順」など、実戦で頻繁に登場する形の解説が行われているため、すぐに実戦で役立つことでしょう。
図も豊富に用いられているものの、それ以上に豊富な文章を読むことになるため、それなりの覚悟は必要です。この本の内容がすべて頭に入れば、アマトップクラスになれるでしょう。私の記憶力では無理ですが…。横書きになったとしても、図と文章が交互に登場する形のほうが読みやすかったかもしれません。図と文章が離れていることがあり、読みにくさを感じることがあります。強くなりたいなら絶対買いの一冊ですが、すでに麻雀書籍を20冊以上は読破している人向けだと思います。

進取果敢
〜強者たちの選択〜
日本プロ
麻雀協会
マイナビ 2014年
1月16日
星4.0
4.0
大量の誤植を覚悟せねばならない、マイナビの初版。慎重に慎重に、誤植があまりないことを確認したうえで購入しました。私はマイナビに2度苦情を入れておりますが、2度目は少々きつめに申し入れたので、さすがに効いたのでしょうか。内容は、協会のトッププロが勢揃いする豪華な書籍。立体牌図を見て何を切るか、というありがちな内容ではありますが、単なる何切るではなく相手の動きに対する対応なども考えるので、中級者でもちょっと難しいと感じる可能性があります。さすがに協会のトッププロは読みが深く、レベルが高いと感じました。ただプロの数が多く、似たような解説を重複して読まされることがあるのは難点。そのせいで問題数も16問と少なめで、さらに1,480円+消費税と値段も少々高め。しかしそれを差し引いても良本ではあります。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

麻雀の正解
福地誠 竹書房 2013年
12月12日
星4.5
4.5
「以前雑誌に連載した問題のうち、まだ使っていなかった絞りかすを寄せ集め、そこに新問題を足して作った」とは福地氏の自虐的紹介ですが、いやいや今回も非常にオススメです。本の構成そのものは今までとそれほど変わりませんが、金子正輝プロ・小林剛プロ・独歩氏(天鳳最強の打ち手)の3者の見解を見られるのが非常に大きい! 特に金子プロは、若手と交わって最新の打ち方を常に研究しているのがよく分かります。30年以上も前のカビの生えた打ち方に固執するどこかの団体のお偉い方とは大違いです。私の答えは2人のプロよりも福地氏寄りでした。だいぶ氏の打ち方が浸透してきたのでしょう…。600円と安いので絶対買い。麻雀好きなら、買わないのは悪手です。

山読みを制する者は
麻雀を制す
滝沢和典 マイナビ 2013年
10月12日
星1.5
1.5
これが連盟の次期エースが書く本か…。けっこう期待していただけにガッカリ。第1章の「山読みの基本」では基本が一応身につくが、内容的に怪しいところがチラホラと。第2〜4章は早い話、モンド杯で優勝した自慢話。山読みの解説もありますが、そうでないのも多数あり。こんな構成で山読みが身に付くとは思えません。しまいには今回もまた誤植のオンパレード。問題と解説が一致していないことがあり、読みようがありません。再びマイナビには苦情を申し入れました。皆様、マイナビの本の初版を購入するのは絶対にやめましょう。私もしばらくやめることにします…。

麻雀 何が何でも
トップを取る技術
前原雄大 ベストセラーズ 2013年
9月21日
星1.0
1.0
前原プロの雀風通り、強引なリーチ・強引な攻めで強引にアガリを物にする過程を解説すれば良かったんじゃないかなと思うのですが。そうすればタイトルとも一致しますよね。しかしこの本の中身は、どこかから引っ張り出してきた誰かの牌譜を「ああでもない、こうでもない」とつついているだけで全く面白くありません。この人の国語力も大いに疑問。これはカタブツ親父による若手への説教本か、もしくは意味の通じない日本語を羅列した宗教本でしょう。こんなものを読まされて、どうやってトップを取ればいいのでしょうか? このタイトルの意味は? かなりの謎。

麻雀 10倍勝てる
テクニック
福地誠 竹書房 2013年
6月1日
星4.5
4.5
著者の福地氏が募集した麻雀に関する質問に対して答えていくという形式がとられています。私も質問を投稿しましたが、今まで知りたかったことが解決してたいへん参考になりました。600円と安いですので、迷わず買いでしょう。敢えて不満点を探すとすれば、難しい質問に対しては回答を濁している部分がある点でしょうか。しかし、明快に答えが出ない分野ですので、仕方のないところだと思います。
麻雀 プロはこう読む 森山茂和 ベストセラーズ 2013年
5月21日
星0.5
0.5
「読み」ではなく「思い込み」の羅列。昭和時代を彷彿とさせるような内容で、買う価値はないに等しいです。無意味な「捨て牌読み」ばかりで、現代麻雀において重要な「山読み」の解説が皆無なのは完全に時代遅れ。詳しくはこちらをご覧ください。

麻雀麒麟児の
一打鉄鳴き
近代麻雀公認
堀内正人 竹書房 2013年
4月11日
星4.0
4.0
連盟プロの出す戦術本は全体的にアレなのですが、この本はオススメです。最近の麻雀では決して軽視できない「鳴き」について書かれています。「こんな牌姿で仕掛けるのかよ!」と驚くこと間違いなしでしょう。雑誌に掲載されたものですので、担当編集者とのサムいやり取りもそのまま残されております。堀内プロには、次はオリジナル本を執筆していただきたいです。

麻雀 魔神の攻め
渋川難波 マイナビ 2013年
3月13日
星4.5
4.5
渋川プロにとっては2冊目の著書。前作に引き続き、実戦的で役に立つ本です。今回は攻撃に的を絞っており、仕掛け方、七対子の作り方、赤牌の生かし方など、どれをとっても即座に実戦で使えそうな内容です。チップありのルールにも対応していますので、フリー雀荘でも使えます。いくつか収録されている「魔神のつぶやき」というコラムもなかなか面白いです。

ヒサトVS滝沢
麻雀戦術30番勝負
佐々木寿人
滝沢和典
マイナビ 2013年
1月16日
星3.5
3.5
答えが分かれそうな何切る問題を出題し、ヒサトとタッキーがそれぞれ答えるというもの。2人の答えが一致することもあれば、分かれることもあります。読み物としては面白いですが、2人のプロの答えしか見られないというのは難点。また、誰が書いているのかがよく分からない「総括」の内容が時々トンチンカンなのが少々気になりました(例:「ちょっと手が悪くなるとすぐ七対子に逃げるような悪いフォームが染み付いてしまう人もいる」など)。問題数が30問と少ないので、自分の実戦に生かすというよりは、ヒサトとタッキーのことを詳しく知りたい人向けでしょう。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

麻雀勝ち組の選択II
福地誠 竹書房 2012年
12月7日
星4.5
4.5
「序盤は字牌と端牌のどちらを切るか」「片方が4枚枯れの両面待ちでリーチするか」「安全牌を持つか手広くするか」など、永遠のテーマを検証しています。読んですぐに実戦で役立つ内容が多く、絶対買うべきという一冊です。価格が600円と安いのも魅力的。

シンプルに勝つ!
最強小倉システム
小倉孝 マイナビ 2012年
11月13日
星2.0
2.0
赤あり/なし、東南戦/東風戦による打牌選択の違いを書いた本。どのルールで打つ人にとっても参考になる良本…になるはずでした。特に中盤以降は誤植・駄文のオンパレード。何切る問題で解説が別問題の解説と入れ替わってるのは、読者をなめているとしか思えません。マイナビには苦情を入れましたが誠意ある対応はしてもらえず、3回目でようやく修正版のWordファイルだけ入手しました。これを印刷するのも面倒なので、一度読んだきりで放置してます。みなさん、マイナビの本を購入するときは十分気を付けましょう。ちなみに、誤植が修正されたら星2つはプラスしてよい内容だと思いますよ。

麻雀 魔神の読み
渋川難波 マイナビ 2012年
9月13日
星4.5
4.5
「山読み」「捨て牌読み」を始めとする「読み」を中心とした解説書。非常にレベルが高いので、中級者にも向きません。完全に上級者向けです。実戦解説でも渋川プロの読みがズバズバ当たっており、感動しました。「オーラスでの1着ダウンはOK、2着ダウンは控えめに」というのも目からウロコ。「自分は上級者だ」と自信がある人には非常にオススメ。
麻雀 アガリの技術 瀬戸熊直樹 マイナビ 2012年
5月15日
星1.0
1.0
瀬戸熊プロの実戦譜の解説が延々と続きます。結果論ばかりで、半分も読まないうちにウンザリしました。「鳴いたら相手にアガられた。流れを考えれば、鳴くべきではなかった」こんなのばかりです。まるっきり参考になりません。しまいには、「森山プロならすべて見えていただろう」など、森山茂和へのヨイショみたいな記述まで。気持ち悪くてじんましんが出そうです。個人的には瀬戸熊プロの雀風のように、ときに強引にアガリに持っていく攻撃的な打ち方を解説する本を出してほしかったと思います。

最強麻雀
リーチの絶対感覚
村上淳 マイナビ 2012年
3月13日
星4.0
4.0
鳴きや守備に関する記述を一切カットし、リーチを主体として解説しています。ありそうであまりない本だと思いますね。村上プロが愚形リーチを多用する理由はよく理解できました。字牌の切り順や一発消し・ハイテイずらしについても書かれており、これも分かりやすく参考になりました。すぐに実戦に生かせるでしょう。全体牌譜が巻末にまとめて掲載されているのはちょっと読みにくいかもしれません。

麻雀テクニック
近代麻雀オリジナル公認
今日から勝率アップ!!
福地誠 竹書房 2012年
3月12日
星4.5
4.5
雑誌に掲載されたものを書籍化したもの。毎回テーマがあり、それに沿った解説をし、最後は何切る形式の実践問題で頭に叩き込むという構成になっています。読みやすいしためになるし、プロや有名なネット雀士の答えも載ってます。おまけとして、福地氏のブログや点数計算なんかもあります。値段が600円と安いこともあり、まず購入して損はないでしょう。

麻雀の真理
荒正義 マイナビ 2011年
12月13日
星3.0
3.0
2003〜04年に出版した「プロの条件」「敗れざる者」の2冊を加筆して1冊にまとめたお得な本…のはずなのですが、文字が大きく空欄が多いので、ページ数ほどの分量はありません。内容は森山プロほどではありませんが、デジタル批判のアナログ本です。ところどころ、上から目線なのが鼻につきますが、目新しい内容は少なく、1990年代に出版された本で読んだことがある内容のほうが多いです。中級者向けなのか上級者向けなのかも、最後までよく分かりませんでした。悪書ではありませんが、強烈にプッシュする理由もありません。

超攻撃麻雀
ヒサトノートX
佐々木寿人 マイナビ 2011年
7月14日
星3.0
3.0
約4年半ぶりの続編というべき本ですが、前著に比べるとフツーになってしまいました。全然攻撃的じゃありません。ごく普通の解説本ですね。88ページまでが解説で、残りの100ページ以上がモンド杯の実戦譜という構成なのはどうかと。モンド杯を見た方にとっては無用の長物ですし、そうでなくても長すぎて途中で飽きます。寿人プロ大好き、という人なら買い。このタイトルなら、攻めだけに的を絞った本にしたほうが良かったと思います。
書籍名 著者 出版社 発売日 管理人評価 感想

赤ドラ麻雀完全攻略
土井泰昭 マイナビ 2010年
9月14日
星4.0
4.0
赤ドラありのルールオンリーの珍しい本。ほんの数年前までは赤ドラの「あ」の字も出てこない本が多かったので、非常にありがたい一冊です。最終章では祝儀ありのルールの解説も掲載されています。打牌の基準が明確で、時には「どちらもある」と答えを濁している部分もあります。基本的には良本ですが、打牌選択が土井プロとどうしても合わない問題がいくつかありました。それを差し引いても、赤ドラありのルールで打つ人にはお勧めできます。

土田流麻雀
仕掛けを極める
土田浩翔 マイナビ 2010年
3月14日
星4.0
4.0
アナログを通り越して、オカルト全開の本です。とはいえ、それだけで敬遠するのはもったいないです。参考になることも多く、特に従来はタブー視されていた安いチャンタ仕掛けを積極的にせよと書かれていたのは、個人的に目からウロコ。鳳凰・十段をはじめ数多くのタイトルを獲得した片鱗が見えてきます。取り入れる部分と切り捨てる部分をハッキリ分別できるほどの実力を持った方にお勧めしたい一冊です。

麻雀押し引きの戦術
新津潔 マイナビ 2010年
1月26日
星4.0
4.0
「本願他力」という新しい言葉が出てきますが、基本的に新津プロの雀風通り無理をせず柔軟に打つ打法が身に付く良本です。特にタイトル通りの「押し引き」については詳しく解説されています。第4章のモンド名人戦の実戦譜は、問題図+全体牌譜+部分牌譜という構成で、とても見やすいと思いました。

実戦!ブレイン麻雀
言い訳無用の
リアルタイム麻雀解説
馬場裕一 マイナビ 2009年
12月23日
星4.0
4.0
結果論を排除し、対局しながら読みや手牌の感想などを対局者に語ってもらうという意欲的な本。当然ながら「流れ」や「ツキ」と言った言葉が出てくる余地はありません。面白いです。不満点としては、局の最初にバビィ(馬場プロ)がネタバレをしちゃっていることと、随所に挿入されている全体牌図が、逆さや横向きのため読みにくいことがある、という点でしょうか。しかしそれを引いても面白いですね。

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